初心者のためのクルーズ入門

ピンからキリまであるクルーズ船、適切な船の選び方

藤原 暢子

クルーズ船には「豪華」という形容詞がよくつきますが、実はホテルや車のように気軽なものから、本当にラグジュアリーなものまでとても差があります。クルーズ船を選ぶ時はその違いに気を付けて選びましょう。

【目次】
  1. 1泊1万円と10万円の客船があります
  2. クルーズ客船は大きく3つのカテゴリーに分かれます
  3. ラグジュアリー船は、全室バルコニー付きが多く、船も小さめ。
  4. 自分の味わいたい気分に合った船を見つけよう

1泊1万円と10万円の客船があります

一見、高嶺の花に見えるクルーズ旅行。「一生に1回は……」と考える方も少なくありませんが、クルーズはそんなに敷居の高いものではありません。

旅行でホテルに泊まる時の目安はいくらくらいを考えますか? 仕事ならビジネスホテルで1泊1万円ちょっとを考えるかもしれません。

クルーズも「1泊1万ちょっと」がたくさんあるのです。しかも、それには3食の食事やショー、プールや素敵なパーティーなどが含まれています。

「豪華客船」というイメージはマスコミや旅行会社がひと昔前に作り上げたものであって、そんなイメージを持つのも日本だけ。海外では「クルーズは食事代も込みでお得だから行く」という人がとても多いのです。

クルーズ客船は大きく3つのカテゴリーに分かれます

客船はホテルと同様にいろんなタイプがあります。ビジネスホテルと同じくらいの料金の「カジュアル客船」、ちょっとワンランク上の大型ホテルくらいの「プレミアム客船」。そして、小さめでサービスがよいブティックホテルに似た「ラグジュアリー客船」です。

 

カジュアル船

カジュアル船で、世界一大きな客船「シンフォニー・オブ・ザ・シーズ」は約23万トン、
乗客定員は約5500人で、乗組員を加えると7700人以上!(写真提供=藤原暢子、以下同)


 

赤い煙突がシンボルマークのカーニバル・クルーズ・ラインの客船。
「Fun ship」が合言葉で、プールサイドも常に賑やか

でも「カジュアル船はビジネスホテルレベルということは、それなりの内容ってことね」と思い込んではいけません。カジュアル客船と呼ばれるカテゴリーの船は、基本的に大型船。3000~5000人が乗船することができます。

 

カジュアル客船は華やかで大規模な船がほとんど。まるで一つの街のような船内

ゆえに、船のサイズも大きく、私たちが想像する「豪華客船」そのもの。さまざまな施設やレストラン、バーなどがあって、テーマパークが3つくらい入っているような客船も実際にあります。乗客人数が多いので価格を下げることができ、朝から夜までさまざまなイベントや施設で遊べるというわけです。2~7泊のクルーズが多いので気楽に乗ることができます。

すべての施設が大規模なので毎晩無料で見られるショーもラスベガススタイルで華やか

プレミアム船

プレミアム客船の一つ、ホーランド・アメリカ・ラインの客船。10万トン前後の客船多いのが特徴

「プレミアム客船」はそれより若干、船も一回り小さく、乗客定員も3000人以下。船の雰囲気も落ち着いていますが、華やかなのは一緒です。料金もカジュアル客船より若干上がりますが、料理やサービスのクオリティーもその分上がります。

メイン・ダイニングも若干落ち着きのあるプレミアム客船

若干、年齢層が上になり、10日以上のクルーズが多いのが特徴です。日本発着クルーズで知られている「ダイヤモンド・プリンセス」の会社、プリンセス・クルーズなどはこのカテゴリーに入ります。

シガーバーやピアノバーなど、プレミアム客船には大人向けの施設が多め

 

ラグジュアリー船は、全室バルコニー付きが多く、船も小さめ。

 


ラグジュアリー客船は全室バルコニー付きが多く、船も小さめ。
シルバーシー・クルーズの「シルバー・ミューズ」
 

 

​​​​​細部にこだわったデザインで話題のリージェント・セブンシーズ・クルーズの「セブンシーズ・エクスプローラー」


少ない乗客定員に対し、多くの乗組員を配した「ラグジュアリー客船」は乗客定員も100~600人ほど。プールやディスコなどはありませんが、客室は広めでバルコニー付きがほとんど。リラックスした船上タイムや船の小回りを生かしたユニークな寄港地が魅力となります。

ラグジュアリー客船の船内は広め。ウォーキングクローゼットやバスタブ付きが多い

料金も1泊10万円前後になりますが、これは「オール・インクルーシブ制」というシステムになっています。カジュアル客船やプレミアム客船ではアルコールやチップを別に払いますが、ラグジュアリー客船は「休暇ですから、飲み物を頼む度にサインしたり、チップに気を使わないでのびのびと過ごしてください」というコンセプトを持っています。落ち着いた船内で美食やお酒をゆったり楽しめます。
 

シルバーシー・クルーズの客船には、スペシャリティー・レストランとして、
ルレ・エ・シャトー監修のフレンチレストランがある。 



 

シガーバーの品揃えも豊富。自分の好きな場所でのんびり過ごすのがラグジュアリー客船の醍醐味

子供が少ないのも特徴で、エンターテインメントが多くない分、乗り合わせた乗客同士が社交を楽しむ姿も多く見られます。若いエグゼクティブの乗船客も多いので、クルーズの期間は7泊からありますが、日程(と財布)に余裕がある人は複数のクルーズに続けて乗る場合もあります。

自分の味わいたい気分に合った船を見つけよう

 

ラグジュアリー船「シルバー・ミューズ」のアーツ・カフェはモダンアートの作品に囲まれながら、
アルコールやコーヒー、軽食をいただける(すべて無料)

クルーズは「行ってみたいところに行く」のが大前提。客船のほとんどはベストシーズンのエリアに移動しますから、行きたいエリアを決めたら、どのカテゴリー、さらにどんな客船に乗りたいかを考えます。

「カジュアル船はちょっと大きくて賑やかすぎる」「このプレミアム客船はちょっと折り目が正しすぎる」など、乗ってみないとわからない部分もありますが、旅行会社の方に相談したり、クルーズ経験者に話を聞いたりして決めるのがベターです。

 

カジュアル船とラグジュアリー船でまったく違うレストランの様子

カジュアル船のレストランの様子。もちろんこちらもフルコースのディナーが提供されます。​​​
ラグジュアリー客船のダイニング。ゆったりとしていて2人席が多いのが特徴

家族連れなら、子どもプログラムから大人用エリアまで充実するカジュアル船を選んでも。
例えば、お孫さんも入れてみんなで乗るなら、子供プログラムから大人用エリアまであるカジュアル客船を探すこともできます。

カジュアル客船には充実したキッズプログラム用の部屋も完備!

プレミアム客船でもクラシックなものか、モダンなものかで選べます。ラグジュアリー客船は料金が高いと言っても、もしお酒が好きな方に取ったら、“元が取れる”クルーズになるかもしれません。

誰と行くか、どんな過ごし方をしたいかを考慮しながら、さまざまな選択肢のある客船の中から、自分にぴったり合うものを選びましょう。

 

藤原 暢子

ふじわら・のぶこ クルーズ・ジャーナリストおよび編集者。20年間で100隻以上の外国船・日本船・フェリーに乗船し、80カ国以上を巡る。クルーズの老舗専門誌『クルーズ』編集長を務めた後、フリーのクルーズ・ジャーナリスト/編集者として、客船取材を含め、さまざまな媒体に関わっている。

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