まぶたの皮膚が伸びている?簡単なチェック方法も紹介

目が小さくなったと感じるのはなぜ?原因&対策法!

髙橋 謙
監修者
たかはし皮膚科クリニック
髙橋 謙

公開日:2024.02.09

年齢を重ねて目が小さくなったという悩みは、多くの人が持つ悩みの一つです。実際に眼球のサイズが小さくなることはありませんが、加齢によって目まわりの皮膚が伸びたり、筋肉が衰えたりして、小さく見えてしまうことがあるため、早めに対処しましょう。

目が小さくなった原因は?加齢のせい?

目が小さくなった原因は?加齢のせい?

ふと窓ガラスや鏡を見たときに「あれ? なんだか目が小さくなった? 」と思ったことはありませんか?

目は顔の印象を決める重要なパーツであるため、ほんの少し小さくなっただけでも印象がガラリと変わります。

では、そもそもなぜ年齢を重ねると目が小さくなったと感じるのでしょうか?ここでは、その原因を2つご紹介します。

加齢や外的刺激によるまぶたのたるみ

目が小さくなったと感じるのは、加齢によってまぶたの皮膚がたるんだからです。

年齢を重ねるにつれて基礎代謝が落ちて太りやすく、まぶたにも脂肪が付きやすくなったり皮膚の弾力が低下したりするため、目のまわりの皮膚が下がって目に被さり、目が小さく見えてしまいます。

また、まぶたのたるみは外的刺激によっても起こることがあります。

まぶたの皮膚の厚さは、約0.6mm。他の部位の皮膚の厚さは2mmほどあるため、特にまぶたの皮膚は薄く、外からの刺激を受けやすいといえるでしょう。

まぶたへの外的刺激としてまず挙げられるのは、乾燥と紫外線です。

紫外線によって肌の弾力を保つ役割を担う「真皮」にダメージが加わり、コラーゲンやエラスチンなどの成分が破壊されてしまいます。

それに加えてアイメイクやクレンジング、洗顔でまぶたに刺激を与えたり、かゆみで目を擦ったりなど、日々刺激を受けることで皮膚が伸びてたるんでしまうことも。

まぶたは角質層にうるおいを蓄えにくく、肌のバリア機能が衰えやすい部分でもあるため、普段保湿をしっかりとしていないと、乾燥が進んでたるみの原因になります。

目まわりの筋肉の衰え

目のまわりには眼輪筋や脂肪があり、眼瞼挙筋や瞼板、挙筋腱膜(きょきんけんまく)、靭帯などの組織がまぶたを支えています。

上まぶたが開いたり閉じたりするためには、これらが正常に働く必要がありますが、加齢によって筋肉が減少したり目を擦るなどの外的刺激によってゆるみが生じたりすると、まぶたを支えきれず重力に負けて下がってしまいます。

それにより、瞳が見える面積が狭くなってしまい、目が小さくなったように見えることもあるでしょう。

また、目が小さくなっただけでなく目が重くて開けにくい、真ん中よりも上が見にくい、まぶたをうっとうしく感じる場合は、眼瞼下垂の可能性もあります。

近年、スマホやパソコンを長時間使用する人も増えていますが、目のまわりの筋肉が衰えたり血行が悪くなったりして、まぶたが下がる原因となることもあるため注意が必要です。

まぶたの皮膚が伸びているかチェック!

まぶたの皮膚が伸びているかチェック!

まぶたの皮膚が伸びてしまうと、ハリが失われてまぶた全体がしぼんだような印象になります。中には、たるみや深いシワが見られることも。

それらの症状が皮膚が伸びたことで起こっているのか知りたいときは、以下の方法でチェックしてみるのがおすすめです。

  1. 目を開けたままの状態で、まぶたの皮膚が気になる部分を軽く持ち上げてみる
  2. そのままの状態で、まぶたのフチが上がっているか、黒目がはっきりと見えているか確認する

