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超おすすめ!「目黒寄生虫館」で寄生虫の概念が変わる

公開日:2022.10.27

「目黒寄生虫館」を訪問しました。グロテスクな物が苦手な私はすぐに退出するかもと思っていましたが、2時間滞在しても足りないくらい面白かったです。ビル・ゲイツ氏も絶賛! 私たちの生活に大きく関わっている寄生虫。その未知の世界に触れてみませんか?

超おすすめ!「目黒寄生虫館」で寄生虫の概念が変わる
目黒通り沿いにある「目黒寄生虫館」外観

目黒寄生虫館とは

医学博士 亀谷 了(かめがい さとる)氏が1953年に私財を投じて設立した私立の研究博物館です。1957年に財団法人(2013年には公益財団法人)となり、1993年に現在の6階建てのビルでリニューアルオープンしたということです。

驚いたことにこの立派な施設には入館料がなく、基本財産の運用と寄付、グッズの販売などで賄われているということです。出口の脇にこぢんまりと募金箱が置かれています。HPからも寄付することもできます。

今年(2022年)8月、ビル・ゲイツ氏が訪問し絶賛したことにより注目が集まり、寄付も今年度の目標金額に達したそうです。

目黒寄生虫館を訪問してみて

9月中旬の金曜日午後1時、大学生数名が倉持館長さんのお話を熱心に聞いているところに偶然入ってしまいました。

おもしろそうなお話が聞こえてきましたので、ご厚意により傍らで1時間ほど聞かせていただきました。そこで今まで持っていた「寄生虫」の概念が大きく変わりました。

そしてさらに1時間、館内の展示物を読みながら見学し、退出したのはなんと2時間後でした。

すぐに出てきてしまうのではないか、という懸念はなんだったのだろう? という感じです。

知っているようで知らない寄生虫

「他の生物の体に棲み、その生物から栄養を得るもの」を「寄生虫」と呼ぶそうです。

さまざまな生物には多種多様な寄生虫がいて、特に人体に関わる寄生虫によってヒトの生活が大きく変わってしまうことも多々あるようです。

山梨県にぶどう畑が多いわけ

ワイン好きの私は、よく山梨県のワイナリーに行きます。

山梨県も以前は稲作地帯だったそうですが、水田の水路に棲む貝がある寄生虫を媒介していたため、水田の多くをぶどう畑に切り替えたそうです。

見渡す限りに広がるぶどう畑も、寄生虫の影響があったとは驚きでした。

最近話題のアニサキスについて

最近話題のアニサキスについて

最近TVなどでよく取り上げられるアニサキス。生食好きの私にとっては深刻な問題です。

生魚の中で生きていて、そのまま食べてしまうと胃壁をくいちぎり、体内で激痛を起こす恐ろしい寄生虫と思っていました。

ところが今回、アニサキスが胃壁をくいちぎるのではなく、体内に入ると異物に対するアレルギー反応による激痛を起こすということがわかりました。

生魚は、アニサキスを目視で取り除くか、冷凍や加熱して殺してから食べるのが良いのですが、アニサキスを殺したとしてもアレルギー反応を起こす人はいるそうです。注意しないといけないですね。

8.8mもあるサナダムシにびっくり!

この博物館2階には、8.8mの日本海裂頭条虫(サナダムシの一種)の標本があります。

これは40代の男性から駆虫薬により排出されたものだそうです。ヒトの体内にこんな寄生虫が生息していたなんてびっくりです。これは世界最大級ということで、一見の価値がありますね。

ちなみにサナダムシとは、ご存じNHK大河ドラマ『真田丸』にも出てきた真田紐に似ているからつけられた名前だそうです。

おしまいに

戦後すぐの日本は寄生虫に悩まされ、米軍がDDTを使用したり、撲滅運動を進めたり、かなり効果があったそうです。また、私たちの年代でも、学校でキューピーさんの使用説明書付き「ぎょう虫検査シート」が配られたのは、記憶に新しいところです。

それほど寄生虫というのは、私たちにとって身近な存在なのです。海外には、いまだにたくさんの寄生虫が生息しています。敵を知り、備える必要がありますね。

そのためにも「目黒寄生虫館」の見学をおすすめします。概念がまったく変わること請け合いです。

アクセスは目黒駅西口から徒歩12分。休館日は月曜、火曜。開館時間は10時から17時。詳細はHPをご参照ください。

目黒寄生虫館 HP

 

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上野真香

趣味は陶芸、旅行、料理、華道、手芸など多岐にわたるが根っこは一緒。美味しいものを食べて楽しい人生を送りたいというもの。ワインと犬とコーヒーとTVドラマが大好き。シャンシャンと誕生日が一緒のため他パンダ(?)とは思えず、現在年パスを購入しシャンシャンウォッチャーを続行中。

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