更年期以降の手指の痛み…
唯一忘れられる時間は
『Aloha nui loa キャシー中島・51年目のキルト作品集』(大和書房刊)より©斉藤亢
キルトとの出合いは、20歳のときでした。
仕事で行ったアメリカのサンタモニカで、偶然、キルトショップに飾られていた、きれいな色のパッチワークキルトを見たんです。まさに運命の出合い!
すぐに作り方を教えてもらい、その日から夢中で縫い始めました。あれから51年。キルトは私の人生そのものです。
そのキルトを縫う指に異常が出たのは、45歳の頃でした。右手の指の第1関節が赤く腫れて、痛くて痛くて。キルト教室の生徒さんから、“ヘバーデン結節”だと教えてもらいました。
さらに65歳くらいになると、今度は右手の薬指の第2関節が腫れて痛くなったの。結婚指輪も入らなくなってね。キルト展のサイン会にいらしていたお客様が、「キャシーさん、それブシャール結節ですよ」って。えーっ、ヘバーデンだけでも大変なのに、ブシャールも!? 困ったなぁって思いました。
でもね、キルトを縫っているときは痛くないんです。雑巾を絞ったり、ペットボトルのフタを開けたりするのは痛くてできないのに、チクチク縫うのは大丈夫なの。不思議でしょ。たぶん縫っているときは、ただただ楽しいからなんでしょうね。
「キルトは根を詰めて縫うから大変でしょう」とよく言われるんですが、私ね、全然根を詰めてないんです。ものすごくがんばってるという意識もないんです。縫っているときは、ひと言で言うと「ハッピー!」。ストレスだって、縫っているうちに発散できちゃう気がします。
とはいえ、これからも指の痛みとはお付き合いしていかないとね。指を反らしたり、全部の指をじゃんけんのパーのように思いっきり広げたりする手の体操を毎朝続けています。あとサプリメントもね。そして、痛くてできないことは夫や周りの方の助けも借りるようにしています。