まぶたのフチが上がっていて、黒目もはっきりと見えている場合は、まぶたの筋肉は衰えていません。

反対に、まぶたのフチが上がらず、目の開きやすさも変わらない場合は、まぶたの皮膚が伸びている可能性が高いです。

また、まぶたの皮膚ではなく、筋力が衰えていないかをチェックしたいときは、以下の方法を試してみましょう。

  1. 正面を向いてまぶたを閉じる
  2. 両方の眉毛を覆うように左右からそれぞれ人差し指を当て、眉が動かないようにする
  3. そのままの状態でまぶたを開く

上記の動きをしたときに、まぶたのフチが黒目にほとんどかかっていない場合や少し黒目にかかっている場合は、まぶたの筋力は正常だといえます。

反対に、目が開きにくいと感じた場合は、まぶたの筋力が衰えている可能性があるでしょう。

まぶたの筋力が衰えて眼瞼下垂になってしまうと、視界が狭くなって日常生活にも支障が出る可能性が高いため、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

目が小さくなったと感じたら早めに対策!

目が小さくなったと感じたら早めに対策!

目元は全身の中でも皮膚が薄くデリケートなので、顔の中でも年齢や疲れが目立ちやすい部分です。

皮膚のたるみや筋肉の衰えによって目が小さくなると、実年齢よりも老けて見えてしまうこともあります。

目元はその人の第一印象を左右します。完全に変化を止めることは難しいですが、できるだけ変化をゆっくりにするためにも、目が小さくなったと感じたらすぐに対策しましょう。

ここでは、目が小さくなったときに始めるべき対策法を5つご紹介します。

まぶたストレッチで目まわりの血流ケアをする

まぶたのむくみやたるみ、目のくぼみが気になる場合は、眼輪筋を使うことで目元の血流を促進する「まぶたストレッチ」がおすすめです。

  1. 目の横に手を当てて「ヒラメ顔」を作るように少し横に引く
  2. 遠くを見ながら目を細めて10秒キープする
  3. 手を離して目をぎゅっとつむってから緊張を解いていく

10秒キープしている間は、上まぶたと下まぶたが緊張していることを感じながら行うのがポイント。その際、眉間にシワができないように注意しましょう。

他にも、目元をホットタオルなどで温めるのも目元の血流促進に効果的です。ただし、まぶたを強く押したり擦ったりしてはいけません。

眼輪筋のエクササイズ「眉ロック」をする

目を開くときにおでこにシワができる場合は、表情筋の使い方にクセがある可能性もあるため、額や目まわりの筋肉を鍛える表情筋トレーニング「眉ロック」でシワを寄せずに目を開くクセをつけましょう。

  1. 姿勢を正して頭と顔、体で1本の軸を作る
  2. 眉や額に指を当てて揺らしながら無駄な力を抜く
  3. まぶたの力を使って目を大きく見開く
  4. おでこにシワができる場合は、手でシワを伸ばすように押さえる
  5. 目を見開いたまま5秒キープする
  6. 目をぎゅっと閉じる
  7. 眉間にシワがよらないように注意しながら目を細めて5秒キープする
  8. 目を細めたときに眉間にシワができる場合は、眉間のシワを伸ばすように手で押さえる
  9. 再度目をぎゅっと閉じたあとリラックスする
  10. 目を見開いて細める動きを、3〜5回繰り返す

保湿を入念に行う

まぶたの乾燥によってシワやたるみが起こっている場合は、目元の保湿を入念に行うのがおすすめです。

天然セラミドやヒト型(バイオ)セラミド、植物性セラミド、擬似セラミドは肌の保湿に効果的なので、これらが配合されている基礎化粧品を使うとよいでしょう。

また、日頃からクレンジング洗顔、アイメイクの際にまぶたを強く押したり擦ったりしないよう注意することも大切です。

クレンジングや洗顔は低刺激のものを使用し、マスカラやアイライナーなどは落ちにくいウォータープルーフのものは避け、強く擦らなくても落とせるものを選ぶようにしてください。

食生活を改善する

むくみによってまぶたの動きが制限されている場合は、食生活を改善してみましょう。

むくみは塩分や水分の取り過ぎ、ビタミンやミネラル不足、お酒の飲み過ぎなどによって起こるため、スナック菓子や麺類、塩分の多いおつまみ、過度の飲酒などを控え、以下の栄養素が含まれた食品を積極的に取ることをおすすめします。

