たまには一緒に夫婦旅

松本ほろ酔い・馬と酒

公開日:2024.03.14

松本へGO

毎日が日曜日の年金者の夫から、「たまには二人で松本へ行ってみないか?」と、お声がかかった。

「あいよ、お前さん。ご一緒しようじゃないかい」なんて、調子よく答えて……。

しかし、時間たっぷりの夫はスイスイ早めの列車で出かけるつもりらしい……。お昼過ぎまでお仕事の私は、別行動。

校門前にタクシーを手配し、列車の時間に間に合うように駅へ向かいました。

甲府までの特急列車で2時間。甲府であずさ33号の特急に乗り換えて1時間で松本へ、夕暮れ時間に到着です。

なにしろ、半世紀前のプロポーズの言葉が「精神的に自立してください。何でも僕に頼らないでいて欲しい」と言うのですから、甘ったれ猫ちゃんのようにゴロニャンってできないのです。

何時だって、独り立ちの私ですから一緒の旅行でさえ別々の列車で現地集合となるのです。よそ様のご夫婦には理解しがたいでしょうが、我が家はそんなふうに成り立っています。とりわけ愛がないとか、冷たいとかではないのでご安心ください。

馬と酒

松本で合流して二人で向かった先が馬肉専門店。

馬肉は脂分が少なく、いろいろなメニューを注文し次々に食べてもお腹が重くなりません。実にヘルシーでコラーゲンたっぷりです。お刺身、串焼き、サラダ、鍋物、etc. たくさん頂きました。

さて、松本に行きたい理由の一番が……バーに行くことです。松本には日本で一番になった素晴らしいバーテンさんがいるのです。

「馬」の次は「酒」です。

一枚板のデ~ンとしたカウンター、善い雰囲気のしつらえ、接客の声のトーン、空気感まで日本一です。

私たち夫婦が好きなバーテンさん、所作の一つ一つが流れるようで美しく、それでいて自然体で構えるところがなく、なんとも居心地の良い空間を作り出しているのです。

氷をナイフで丸く削り、シェーカーの高いリズム音、指先まで神経が行き届いたグラスに注がれる液体、すっと目の前に差し出されるグラス。もう至福の時間です。

大げさに言えば、どんな芝居を見るより、映画を見るより、臨場感に包まれた手さばきと空間、店内の空気の流れ、阿吽の呼吸とでもいえるバーテンさんと客の距離感。ああ~~、もう何とも酔いしれてしまいます。

久々の訪問だったにもかかわらず、覚えていてくださって、絶妙な間合いで声をかけてくれます。

二人でそれぞれが好きなカクテルを作ってもらい、じっくり味わいます。

だから、松本はたまらないのです。

松本・カフェと城

別行動が多い我ら夫婦ですが、松本は大好きな街で、お互いに何十回も(別々にです)訪れていますから観光はしません。

今回は夫が見つけたカフェに行くことにしました。

女鳥羽川沿いにあるレトロ感あるカフェです。二人でゆっくり珈琲を味わいます。

松本・カフェと城
雪の女鳥羽川

カフェを判断するチェック項目、まずは椅子の座り心地、そして珈琲のおいしさは当然、カップの口当たりの滑らかさとカーブ、私はこの3点が大事になります。

まして、作り置きの珈琲を温めなおすなんてお店は黙ってお金を払いひと口、口をつけた時点で店を出ます。

松本・カフェと城

旅館が経営するカフェのようです。調度品が渋くて私好み、ゆっくりできました。

松本・カフェと城
生花がいけてあることも大切なカフェの心意気です

カフェの後は、和菓子屋で購入した地元のお菓子を持って松本城へ移動です。

天気も良いし、風も穏やか、遠い雪山、お城を見ながらベンチに座りおやつタイムです。

松本・カフェと城

とりとめもない話をし、「おいしいね」

松本・カフェと城

松本・カフェと城

何もしない夫婦旅ですが、のんびり心が癒やされていきます。

「また、来ようね」

松本・カフェと城

■もっと知りたい■

富士山の見える町で暮らす元気なアラウンド70歳。半日仕事をし、午後はジムで軽く運動。好きなことは絵画を見ることと針仕事。旅先の町で買い求めた布でポーチやバッグを作っています。雨の土曜日は映画を観て、晴れた土曜日には尾根道を3時間ほど歩く。楽しいことが大好きです

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