ツアー参加者の愚行を目にし、マダムが下した結論は

2021年07月17日

コロナ禍直前に行ったタイツアーで遭遇した困った人々

タイツアー参加者の愚行を目にし、マダムが下した結論

タイツアーの話です。が、観光旅行記ではなく「困った参加者たち」のアレコレを、自戒も込めて取り上げました。見ず知らずの個性の強い面々が観光や食事をともにする訳ですから、楽しいことばかりでなく、時に不満やいさかいも生じることになるのですが……。

一人参加限定のタイツアー

ツアー参加者は25名位だったでしょうか、男女ちょうど半々くらいで、リタイア組が(と言ってもアクティブな人ばかりですが)多いように見受けられました。日本からの添乗員は同行せず、現地空港でガイドと落ち合ってそこからタイ各地に連れていってもらう、というツアーでした。

一人参加限定のタイツアー
バンコク三大寺院の一つ「ワット・プラケオ」​​​​。別名:エメラルド寺院

食事の際は、4つほどある6~8人掛けのテーブルに各自好きなように座ることになっていました。

全員一人参加なので、最初の食事は素性のわからぬ者同士で席を共にすることになるのですが、正直これはリスクの高い賭け……。汚い食べ方をする人、品性が欠落している人、おしゃべりが過ぎる人、いばりちらす人、こういった人と同席になる可能性があるからです。もしそうなってしまったら、どうしたって食欲が落ちてしまいますよね。

私は決して上品ではなく、気取っているわけでもないのですが、世の中には、本当にもう二度と同席はご勘弁と言いたくなるほど、クセ&アクの強い人たちがいるのです。残念なことですが、ツアーにおいては時々そういう人に遭遇してしまいます。

じゃあそれならツアーに参加しなきゃいいのに、と言われそうですが、何だかんだいってもやはりツアーは利点が多く捨てがたいもの。困った参加者との遭遇危機もはらむとはいえ、それを大きく上回るメリットがあるのも事実です(それに変人さんとの接触も、時が経てば興味深い思い出となりますし)。

旅の楽しみといえば現地グルメですが…

さて第1回目の夕食時、私はバスを降りたのが最後でレストランに入るのも最後だったため、席を選ぶ余地がなくなり、最後の一席に座らざるを得なくなりました。

はい、失敗でした。前述したマイナス点を兼ね備えたオヤジたち(あえてオヤジと書かせていただきます)の巣窟に放り込まれてしまいました。翌日の昼食でもまた、別のとんでもないオヤジたちと同席になってしまいましたので、その時に「今後の食事は女性たちと一緒に座ることにしよう」と強く決意したのでした。

「困ったちゃん」参加者

2~3日も同行していると、自然と誰が「困ったちゃん」なのかがわかってきます。声デカ、のべつ幕なくしゃべる、仕切りたがり、自分勝手、女性蔑視、etc。一人で幾つも兼ね揃えたツワモノもいます。

食事中に限らず、観光中も彼らは周囲にいろいろ迷惑をかけまくりました。集合時間に遅れたり、もっとヒドイのは、遅れるどころではなく一向に来ないので手分けして探し回ったら、場所を勘違いして別の場所にいたり…。それもこれも、ガイドの話をちゃんと聞いていないからなのです。

「困ったちゃん」参加者
アユタヤ「ワット・マハタート」。木の根に絡まった仏頭で有名な場所

ある男性にいたっては、他国の旅行者とけんか沙汰になるという有り様。どうもその人がルール違反をしたようなのですが(いかにもやりそうな人ではある)、それを他国の旅行者から注意されたら逆切れしてしまい、言い争いに発展。その険悪な状況に周囲が気づき、止めに入ったというお粗末ぶりでした。

おじさん勘弁してよね~。大人でしょう、ルールは守りましょうよ。それに、注意されたら反省しましょうね(そういう私自身も、旅行中はつい羽目を外しがちになりますので、気をつけます……)。

女性陣はそうした「困ったちゃん」を敏感に察知して「とんでもないオヤジ三巨頭」などとこっそり呼び、彼らとは距離を取りました。そういう人とはお近づきにならないのが得策。楽しみにしていたタイ旅行ですもの、心地よく過ごすためにもそんなヤカラとは必要最低限の接触だけにとどめたいものです。

以降、食事タイムは気の合う女性同士で示し合わせて席を固めました。しかしヤツらは鈍感なので、8人掛けに女性6人で座っているのを目ざとく見つけると、「ここ空いてるじゃん、ラッキー」と遠慮なく座ります。

男性陣の中には知性や品性のある人もいて、そういう人となら同席も歓迎なのですが、やはりそういう人は女性陣の席に自らズカズカと入ってきたりはしないのでした。 

「困ったちゃん」参加者
パッタイ ライスヌードルのタイ風炒め

マダムの戸惑い……

イヤなことばかり挙げましたが、楽しいこともありました。同世代のマダム風女性とすぐに親しくなり、食事や観光をともにしたのです。

その彼女、タイ旅行の次はドイツ旅行を計画しているようで、

A.普通のツアーに、一人部屋追加料金を払って参加する                     
B.お一人様限定ツアーに参加する                            
C.女性お一人様限定ツアーに参加する