  • ビタミンB1、B2、B6:牛肉、豚レバー、鮭、サンマ、玄米、トウモロコシ、チーズ、バターなど
  • タンパク質:牛肉、鶏肉、鮭、鯛、アジ、ヨーグルト、卵類など
  • カリウム:キュウリ、イモ、バナナ、リンゴ、海藻類など
  • 食物繊維、乳酸菌:玄米、納豆、イモ類、根菜類など

これらの食べ物を食べたからといって、すぐにむくみが解消するわけではありませんが、徐々にむくみづらい体になります。

医療機関を受診する

加齢によるまぶたのたるみは、セルフケアでは改善が難しい場合もあるため、医療機関を受診するのも一つの方法です。

特に眼瞼下垂の可能性があるときは、症状がひどくならないうちに早めに医師に相談し、適切な治療を受けましょう。

眼瞼下垂の症状が強く、生活に支障が出ている場合は、主に手術で治療を行います。

手術の方法には、上まぶたの皮膚を切開して伸びた挙筋腱膜を縫い縮める「腱膜縫縮術」と、おでこの筋肉と眼瞼を人工の膜でつなげる「前頭筋つり上げ術」などがあり、原因に応じて選択します。

なお、眼瞼下垂は軽度であれば以下のように自分で対処することも可能です。

  • まぶたに貼る肌色のサージカルテープやアイプチなどの二重まぶたを作る化粧品でまぶたを上げる
  • メガネのフレームにバネを取り付ける「クラッチ眼鏡」をかける

サージカルテープや二重まぶたを作る化粧品は、一般的にドラッグストアで手軽な値段で販売されているため、すぐに始められます。ただし、二重まぶたを作る化粧品は、まぶたに負担がかかったり適切に使用しないと眼瞼下垂が悪化したりする点に注意が必要です。

クラッチ眼鏡は眼鏡店などで購入できます。

眼瞼下垂ほどではないけれどまぶたのたるみが気になるという場合は、美容医療で改善する方法もあります。

目元を切開して余分な皮膚や脂肪を切除する方法の他、レーザーや高周波、ハイフなどの照射系の治療、二重の幅を広げる二重埋没法、ヒアルロン酸注入などさまざまな治療法があるため、医師とよく相談して適切な治療を受けましょう。

メイクで目の小ささを軽減するのも一つの方法

メイクで目の小ささを軽減するのも一つの方法

人の顔の中で一番に目につくのが、目の形です。

髪の毛や服装などはすぐに変えられますが、目の大きさは気になってもその場でチェンジすることはできません。そのため、「明日は同窓会だから目の小ささをどうにかしたい」という場合は、メイクで目を大きく見せるのも一つの方法だといえます。

ポイントは、縦ではなく横のラインを強調すること。

アイライナーを引くときは、目尻から7〜8mmほど外側に長く引き、角度を上げ過ぎないようにしましょう。

ブラウンやプラムなど、黒よりも柔らかい色のアイライナーを使い、目頭よりも下げないように注意すれば、ナチュラルに見えます。まつ毛とまつ毛の間は、黒のアイライナーで埋めるように書くと、目元がぼやける心配もありません。

目が小さくなったと感じたら適切なケアで改善!

目まわりの皮膚や筋肉は、非常にデリケートな部分です。加齢や刺激によってダメージを受けやすく、気付いたときには目が小さくなっていることもあります。

昔より目が小さくなるのはショックかもしれませんが、加齢とともに顔や体に変化が生じるのはある程度仕方のないことだといえます。

自分で予防、改善できる場合もあるため、できることから始めてみましょう。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

監修者プロフィール:高橋 謙さん

高橋 謙さん

1999年大阪医科大学(現大阪医科薬科大学)卒業、東京女子医科大学循環器内科へ入局。その後、実家クリニック(元髙橋内科皮膚科クリニック、現在は閉院)の継承、京大病院総合診療科、関西電力病院総合内科、髙橋内科皮膚科クリニック、大阪市立総合医療センター皮膚科を経て、2015年12月にたかはし皮膚科クリニックを開業。これまでの豊富な経験を生かし、現在は1日当たり80~130人の患者さんの診療にあたる。

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