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- 塗り絵も効果あり!認知症予防におすすめの生活習慣
コロナ禍を経験して、認知機能の低下が心配されています。日本認知症予防学会理事長の浦上克哉さんによると「認知症予防は40代・50代から始めるのが大切」とのこと。塗り絵や運動など、認知症予防におすすめの生活習慣とその効果を聞きました。
認知症とは?主な症状をチェック
そもそも、認知症とはどんな病気なのでしょうか?
「認知症とは、もの忘れから発症し、その他いろいろな症状が加わってきて、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態をいいます」と浦上さん。
認知症の症状には、中核症状と周辺症状の2種類の症状があるそう。
「中核症状は認知症の患者さんには必ず見られるもので、脳の神経細胞が壊れることが原因で起こります。代表的な症状としては、記憶障害、見当識障害、判断力の障害、言語障害、実行機能障害、問題解決能力の低下などがあります」
一方、周辺症状はBPSD(行動・心理症状)とも呼ばれ、認知症になったからといって必ず起こるものではないそう。
「周辺症状は、中核症状に精神的な不安や混乱、環境要因などが加わって起こる二次的な症状で、無為・無反応(アパシー)、うつ、徘徊などがあります」
早期治療がカギ!認知症予防は40代・50代から
認知症は早期に治療を開始すれば、病気の進行を遅らせたり、症状を軽くできます。認知症が疑われる場合には、まず病院で診察を受け、認知症かどうか、別の病気の可能性がないかを診断してもらう必要があります。
「もの忘れが増えてきて周囲に迷惑をかけるようになったり、以前できていたことができなくなったりしたら、病院を受診しましょう」と浦上さん。
認知症の症状がみられる場合、一般的には神経内科・精神科・老年科・脳外科などを受診します。最近では、問診や検査などによる認知症の診断をおこなう専門外来「物忘れ外来」がある病院も増えています。
認知症=高齢者の病気と思っている人も多いようですが、浦上さんによると、認知症につながる脳の機能低下は40代・50代からスタートしているそう。
「認知症は65歳以上で発症することが多く、最も患者が多いのは80歳代です。しかし、最近の研究で、認知症が20~30年かけてゆっくりと進行する病気であることがわかりました。発症年齢から逆算すると、早い方は40代から脳病変は生じてきていると考えられます。40代・50代から認知症予防を始めても早すぎることはありません」
在宅時間が長いと注意!認知症予防の3つの柱
浦上さんによると、新型コロナウイルスの感染拡大により外出機会が減り、認知機能が低下して症状が悪化しやすい状況なのだそう。
「2020年以降のコロナ禍を過ごし、人とのコミュニケ―ションの機会が減り、いろいろな刺激が乏しくなっており、脳の認知機能が低下しやすい状況といえます」
では、日常生活の中で認知症を予防するために、どのような点に気を付ければよいのでしょうか?
「運動・知的活動・コミュニケーションの3つが認知症予防には大切です」と浦上さん。認知症予防に効果的な生活習慣を教えてもらいました。
認知症予防におすすめの生活習慣
1.運動
家の中でできる筋力トレーニング、ストレッチ、散歩(ソーシャルディスタンスを守り、3密にならないよう注意を)
2.知的活動
記憶力・判断力・思考力などの認知機能を高めるゲーム、頭を使って指先を動かすような活動
3.コミュニケーション
友だちや家族との会話(オンライン通話や電話でもOK)
自宅で簡単!大人の塗り絵の認知症予防効果とは?
知的活動には、編み物などの手芸、囲碁や将棋、パズル、折り紙など、さまざまなものがありますが、誰でも簡単に自宅でできる認知症予防として、塗り絵がおすすめとのこと。
「塗り絵は、視空間認知機能の改善効果も期待できますし、症状が進行した方でもできる活動の1つです。感情面の安定にもつながります。誰でも今日から始められる認知症予防として、大人の塗り絵は効果的です」
塗り絵の認知症予防の効果は、科学的に証明されているそう。
「臨床美術療法という形で、日本認知症予防学会のエビデンス創出委員会からも認定が出ております。認知症予防教室では週1回2時間の教室で効果を確認していますが、自宅では毎日10分くらい行うのがよいと思います。症状に合わせて、塗り絵の難易度を考えることが大切です」
家族の認知症介護で注意するポイント
塗り絵を始め、今回ご紹介した認知症予防におすすめの生活習慣は、認知症のリハビリ(運動療法・作業療法)でも取り入れられている活動です。
自宅時間が長くなることで認知症の症状が悪化しやすい今、認知症の家族が身近にいる場合は、自宅でこうした活動ができるようにサポートする必要があります。
「自宅介護の場合は、症状の進行を防ぐために、3つの予防対策(運動、知的活動、コミュニケーション)が少しでもできるようにしてあげてください」
老人ホーム・介護施設に入居している場合も、コミュニケーションのため、できる限り面会に行くのがいいそう。
「施設に入っておられる場合には、できるだけ顔の見える状況が望ましいと思います。ただ、コロナ禍では施設の多くが面会禁止にしていました。窓越し、あるいは画面を通して面会をできる場合もあったようですが……」
自分自身はもちろん、同居する家族の認知機能の低下・症状の悪化を防ぐためにも、認知症予防のための生活習慣を積極的に取り入れましょう。
■教えてくれた人
浦上克哉さん
うらかみ・かつや 日本認知症予防学会理事長、日本老年精神医学会理事。鳥取大学医学部教授。1983年鳥取大学医学部医学科卒業、1988年同大学院博士課程修了、同大学脳神経内科・助手、講師を経て2001年より現職。認知症早期発見のための「物忘れ相談プログラム」等の機器開発やアロマによる認知症予防の研究等も行う。
取材・文=竹下沙弥香(ハルメクWEB)
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