の三択の最中でした。

ツアー料金としては、お得順にいうと、A→B→Cとなります。マダムは、タイツアーの序盤では、Aの方がツアー本数が多いから出発日の選択肢が増えるかなと、Aに興味を持っていました。

マダムにとってこのタイ旅行は人生初の一人旅(ツアーへの一人参加)なので、前々から心待ちにしていたといいます。それだけに、観光自体は楽しめてはいるものの、ご自身の配偶者とはあまりにも違いすぎる強烈なオヤジたちの言動にかなり戸惑っていました(口には出さないものの、きっと、“何なの~、あの人たち……”と思っていたに違いありません)。  

こんな困ったオヤジたちですが、もし夫婦で参加していたらもうちょっとマシな行動をとっていたはず。奥様同伴だと常に奥様の厳しい目があるので、人として常識的な行動をとらざるを得ないですものね。今回はストッパーがいないため、悪い意味で自由すぎる行動に出たのかもしれません。

タイのクイズ 三択です♪ 

タイの挨拶の言葉とは? A.サワディー、B.シンチャオ、C.ナマステ                タイの挨拶の仕草とは? A.合掌、B.ハグ、C.握手                        タイでやってはいけないこととは? A.他の人の頭を触る、B.足を組む、C.合掌する

正解は→ → → 全て「A」。

タイのクイズ 三択です♪ 
バンコク三大寺院の一つ「ワット・アルン」。別名:暁の寺院

エレファントキャンプでの愚行 その壱

ツアー最終日は、エレファントキャンプ観光でした。

キャンプでは、広場で行われる象のお絵描きや球技などのショーを観客席から観るのですが、始まって早々同ツアーのおじいさんが立派なカメラ持参で前列の方に進んでいきました。その動きを見た私たちは、近い場所で象を撮影したいのだろうなと思ったのですが、全然違っていました!

エレファントキャンプでの愚行 その壱
エレファントキャンプでは象のお絵描きシーンが観られます

じい様がカメラを向けたのは、象ではなく、前方に座っていた欧米のきれいな女性だったのです。「えっ、何してんの?」と、こちらのメンバーは慌てました。そんなあからさまに個人を接写するなんて、ダメでしょう! じい様が一度だけでなく何度もシャッターを押したので、立ち上がって止めに入ろうとした時、その欧米人グループ内の男性から何か注意をされたようでした。

じい様は何を言われているのかよくわからないものの、とにかくその場から離れて自席に戻りました。その際、きれいな女性の写真が撮れたからでしょう、満面の笑みを浮かべていました。あきらかにコンプライアンスが欠如していますね。同行者として恥ずかしい〜。

エレファントキャンプでの愚行 その弐

広場での象のお絵かきや川での象の水遊びを観た後は、象に乗ってキャンプ内を散策します。ただしこれは現地での任意申込みなので、希望者のみ参加です。

二人で一緒に象に乗って、料金は一人2000円くらい、それと、象使い(&象)へのチップが少々。ツアーの人は見知った顔同士になっていますので、「ご一緒よろしくお願いしますね」などと挨拶して並び始めました。私はマダムと乗ることになり、後方で順番待ちをしていました。

前後はやはり同じツアーの参加者ばかりで、目の前には「三巨頭」の一人の“いばりちらすオヤジ”が並んでいました。彼はその性格ゆえに男性陣とも上手くいっておらず、象にはどうやら同ツアーの女性と乗るようでした。私たちの前に並んでいたのはそのオヤジと女性の二人だったので、そう思うのは当然のことでした。

エレファントキャンプでの愚行 その弐
エレファントキャンプでの1シーン 象の水遊び

騒動が起きたのは彼らが象に乗る直前でした。「俺は一人で乗るつもりだった。何でこんなちんちくりんと一緒に乗らなきゃいけないんだ!」という怒り声が響き渡ったのです。

私とマダムは会話が弾んでいたので事情が分からず、いったい何ごと? と思わず注視しました。オヤジは、「2000円を払えば一人で象に乗れると思っていた。この女となんか絶対に乗らないぞ」と日本語で怒鳴っています。

キャンプスタッフも象使いも、日本語が分からないのにそんなことを言われたって困ります。しようがないので、ツアーのガイドを呼んで対応してもらうことになりました。否定された女性が、「私は別にあんな人の言うことなんて気にしていないから大丈夫」と大人の対応をしてくれたのが、まだ救いでした。

トラブル対応がもう少しかかりそうなので、先に私たちが象に乗るように促されました。先のイヤな出来事はいったん頭から放り出し、その時間は象との散策を純粋に楽しみました。 

エレファントキャンプでの愚行 その弐
エレファントキャンプのハイライト エレファントライド

旅の終わりにマダムが出した結論

しかし、マダムはツアー中のオヤジたちの言動にホトホト嫌気がさしていたのでしょう。タイの空港で帰国便を待っている時、私にこう言いました。

ドイツには“女性お一人様限定ツアー”で行くことに決めたわ」と。

お気持ちお察しいたします。

マダムも他の参加者のみなさもお疲れさまでした

 

■もっと知りたい■

伊東
伊東

子育て終了後の40代後半から会社勤めを再開。趣味は海外旅行、クラシック音楽。50代でクイズ番組に出たことでクイズにも目覚め、最近はオンラインにて仲間とクイズを堪能しています。ハルトモ倶楽部を通じて、クイズなどの楽しさを広めていけたらと思います。

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