NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』

弱く小さな者に光をあてる朝ドラ『舞いあがれ!』

公開日:2023.02.05

朝ドラが佳境に入ってきました。舞(福原遥)が、滑走路の中心に着陸を決め、大河内教官から褒められたシーンは充実感にあふれていました。それから数か月後、舞は操縦桿ではなく、ネジを握っているとは・・・・・・。

スチュワーデスではなくパイロット

昭和の少女にとって憧れの職業の一つはスチュワーデスさんでした。紺色のキリッとした制服、流ちょうな英語、世界のあちこちに行けることがポイントでしょうか。

現在スチュワーデスさん(CAさん)の憧れはある程度落ち着きました。英語を話すことは珍しい事ではなくなり、海外旅行も破格の安さで行ける。『スチュワーデス物語』を見ていた世代として、パイロットを目指す女性というのはとても今っぽいと思います。

そして気づけば、舞を支えていた男性はいなくなり、母(永作博美)とともに人生を歩んでいきます。そういう意味で、とても朝ドラっぽいかもしれません。

船の仕事やジャム作りに打ち込むばんば(高畑淳子)も、自立したカッコいい人ですね。

スチュワーデスではなくパイロット

人とちゃうとこみてる、そこがええねん(舞)

仕事を辞め、五島で短歌を詠む貴司くん(赤楚衛二)。学校になじめず五島にやってきた少年(又野暁仁)。貴司くんに短歌を勧めた古本屋デラシネのおっちゃん(又𠮷直樹)。

世間という目から見れば、彼等は弱い立場からもしれませんが、弱き者、小さなものの中にある豊かさを大事に扱っていることがわかります。

彼等には優しくてゆっくりした時間があり、解決を急がない。柏木(目黒蓮)が就職する前に語学留学し、ライバルと差をつけようとするのとは違う価値観があります。

舞につかず離れず遠くから見守る貴司くんは、ここぞというときに舞の背中を押すところも、やっぱり柏木よりも一枚上手な気がします。回が進むにつれ、こっちに重きを置いていたことがわかってきました。

プロフェッショナル IWAKUARA

普段はささやき声で控えめですが、大切な人のためなら俄然力を発揮する舞。営業先で仕事を取るため、一歩も引かない姿はがんばるなあ……と。

工場で働く皆さんも、すでにずっと働いてきたような貫禄があります。好きなのは、ネジを愛する女性土屋さん。誠実だけど気の弱そうな営業の藤沢くん。

難しいネジの注文にチャレンジしていく様は『プロフェッショナル 仕事の流儀』のような熱さがあって、見応えがありました。ひとりだけ、そっけない対応のお兄ちゃんですが、それなりにIWAKUARAを応援。

パイロットの夢を諦めた?(2023年1月23日現在)時は少し残念に思いましたが、ネジの営業も皆の思いを乗せて遠くへ運ぶという点は同じかも。

ばんば役の高畑淳子さんが好きで見始めましたが、優しくて熱くて腹のすわった舞に注目してしまいました。最後まで見届けようと思います。

プロフェッショナル IWAKUARA

NHK『舞い上がれ!』
オリジナル作品(全26週・126回)
2022年10月3日(月)~ 2023年3月31日(金)
⽉曜〜⼟曜:午前8時〜8時15分

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瀬戸内ポエム

特技や趣味というほどのものはなく、ドラマやお笑い番組を家でゴロゴロしながらみるのが幸せなアラフィフシングルです。この場を借りて、気になるドラマを中心にどんどん紹介します。またドラマの中でのファッションやインテリアにも言及できたらいいなと思っています。よろしくお願いします!
 

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