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- クイズ好き母に育てられた子が好きになった教科とは?
子育て真っ最中は専業主婦として子どもたちのそばにいたので、私の趣味が彼らに及ぼした影響はそれなりにありました。その最たるものは、クイズ番組を好んで観ていたことで、子どもらも自然とクイズ関連教科に親しみを感じていったことだと思います。
旅行を重ねる度に地歴好きに
問題「牛タンや笹かまぼこが名産品であり、戦国時代に伊達政宗が築城した青葉城址が残る、東北地方唯一の政令指定都市といえば?」
→ → → 答え「仙台市」
現在20代の子どもたち2人がまだ小さかった頃、夫が仕事で忙しかったため、よく母子3人で日本各地を旅していました。
その際、訪れたい場所のリストは子どもたち自身が地図帳やガイドブックを見ながら作ったので、ただ連れて行かれるよりは印象に残る旅になったようです。
旅の計画段階でも多少基本知識を得られますが、実際にその地を訪れると、地理・歴史や名産品に直接触れ合えますので、具体的なイメージを伴って知識が自分の中に入ってきます。そんな生きた学習を通じて、二人はおのずと「社会科」好きになっていきました。
4年生になると、授業で地図帳を用いて47都道府県を学びます。「東日本には行っているけど、西日本にはそんなに行っていない」という我が家の事実に子どもが気づき、「これからは西日本を目指そう!」と、旅の目的が「47都道府県踏破」へと転換しました。
独身時代からバイクや鉄道であちこち一人旅をしていたものの、西日本の一部が未踏だった私にとって、これは願ってもいない展開。以降は子どもたちと同じように好奇心いっぱいに旅を楽しむことになります。
旅行を重ねる度に、子どもたちが地図帳を開く機会が増えていきました。クイズ番組で「ここはどこでしょう?」という問題を見かけると「ここ知ってる!」とすぐ反応するようにもなりました。
「旅行が好きなだけ」「クイズが好きなだけ」だったらそこまで「社会科」好きにならなかったかもしれませんが、たまたま二つとも好きだったので相乗効果で興味が深まったのだと思います。
言葉クイズを自作し親子で遊ぶ
問題「英語教師の珍野苦沙弥(ちんのくしゃみ)に飼われ、名前はまだない猫が主人公である、文豪夏目漱石の処女小説といえば?」
→ → → 答え「吾輩は猫である」
クイズ番組の『アタック25』や『Qさま‼』を観ていると、地歴問題に加えて、言葉(ことわざ・熟語・カタカナ語等)や文学の問題もよく出題されます。
幸い、家の本棚には書籍や辞書が並んでおり、当時は子連れで図書館にもよく通いましたので、子どもたちは日常的に本に親しんでいました。
時には書店の児童書のコーナーに一緒に行き、「各自予算三千円で、自分の好きな本を選んでね」と本の選択を任せたこともあります。もちろんその間、私は口をはさみません。購入後は、自分で選んだからなのでしょう。大切にして、何度も読み返していました。
私が作った簡単な言葉クイズや漢字クイズを、子どもに出して一緒に遊ぶこともありました。小学生低学年の子どもは母親が好きですので、私に解いてもらおうと、子どもたち自身も言葉・漢字に加え地歴などのクイズをワクワクしながら作るようになりました。
こんなふうに「お勉強」とは別のアプローチで子どもたちは、「国語教科」も好きになっていきます。そして、クイズ番組で言葉や文学の問題が出ると、ピン! とくるようになっていきました。
完全に文系に偏ってはいるものの、こうした好きな教科があったことが幸いし、勉強嫌いになることもなく、塾や予備校に通うこともなく、ほぼ文系力のみで二人とも希望の大学に入ることができました(だからといって二人が成績優秀、品行方正ということではありませんので、そこは誤解のないように……)。
番外編:こども百科事典が私のクイズ力のベースに
問題「‟切手”や‶葉書”という名称を定め、1円切手にその肖像が使われている、‶日本近代郵便の父”と呼ばれる人物といえば?」
→ → → 答え「前島密」(まえじまひそか)
※2021年4月に、前島密に加えて「ぽすくま」の新1円切手も登場。
子どもに本好きの傾向が見てとれたこと、また、私自身に読みたいという思いもあったので、ある時『子ども百科事典』を買って「みんなで読もうね」とリビングに置いてみました。二人が時々手に取って眺めていたので、同じ百科事典の歴史、人物、地理などシリーズを徐々に買い足していきました。
私も子どもたちが学校に行っている間に目を通していたのですが、これが思いがけず、のちの私のクイズ力の基底を成すこととなります。特に肖像画や写真入りの歴史事典と人物事典、地図入りの地理事典は、それまで無知であった私の基礎学力の強化に大いに役立つことになりました。
『アタック25』出場時にはこの各種事典を眺めていたからこそ正解できた問題もあり、日頃親しんでいた趣味が、ある日突然、実践の場において実を結んだ、といった感じでした。もちろんこれは子どもたちについても同様だったと思います。
クイズ好きの母の影響を受けたというよりも、文系好きの母の影響を受けたような感じもしないではありませんが、やはりクイズが身近にあったことで国語や社会科により親近感を抱いたのだと思っています(もちろん、お笑い好き体育会系の夫の影響もそれなりに受けていますが、今回その話は割愛させていただきます)。
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