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- 「価格は変わらないけど量が減った商品」を目にすると
「値段は変わらないけど量が減ってる。これって実質値上げやん」と思う機会が最近増えているのではないでしょうか。私もそう感じる1人です。が、クイズ好きの習性で、値上げを嘆くより先に「この経済現象の名称は何だっけ」と頭が別方向に動いてしまいます。
ステルス値上げ?
某メーカーの袋入りチョコ、以前は15枚入りでしたが、ある時14枚になり、
問題:ステルス値上げとも呼ばれる、企業などが価格を据え置いたまま内容量だけを減らし実質的な値上げをする現象のことを、2つの英語を組み合わせた造語で何というでしょう?
ステルスは敵のレーダーに映らない戦闘機のことなので、これは、ステルスのように見つかりにくい値上げを意味します。
企業は事前に変更(減量)の内容と理由を公表し、新内容量を包装袋などにも表示します。が、価格やパッケージは以前と変わらないため、消費者はパッと見ただけでは実質的な値上げに気づきにくいのです。
シュリンクフレーション?
クイズの答えは「シュリンクフレーション」。
「縮む」という意味の「shrink」と、物価が上昇する経済現象「インフレーション」を組み合わせた言葉で、クイズ界では昨年(2021年)頃から出題されるようになりました。
カタカナ語ゆえ当初は言葉がスムーズに出てきませんでしたが、悲しいかな、今年(2022年)は実生活でこのステルス値上げに何度も遭遇しているので反復効果で覚えてしまいました。
前述例のチョコは袋に枚数が明記されているので、注意して見れば実質値上げに気づきますが、値段と数はそのままで1つ当たりの量が減るという、より気づきにくい値上げも!
先日、好物のアーモンド入りミニチーズ4個セットの裏面を見たら、全体量が60gから54gに減
以来、台紙サイズより一回り以上も小さなピザ、袋にスカスカ感のあるスナック菓子などを目にすると「どうせあなたもステルス値上げしているんでしょ」と諦観の境地に……。
あのペーパーのサイズは?
問題:JIS規格で、その幅が114mm(±2mm)と定められている日用品は何でしょう?
内容量が1箱200枚から160枚と2割減になったティッシュペーパーをよく見かけますが、交換(購入)や物流の増加、包材のコストの観点から、「枚数は200枚のままにして価格を値上げした方がいいのでは」と提言したくなります。
さてクイズの答えは、「トイレットペーパー」でした。
家の愛用品は幅が114mmのままですが、この先どうなるでしょうか。というのも、規格は任意なので、それ以下の寸法であっても問題はないのです(※)。実際、売り場ではダウンサイジングされた商品をよく見かけます。
※輸入品はJIS規格対象外。ノーブランド品は元々JIS規格より幅狭。また、近年はエコの観点からメーカー品でも幅狭の傾向あり。
ロールの「長さ」については包装袋に大きく表示されているので短くされてもわかりやすいのですが、「幅」は裏面に小さく表示されているだけなので、狭くされてもその事実に気づかないかもしれません。
たしかに幅が10mm減ったところで使用感には大して影響はなさそうです。もし減少に気づくとしたらホルダーから落ちやすくなったときでしょうか。そしておそらくそのとき消費者は、次のクイズの答えの感情が湧き上がってくるのだと思います。
楽しく乗り切る♪
問題:本来は「一時しのぎ」という意味であるが、近年では「卑怯な」という意味での使用が多くなっている、「姑」で始まる二字熟語は何でしょう?
こうしたステルス値上げに対し「姑息なことを!」と憤る声をよく見聞きします。そう、答えは「姑息」。クイズ&語彙好きとしては、どちらの意味合いで言っているのかが気になるところです。
おそらく消費者は「卑怯」の意味で使っていると思いますが、企業としては「とりあえず今は値上げをせずやりすごそう」という「一時しのぎ」の気持ちが強いのかもしれません(あくまでも私の考えです)。
こんなのんきなことを書いていますが、私だって価格値上げや容量減少には反対です。ただ、現在の世界情勢や経済状況を俯瞰すると値上げを受け入れざるを得ないのかなと……。
そして、この値上げから逃れられないのなら、時にはクイズのネタにしつつ、家計を工夫しながら楽しく乗り切っていきたいと思うのです。もちろん、便乗値上げに対しては不買の姿勢で臨むことも忘れずに。
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