思いがけない体験をしました

車椅子生活を体験して

公開日:2023.03.06

還暦チャレンジャー あ・らかん です。以前に書いた通り骨折しまして、松葉杖・車椅子の生活を体験しました。今回は、車椅子生活で感じたことをお伝えしたいと思います。

松葉杖の不自由さとは?

松葉杖を使うのは、60数年前生きてきて初めてのことです。

リハビリテーション室の作業療法士さんから使い方、歩き方の指導を受けましたが、結構大変でした。脇でしっかり挟んで、同時に前に出します。松葉杖が足にかかる加重を引き受けてくれるので、患側(かんそく)の足はちょっとだけ踵をつけば歩くことが可能でした。

脇の下と握っている手のひらが痛くなります。手のひらは真っ赤になりました。手袋をつけた方がいいかもと思ったりしました。両手がふさがりますし、振動がありますので、飲み物や食事を運ぶことができなくて苦労しました。

背伸びなど足に負荷がかかることはできないし、階段は上れないし、車の乗り降りも不自由しました。患側をかばうと健側の負担が大きくなって、骨折していない足まで痛くなりました。

車椅子での視線とは?

買い物に出かけても、松葉杖では歩き回ることができません。車椅子を使うことにしました。画像は街で見かける車椅子です。

車椅子での視線とは?

上段と下段の違いがわかりますか? 上段は自走式といって車輪が大きく、自分の手で車輪のハンドリムを回して動かします。下段は介助式と呼ばれ、車輪は小さくて、ハンドグリップを介助者が押して移動します。

私は自走式車椅子を利用しました。松葉杖に比べて楽に移動することができますし、これはいいなと思ったのもつかの間でした。腕の力でハンドリムを回しますので、腕が張って筋肉痛になりました。

車椅子での視線とは?

スーパーの売り場の通路が広ければ、移動自体は割と簡単です。店内の床に荷物が置かれていたり、コードが配線されていたり、凸凹や傾斜があると力が要りました。

座った姿勢ですから、何よりも視線が低く商品が見えません。近くに寄りたくても車椅子の奥行き分、体は離れています。同じ理由で、商品の棚に手が届かず、欲しいものを手に取ることができませんでした。また、キャッシュディスペンサー操作も届きませんでした。

車椅子での視線とは?

人の優しさが温かい

車椅子で店内を移動すると、エレベーターを開けていて下さったり、商品を「取りましょうか?」と声をかけて下さったり。品出し用の段ボールが積んであった時には、店員さんでなくそばで買い物をされていた方が、駆け寄って動かして下さいました。

優先駐車スペースに駐車して、助手席から車椅子に乗り換えるのも大変でした。車椅子はやっぱり大変です。私はこうしてまた、不自由を余儀なくされている方の、思いの一端を知ることになりました。その一方で、人の優しさが温かいなと感じました。

できる事なら車椅子生活をしなくてすむ老後にしたいと思います。問題は施設や道路のバリアフリー化にあるのではなく、一人ひとりの心のバリアフリー化こそが必要であり、車椅子生活は嫌だなぁと思わなくて良い社会と住環境が、大切であるとあらためて思いました。

現在リハビリ中ですが、やっと松葉杖・車椅子の生活から解放されて、ほっとしています。1日も早く仕事に復帰したいと思う今日この頃です。

■もっと知りたい■

あ・らかん

子どもの独立、大学入学、闘病生活など、波瀾万丈の人生ですが、残りの人生を悔いなく過ごしたいと思い、いろいろなことにチャレンジして、ポジティブに過ごしています。50代からの positive life。私のこの10年を振り返りながらお話したいです。

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