認知機能の維持のために健康的な食事をとりましょう
2025.03.18
公開日:2025年03月21日
「それ、認知症かも?」親の違和感に早めに気づくポイントとは
「あれ、以前からこんなだったかな?」、「いつもと違うかも……」。家族だからこそ気づくほんの少しの違和感が、ご家族の認知症の早期発見につながるかもしれません。認知症は、早めの発見が大切です。
本人が自覚しにくい認知症。だから家族の気づきが大切

単なるもの忘れと認知症によるもの忘れとは、どのような違いがあるでしょうか。
例えば、今日はお友だちと会うのに約束の時間を忘れてしまった、ということは誰にでもあるので、単なるもの忘れといえるでしょう。しかし、約束そのものを忘れてしまう場合は、認知症の疑いがあります。もしご家族の言動で気になることがあれば、専門医の受診を勧めてみましょう(※1)。
いろいろある認知症の初期症状

そうはいっても病院で診てもらうほどの症状かどうか、なかなか判断しづらいものです。そこで、認知症の可能性がある症状をご紹介します。医学的診断基準ではありませんが、参考にしてみてください(※2)。
①もの忘れ
・ついさっき話した人の名前を忘れる
・同じことを何度も言う、聞く、行う
・片付けができず、いつも探し物をしている
②判断力や理解力の衰え
・料理、片づけ、計算や運転などのミスが増える
・新しいことを覚えられない
・話のつじつまが合わない
③時間や場所が分からない
・約束の日時や場所を間違える
・慣れたはずの道で迷うことがある
④人柄が変わる
・怒りっぽくなった
・頑固になった
⑤不安感が強くなる
・ひとりになると怖がる、寂しがる
・外出時に何度も持ち物を確かめる
・「頭が変になった」と本人が訴える
⑥意欲がなくなる
・下着を替えないなど、身だしなみにかまわなくなった
・趣味や、好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
・ふさぎこみがち、。またはなんでも億劫になる
なぜ早期の発見が大切なの?

認知症と診断される一歩手前の状態が、MCI(軽度認知障害)です。「まだ大丈夫」といってそのままにしておくと、認知症に進行する恐れがあります。そのため、MCIのうちに専門医を受診することが大切です。
MCIでは、1年で5~15%の人が認知症に移行すると言われています。一方、1年で16~41%の人が健常な状態になることも分かっています。適切な処置を受ければ進行を抑えられ、健常な状態に戻るなど改善する可能性もあります(※3)。
困った時は専門家を頼りましょう

日常生活に支障はないけれど、もの忘れが増えたかもしれないなど、上記の初期症状のような様子が見られたら、なるべく早めに専門医に診てもらいましょう。
もしご本人に抵抗感があるなら、まずは日頃からお世話になっているかかりつけ医に相談するのも良いでしょう。
介護は、家族への精神的な負担が大きいものです。「自分だけで受け止めよう」と気負わないことが大切です。もし診断後のご本人への接し方など、困ったことがあれば医師やケアマネージャーなど、第三者に相談しましょう。
また自分の住んでいる地域の地域包括支援センターなど、専門機関も積極的に利用してみましょう。介護では、家族が疲れやストレスをためないことが一番大切です(※4)。
<参考>
(※1)認知症ケア法―認知症の理解
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000701055.pdf
(※2)家族がつくった「認知症」早期発見の目安|公益社団法人 認知症の人と家族の会
https://www.alzheimer.or.jp/?page_id=2196
(※3)あたまとからだを元気にするMCIハンドブック|国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター(11ページ)
https://www.mhlw.go.jp/content/001100282.pdf
(※4)あたまとからだを元気にするMCIハンドブック|国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター(90~93ページ)
https://www.mhlw.go.jp/content/001272358.pdf
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