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- ずっと脳を若々しく!簡単で脳にいい生活習慣3
脳のポテンシャルをピークの状態になるべく保ち、80代でも脳が元気で居続ける方法を専門家に伺う企画。今回は、脳にいい生活習慣についてです。室温や暮らし、挑戦など、すぐに見直せる習慣ばかりなので、ぜひチャレンジしてみてください。
脳の老化防止に適切な室温対策を!
脳年齢と部屋の温度が関係していると聞いて、驚く人がいるかもしれませんが、部屋が寒いと老人脳のリスクが高まります。理由は、寒いと血管が縮み、血圧が上がってしまうから。高血圧は認知症のリスク因子なので、血圧を下げることは老人脳を防ぐために大切なことです。
慶応大学の伊香賀俊治(いかが・としはる)さんの研究によると、冬場の居間の室温が低い家と、それよりも5度暖かい家を比べた結果、暖かい家に暮らす人の方が脳年齢が10 歳も若かったそうです。当然ながら、認知症のリスクも軽減されていることでしょう。
WHO(世界保健機関)は冬場の最も効果的な健康法として、住宅の室温を「18度以上に」ということを強く勧告していますし、高齢者や子どもがいる家は、さらに高い温度が推奨されています。
実際の冬場の室温はどのくらいの家が多いのか、日本の住宅を2000戸調査したところ、居間で6割、寝室や脱衣所ではなんと9割の家が18度に達していなかったそうです。実際は、居間で16度、廊下や脱衣所は約12度だったそうです。
確かに木の家が多い日本では、冬場はかなり室内温度が下がりますし、居間はともかく、廊下や脱衣所までは暖房器具がない家も多いでしょう。
ただ、脳の老化を防ぎ、血管への負担を減らすためにも、室温対策はぜひ行ってください。
イギリスでは「家の寒さと死亡率の関係」が長年調査されていて、その結果を「住宅の健康・安全性評価システム」として公表しているのですが、その調査によると「16度以下になると、呼吸系疾患に影響が出る」「12度以下になると、高血圧や心血管リスクが高まる」とされています。
「18度以上」この室温を通年でぜひ守ってください。
苦手な人ほどおすすめ!デジタルツールを使って脳トレ!
老人脳になりやすい人の特徴の一つに「新しいことに挑戦しない」ということがあります。
慣れたことならいいけれど、新しいことにトライするのは面倒で、不安……自分にはできないと勝手に決めつけている……でも、それでは脳の老化が進みます。小さなことでいいので、新しいことにトライしてみてください。
Twitter やInstagram、FacebookなどのSNSは、高齢者ほどやった方がいいと私は考えています。認知機能を上げる「脳活効果」をかなり期待できるからです。言ってみれば「脳活SNS」という感じです(もちろん、適度な付き合い方が大事です)。
私たちは、つながりと自分の時間、この2つを持つことが大切です。特に年齢を重ねて、外に出て人と会うことが少なくなった人は、人とのコミュニケーションをとるツールとしてSNSを活用することをおすすめします。
簡単!デジタルツールを使ったセルフケア
SNSだけでなく、認知機能を上げるためにデジタルツールを積極的に活用してほしいので、その方法を紹介します。
例えば、旅行に行くことが難しい場合は、Google Earth などを使ったバーチャル旅行をしてみましょう。実際に旅行に行くのではなく、バーチャルで効果があるのかと思うかもしれませんが、脳の活性化という側面でみると、バーチャルでも十分効果があります。
脳は「イメージしたこと」と「現実」をあまり区別できません。味覚と嗅覚はどうにか区別できますが、それ以外のものは、現実ではなくバーチャルなものであっても、同じ反応をするのです。
ですから、もし実体験が難しかったら、バーチャルな体験をするのでもいいですし、インターネットを活用するのもいいのです。
実際にインターネットが高齢者の脳を活性化するという研究データも出ていますし、インターネットで検索することは知力を押し上げるとも言われています。デジタル機器は、脳にさまざまな刺激をもたらすツールです。ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
ただし、デジタル機器を使うときには注意も必要です。
デジタル機器を使う時の注意
- 寝る前に見ない
- 1日の使用時間を決める
- 姿勢に気を付ける。座り過ぎにも注意
この点を守って、トライしてもらえたらと思います。
まずは始めやすいことから、少しずつ生活に取り入れてみてください。次回は、心持ちと習慣で脳を若返らせる方法についてです。
教えてくれたのは:西剛志(にし・たけゆき)さん
東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、これまでに1万人以上に講演会を提供。エビデンスに基づいた研修、商品開発サービスなども全国に展開。テレビやメディアなどにも多数出演。著書は海外でも出版され累計31万部を突破。近著に『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム刊)
80歳でも脳が老化しない人がやっていること
いくつになっても脳が若いままの人と、脳の老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法を紹介。
食べるもの、運動、睡眠、考え方、人付き合いなど、日々の習慣を少し変えることで脳は若くなる、と本書は説明します。さらに、高齢になっても超人的な認知・身体能力を持つ人(スーパーエイジャー)たちの脳の使い方をひも解き、いつまでも若々しく幸せなシニアライフを送るきっかけを示唆します。
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