ちょっといいはなし

漫画『あさきゆめみし』で源氏物語にどっぷり浸かる

公開日:2024.03.10

NHK大河ドラマ「光る君へ」を観て、昔読んだ源氏物語を基にした漫画『あさきゆめみし』を再読してます。全5巻+2巻。細かい文字を追うのは大変ですが、経験値を積んだ今、若い頃とは違った観点から雅な世界にどっぷり浸かっています。

あさきゆめみし 1-7巻 大和和紀著 講談社

NHK大河ドラマ「光る君へ」を楽しんでいます

NHK大河ドラマ「光る君へ」を楽しんでいます

2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」を毎週楽しみにしています。

主人公は紫式部。言わずと知れた不朽の名作「源氏物語」の作者です。

平安時代は分かっていないことが多く、そういう意味では自由な展開に毎回息を飲んでいます。さらに殿上人や女御の装束や風俗にも魅せられて、現代語を話す彼らに寄り添うことができ、毎回しばし平安時代にプチタイムスリップした気分です。

「源氏物語」って何でしたっけ?

「源氏物語」って何でしたっけ?

大河の物語が進むにつれて紫式部がこれから書く「源氏物語」が気になって仕方ありません。と言って、ずぶの素人の私がサラリと読める代物ではないことも十分承知です。

「源氏物語」は言わずもがなですが、高貴な身分に生まれ美しく才能に溢れたスーパーマン光源氏が、何人もの美女と浮名を流すお話。

全54帖という途方もない長さで、紫式部本人も書き始めはこれほど大作になるとは思っていなかったようです。

学生時代古文の定期試験の時、源氏物語に手を焼いて対象部分の現代語訳を読んでからテストに臨んだ覚えがあります。その時「おもしろいな」と感じましたが、テストさえ終われば喉元過ぎて、続けて読んでみようとは思いませんでした。

時は流れ、漫画『あさきゆめみし』に再会して

時は流れて、漫画「あさきゆめみし」に再会して
あさきゆめみし1-5巻 大和和紀著 講談社

大和和紀先生の漫画『あさきゆめみし』は、「源氏物語」を基に書かれた漫画です。1~5巻が光源氏の生涯、6~7巻はその次の代が活躍する物語です。

大河ドラマを楽しむために「読んでみたい」と話していたら、読書家の友人が全巻セットで貸してくれました。最初は漫画なんだからサラリと読めるだろうと考えていましたが、そう簡単ではありませんでした。

『あさきゆめみし』の「源氏物語」に忠実な相関図と歌

「あさきゆめみし」の「源氏物語」に忠実な相関図と歌
あさきゆめみし6-7巻 大和和紀著 講談社

『あさきゆめみし』には、たくさんの登場人物の相関図が、大和先生の美しい挿絵入りで添えられています。

並みいる美男美女が、当時の結婚観を基に複雑に入り乱れた人間関係を作り出しています。把握するのは至難の技ですが、それが奥深い物語の基盤となっています。

そして物語に散りばめられた風雅な歌は、その時代の人の心や雰囲気を余すところなく伝えています。親切にも現代語訳がすぐ傍に書いてあるのですが、それを読みつつ1コマ1コマ味わっていると、全然進まないのです。

友人に「なかなか進まないのでしばらく貸しておいて欲しい」と言いますと、「そうでしょうとも、私も何度も読み返したので、どうぞごゆっくり」と言われました。

おしまいに

源氏物語 あさきゆめみし 完全版(1) (kissコミックス) Kindle版
電子書籍で読むこともできます

動機はどうあれ、大和和紀先生の漫画『あさきゆめみし』に再会できてよかったと思いました。

「源氏物語」が書かれてから千年余経ちます。現代の世にも通じる人の思いが鮮やかに描かれており、古典としてしまいこんでしまうにはあまりにももったいない作品です。

とはいえ難しいので、少しでも身近なものに感じられる漫画『あさきゆめみし』を読みながら、ドラマを見るとより一層おもしろく感じられると思いました。

■もっと知りたい■

上野真香

趣味は陶芸、旅行、料理、華道、手芸など多岐にわたるが根っこは一緒。美味しいものを食べて楽しい人生を送りたいというもの。ワインと犬とコーヒーとTVドラマが大好き。シャンシャンと誕生日が一緒のため他パンダ(?)とは思えず、現在年パスを購入しシャンシャンウォッチャーを続行中。

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