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- 母が患ったレビー小体型認知症とは?(2)
2022年2月、85歳で亡くなった母は、亡くなる5年前に「レビー小体型の認知症」であることがわかりました。精神科に入院してから、特別養護老人ホームに入るまでの話を書いてみます。
赤い布を火と間違えて、消防車を呼んでしまい……
母が骨折の手術後、急に認知症が発症し、4か月後。母の影響で一緒の部屋で暮らす父もおかしくなってきました。
そこで、主治医やケアマネージャーと相談して、母を徹底的に診てもらおうと、都の精神科で検査を行うことにしました。
丸1日かけて検査をし、ここで母が「レビー小体型認知症」(以降レビー小体)ということがわかりました。
認知症のための薬、そして「レビー小体介護の手引」をいただき、なるべく目を離さないようにと言われていました。しかし、2か月後トラブルが起きます。
私が仕事で家を出ていた日、赤い布を火と間違えた母が消防車を呼んでしまったのです。
このことで警察や地域の人に迷惑をかけ、母自身もナーバスになっていきました。そして、これを機に検査した精神病院で一度入院することになりました。
精神病院から都外の介護老人保健施設へ
精神病院の治療で、母はだいぶ落ちつくことができました。ただ、レビー小体独特の病状で、意識がしっかりしているときと、意識がもうろうとしているときの差が激しく、対応には苦慮しました。
この病院に半年入院し、自宅での介護は難しいと判断。その後、自宅から1時間半も離れた都外の介護老人保健施設に入院します。
父を週に3回デイサービスに送りながら、私はここに月2回は通いました。初め、母は歩くこともできて、近くのカフェや焼肉屋さんにも外出ができて、元気なときはたわいないおしゃべりもできたのです。
しかし、半年すると車いすになり、その後、意思の疎通も難しくなりました。
娘として、母の意識が薄れていくこと、体力が落ちていくことを、つらく感じました。一人っ子ゆえ、それを誰かと共有できないことも悲しかったです。
運良く入れた自宅近くの特別養護老人ホーム
約7か月後、家の近くに特別養護老人ホームが新設され、要介護3になっていた母は、運よく新しいホームに入居できることになりました。
新設されたホームは、設備が整い、一人部屋でとても快適ではありました。ヘルパーさんが忙しく目が届かない感じではあったので、週に1回は遊びに行くようにしていました。私は他の入居者さんとも仲良くなりました。
ただ、母は歩けないため、ホームの外に出ることが困難で、意思の疎通も難しくなってきました。
レビー小体は、とにかく昨日できたことが急にできなくなります。何でもできた母が、何もできなくなる。それを見ているのがつらい日々でした。
元気な頃の母は、車を乗り回す活発な人
元気なとき母は、本当に華やかで活発な人でした。車を乗り回し、地域のボランティアで会長を長年にわたり務め、いつも人のために尽くす人でした。
また、栄養士の免許を持っていて、55歳から10年間は、友だちと料理屋さんを開き、料理を作ることを楽しんでいました。
お店をやめても、近くの介護施設に頼まれて、手作りのお弁当を車で届ける仕事を77歳まで続けていました。
たくさんのおいしい料理を作ってくれましたが、料理下手な私は受け継げなかったものも多く、子どもたちには恨まれています(笑)。
十分にケアできなかったけれど、ゆるしてくれるはず
子育て、父の介護、仕事とフラメンコと、私もやらなくてはならないことが多かったので、母に対して十分に介護をしてあげられませんでした。そのことは、やはり後悔しています。
でも、今悔やんでも仕方がない。とっても寛容な母だったので、きっと天国で「それでもいいよ」と笑ってゆるしてくれると思っています。
第3弾では、コロナ禍の中、亡くなるまでの過程をもう少し書いてみようと思います。
(参考資料)
レビー小体型認知症とは|特徴・症状の改善策・有効な薬など | 認知症ねっと
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