がんばる人は美しい

7年に一度の「飯田・お練りまつり」にみる

公開日:2022.04.16

更新日:2022.04.14

とうとう、寅年と申年に行われる、【飯田・お練りまつり】(おねり)の春がきました。受け継がれる芸能や心意気は美しく感動的でした。体温や、マスク着用のチェックを受け、観覧しました。

7年に一度の「飯田・お練りまつり」にみる
お練りまつり最終日に咲き始めた・安富桜

待っていた特別な春

待っていた特別な春
本町三丁目の大名行列

待っていた特別な春

長野県飯田市で行われる【飯田・お練りまつり】は、大宮諏訪神社の式年大祭に奉納する芸能として1651年3月1日に始まったそうです。コロナ禍、複雑な気持ちでいました。

待っていた特別な春

待っていた特別な春
25kgの大鳥毛・力がこもる

飯田では、昭和22年(1947年)市街地の約7割を焼失した【飯田大火】、昭和36年(1961年)には、未曾有の大水害【三六災】がありました。

どのように復興に立ち向かったのだろうと、思いを巡らす時、この【お練りまつり】の存在の大きさを感じます。

飯田市無形文化財の大名行列

江戸時代から出場していたという本町三丁目。慶応2年(1866年)、火災で屋台を焼失し、明治元年(1868年)に仙台藩・姫路藩・小浜藩の江戸屋敷に残る行列道具類を購入したそうです。

飯田市無形文化財の大名行列
先箱(さきばこ)は江戸時代からの道具・二人の息を合わせて

江戸時代の道具、お練りで活躍しているものがあります(飯田市美術博物館には展示あり)。

飯田市無形文化財の大名行列
休憩中?

威張業途也(エーハリーワサートーナー)の声が聞こえる。
威是業途也(エーコレーワサートーナー)
威良業途也(エーヨヤーワサートーナー)と、続く。この良い技を見てくれと。

飯田市無形文化財の大名行列
所望を受けて・草履(ぞうり)とりの演技
飯田市無形文化財の大名行列
技を競う・草履(ぞうり)は、より低い位置でとるのが上手とされる
飯田市無形文化財の大名行列
初めて観る技でした

【大名行列】の所作は師範の指導を受け、明治11年(1878年)から、江戸時代の参勤交代の様子を、現代に伝えています。

飯田市無形文化財の大名行列
白車熊の演技

ゆっくりとした中腰での所作、草鞋(わらじ)を履いての道中は、さぞかしお疲れかと思います。本番までの、長い練習の日々も……。実に見事でした!

次回に向けて、つなげることができました。

緊張が解ける時

初日3月25日(金)【大名行列】を見ました。行列の後、所望のあった演技です。演者の緊張が伝わってきます(所望は商店や会社などが祝儀を出してリクエスト)。

そろそろ技が終了か? と思った、その時、私たちの反対側から『もっとやって』という子供の可愛らしい声がしました(大声を出さない約束でした)。

緊張が解ける時
手の先まで心がこもる

見物人や、演者、皆の顔がほころびました。演者の方は、ニコニコして『もう一回やるか』と、技を見せてくれました。

思わぬ発見・約400年の風雪に耐える奇跡の紅梅

思わぬ発見・約400年の風雪に耐える奇跡の紅梅
お練りに合わせて咲いている加納家の紅梅

菱田春草・生家跡の近くに咲いていました。説明によると、代々御典医であった加納家が、江戸時代、飯田を治めていた、堀公から賜った八重の紅梅です。

今まで、気が付きませんでした。やっぱり歩いてみるものです。

 

■もっと知りたい■

渡来夢

美しいものに触れたいとの思いから美術館に行ったり、植物を育てたり、きものリフォームなどの手芸を楽しんでいます。元気でいられるように、ピアノの練習やパンを焼くことにも挑戦しています。『やってみよう!』の精神で。日常こそ大切、工夫して、お金をかけずに楽しむこころ豊かな暮らしを目指しています。

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