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- 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」その後の北条氏の物語
2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、北条義時を主人公にして話題になりました。「北条」にゆかりのある、これまでなじみのなかった人物もここ数年漫画になって活躍しています。
最後の北条氏、鎌倉から逃げる
北条義時が没して100年あまりののち、北条家嫡流の最後の当主 高時の息子時行(ときゆき)の物語です。
時行は、1333年8歳の時に足利高氏(のちの尊氏)による反乱で、家も家族も失いただ一人になってしまいます。臣下にかくまわれた時行は、高氏の追跡から逃れながら、鎌倉奪還をめざします。
時行は、武芸は苦手ですが「逃げる」ことは得意で、それを楽しんでしまう性分でした。
逃げてはいても北条家再興の気持ちを強く持ち、優しく仲間思いの時行は、数々の困難を切り抜けながら成長してゆきます。
歴史に題材をとっていますが、架空の人物もたくさん出てきます。また人物造形も誇張された表現が多いですが、お堅い教科書ではないので、頭を柔らかくして楽しみましょう。
戦国時代、「北条氏」立つ
北条と言っても、鎌倉の北条氏の子孫ではありません。戦国大名のさきがけでのちに「北条早雲」と呼ばれる「伊勢新九郎」の少年時代からの生涯(まだ完結していませんが……)を描いた作品です。
『逃げ上手の若君』に登場した足利尊氏が室町幕府を開いたことにより、室町時代は始まります(1336年または1338年)。
室町時代の中後期を生きた「北条早雲」は、従来は「浪人」からのし上がった人物として小説やドラマなどで描かれていた記憶があります。
最近の研究では、岡山県に領地を持つ家系の出身ということがわかってきました。本作はその説に基づいています。
新九郎は「応仁の乱」の間、10歳から20歳という多感な青年期を送っています。京の将軍に仕え、領地を治め、肉親を守らねばならない新九郎はまさに東奔西走。
登場人物が多くて読むのが少し大変なのですが、作者の絶妙なキャラクター設定によって、「応仁の乱」前後のややこしい人間模様が分かりやすく感じられました。
専門家の解説もあるので、歴史の本を読んでいて「足利義ナントカ」がたくさん出てきて、わけがわからなくなってしまう私にはちょうどいいお助け本なのです。
今回の作品
『逃げ上手の若君』松井優征 作 2021年8月~ 既刊8巻 集英社 週刊少年ジャンプ連載中
『新九郎、奔る!(はしる)』ゆうきまさみ 作 2018年3月~ 既刊11巻 小学館 週刊ビッグコミックスピリッツ
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