公開日:2020/04/10
更新日:2021/10/05
片付けで部屋がキレイになればうれしいもの。さらに、それが脳トレになるといわれたら、毎日続けたくなるのでは? 実は「片付ける」という行為には、認知機能を鍛える効果があるそう。「脳トレ片付け」で、認知症予防とキレイな家、両方を手に入れましょう!
「少しずつでもいいので、毎日片付ける習慣ができれば脳のエクササイズになりますよ」と教えてくれたのは高橋和子(たかはし・かずこ)さん。高橋さんは「脳ササイズ片づけトレーニング」を創案し、講座で教えています。
「片付けの前と後にメモすることで、計画力・思考力などの認知機能を司る海馬を鍛えることができます」
脳トレ片付けは、以下のように3日に分けて実行します。
1日目(前日):「ビフォー片付けメモ」を作成
2日目(片付け当日):用途に合わせて「仕分け作業」
3日目(翌日):「アフター片付けメモ」を作成
それぞれのポイントをチェックしていきましょう。
片付け前に書く「ビフォー片付けメモ」には、片付ける日、場所、どんなふうに片付けたいかを書いていきます。最終的に片付いた状態をイメージし、その形に近づけるにはどのようにすればよいか考えることで、認知機能である計画力を鍛えます。
片付け当日は、物を「要る」「要らない→あげる、捨てる」「別の場所に移動」と考えながら分類をしていくことで、認知機能の一つ、注意分割機能を鍛えていきます。
最初に片付けるのは、食器棚やキッチンの引き出しに入っている、カトラリーボックスがおすすめ。
「食べるときに関係する物と、そうでない物、例えば紙ナプキン、調理器具などを仕分けしていきます。物を使う用途別に分けるのが、片付けの難易度としての第1段階です」
まずは中身を全部出してから始めます。
「必要ない、使っていない物が出てきて、捨てるかどうか3秒迷ったら一時保管ボックスに入れます。それ以上迷うと片付ける気がどんどん失せていくので、スピードが大切です」
その後、本来あるべき場所に必要なカトラリーだけを戻し、その他の物は捨てるか、適した場所に移動するなどします。
「アフター片付けメモ」は片付けの翌日に記入します。
「片付けたときのことを思い出しながら、ひと目でどこにあるかわかるようになったとか、スッキリしたなど、感じたことも書きましょう」
これで「脳トレ片付け」は終了。メモを取って、仕分けるだけでとっても簡単なので、ぜひ試してみてくださいね。
「カトラリーボックスが成功したら、下着の引き出し、下駄箱、冷蔵庫、テーブルの上(書類の片付け)とステップアップしていくと認知機能を鍛えながら、片付け上手になれますよ」と高橋さん。
「脳の活性化には“楽しく”というのが大前提。きれいな部屋になるとうれしい、脳トレできてうれしいといったポジティブな感情ととともに片付けを実践してください」
たかはし・かずこ 一般社団法人日本エグゼクティブプロモーター協会代表理事。脳を鍛えて家も片づく「脳ササイズ片づけトレーニング」を提案している。著書に『ボケない片づけ 一生自分で片づけられる5つのステップ』(CCCメディアハウス刊)。
取材・文=三橋桃子(ハルメク編集部) イラストレーション=北村 人
※この記事は2018年5月号「ハルメク」に掲載された内容を再編集しています。
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