7年に一度の「飯田・お練りまつり」にみる(2)
2022.04.282022年04月16日
がんばる人は美しい
7年に一度の「飯田・お練りまつり」にみる
とうとう、寅年と申年に行われる、【飯田・お練りまつり】(おねり)の春がきました。受け継がれる芸能や心意気は美しく感動的でした。体温や、マスク着用のチェックを受け、観覧しました。
待っていた特別な春
長野県飯田市で行われる【飯田・お練りまつり】は、大宮諏訪神社の式年大祭に奉納する芸能として1651年3月1日に始まったそうです。コロナ禍、複雑な気持ちでいました。
飯田では、昭和22年(1947年)市街地の約7割を焼失した【飯田大火】、昭和36年(1961年)には、未曾有の大水害【三六災】がありました。
どのように復興に立ち向かったのだろうと、思いを巡らす時、この【お練りまつり】の存在の大きさを感じます。
飯田市無形文化財の大名行列
江戸時代から出場していたという本町三丁目。慶応2年(1866年)、火災で屋台を焼失し、明治元年(1868年)に仙台藩・姫路藩・小浜藩の江戸屋敷に残る行列道具類を購入したそうです。
江戸時代の道具、お練りで活躍しているものがあります(飯田市美術博物館には展示あり)。
威張業途也(エーハリーワサートーナー)の声が聞こえる。
威是業途也(エーコレーワサートーナー)
威良業途也(エーヨヤーワサートーナー)と、続く。この良い技を見てくれと。
【大名行列】の所作は師範の指導を受け、明治11年(1878年)から、江戸時代の参勤交代の様子を、現代に伝えています。
ゆっくりとした中腰での所作、草鞋(わらじ)を履いての道中は、さぞかしお疲れかと思います。本番までの、長い練習の日々も……。実に見事でした!
次回に向けて、つなげることができました。
緊張が解ける時
初日3月25日(金)【大名行列】を見ました。行列の後、所望のあった演技です。演者の緊張が伝わってきます(所望は商店や会社などが祝儀を出してリクエスト)。
そろそろ技が終了か? と思った、その時、私たちの反対側から『もっとやって』という子供の可愛らしい声がしました(大声を出さない約束でした)。
見物人や、演者、皆の顔がほころびました。演者の方は、ニコニコして『もう一回やるか』と、技を見せてくれました。
思わぬ発見・約400年の風雪に耐える奇跡の紅梅
菱田春草・生家跡の近くに咲いていました。説明によると、代々御典医であった加納家が、江戸時代、飯田を治めていた、堀公から賜った八重の紅梅です。
今まで、気が付きませんでした。やっぱり歩いてみるものです。
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