落語会体験記

落語自由自在~ノラや寄席400回記念落語会~

公開日:2019.04.27

落語が大好きなさいとうさんの落語体験記をお届けします。古き良き日本文化である落語を聴いて楽しく笑うことで、身も心も元気になりますよ。今回は居酒屋「ノラや」が主催する、ちょっと変わった寄席のお話です。

居酒屋主催の落語会「ノラや寄席」

今回ご紹介するのは、東京都杉並区高円寺にある居酒屋「ノラや」が主催する「ノラや寄席」です。ノラやは「高円寺HACO」という多目的スペースも運営しており、こちらを利用しての寄席となります。

2018年は25周年記念として開催されましたが、2019年は400回記念でまたまた落語会、ノラやのオーナーは余程記念日がお好きなようです。私はお店には伺ったことはありませんが、ホールでの落語会はメンバーが豪華なので、毎年楽しみにしています。
 

ノラや寄席チケット
ノラや寄席チケット

噺家ごとに個性が出た驚きの前半

「看板のピン」 三遊亭萬橘

「噺家をしていると、時々落ち込むことがありまして、うちで沈んでいたら、8才の長男が5才の妹に、あれ言ってあげたら? と言っているので、励ましの言葉でも言ってくれるのだと期待したら、いきなり『ボーッとしてんじゃねぇよ』」で、大爆笑でした。

「分かる方は良いのですが、この間電車で若い人同士が話していました。『チコちゃんに叱られるよ』『何? キコさんに叱られる?』って。紀子さんに叱られるのは、小室さんだけです」で、またまた大笑い。

NHKの人気番組『チコちゃんに叱られる』をネタにしたマクラが面白すぎて、笑い疲れてしまって、肝心の噺の方は、マクラの可笑しさに負けていました。

「花見小僧」 三遊亭天どん

「新作をやるつもりでしたが、桜が咲いてしまったので、今やらないとまた1年やれないので、花見の噺にします」と言うので、てっきり「長屋の花見」と思ったら「花見小僧」でした。

普段天どん師匠は、新作が多いので、皆さんがっかりしたみたいです。因みに昨年の演目は「はじめての確定申告」でした。やはり天どん師匠には、新作が似合います。

「風呂敷」 桃月庵白酒

「大変だ、大変だ」で始まりました。長屋で兄さんと呼ばれる面倒見の良い鳶の頭の所へ、熊五郎の女房が駆け込んだのです。

えっ、「風呂敷」?

YouTubeではよく聞く演目ですが、生で聞くのは初めてです。場内は若い人が多いので、動画でお馴染の演目にしたのでしょうか。大河ドラマ「いだてん」で、ビートたけし演ずる古今亭志ん生師が、得意としたネタでもありました。その辺を狙ったのかも知れません。

結果は白酒師匠の作戦勝ち。聞き応えのある、素晴らしい高座でした。

珍しい落語が聞けた後半

「大家さんの秘伝の箱」 柳家小せん

長いこと落語を聞いていますが、この噺は初めてでした。八五郎に糊屋の婆さん、熊さんに大家さんに長屋の人々と、登場人物はお馴染の面々です。

大家さんを守るために、軽くついたウソが騒動となり、どんどん大きくなっていくという噺です。登場人物が多いのですが、ひとりひとりが見事に描かれていて、江戸の雰囲気が漂い、絶品でした。

帰宅後調べたら、なんと新作江戸落語でした。最初は「御落胤(ごらくいん)」という題名で演じられたようですが、小せん師匠の雰囲気にピッタリでした。

女性3人組だるま食堂の後は、本日の主任白鳥師匠の登場です。

「明日に向かって開く」 三遊亭白鳥

「大家さんの秘伝の箱の小せんさんまでは良かったのですが、だるま食堂と私の並びはどうなのでしょう?」とボヤいてから「お祝いの会です。古典落語でもやりたいと思いましたが、出来ません」で笑わせます。

今日は15年前に作ったもので、銀行の金庫が喋るという噺でしたが、奇想天外過ぎて、ついて行くのが大変でした。
 

ノラや寄席出演者
夜の部も豪華な顔ぶれ

ノラや寄席は昼夜公演で、夜は一之輔・菊之丞・扇辰・文蔵・喬太郎という豪華出演者が待ち構えていますので「夜も聞きたいなあ」と後ろ髪を引かれながら帰宅しました。

ノラやでは定期的に寄席やコントを中心とした催し物を開催していますので、ぜひ見に行ってみてください。お値段も手ごろで初心者でも楽しみやすいんですよ。

さて、来年のノラや寄席は、何の記念落語会になるのでしょうか? 楽しみです。

さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・読書・刺しゅう・気功・ロングブレス・テレビ体操。健康は食事からがモットーで、AGEフードコーディネーターと薬膳コーディネーターの資格を取得。人生健康サロンとヘルスアカデミーのメンバーとなり現在も学んでいます。人生100年時代を健康に過ごす方法と読書や落語の楽しみ方をご案内します。

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