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- 醤油の正体って?発祥の地・和歌山県湯浅町で学ぶ
和歌山県湯浅町は、醤油発祥の地として知られています。2023年5月、今も伝統的な製法を守っている「湯浅醤油(有)」へ、醤油蔵見学に行ってきました。
醤油って一体、何?
日々の生活に根付いている調味料、醤油。
身近なだけに、どんなきっかけで生まれたのか、何からどんな作り方をしているのか、改めて知る機会は少ないのではないでしょうか。
「湯浅醤油(有)」では、実際に醤油仕込み中の杉樽を並べた「九曜蔵」を見学し、醤油の歴史や製法を学ぶことができました。
説明してくださったのは「丸新発酵蔵部」という醤油や味噌作りの体験教室も運営している宮本結実さん。宮本さんの案内で、まずは醤油の歴史をたどりました。
醤油のはじまり
時は鎌倉時代、中国の金山寺で学んだ僧侶・覚心が持ち帰ったのが金山寺味噌(きんざんじみそ)の製法。
刻んだ茄子や瓜などの夏野菜を仕込んだ「おかず味噌」で、樽で熟成させている最中、「たまり」という水分が上がってきます。
この「たまり」が醤油の起源となり、以来、よりおいしいものをと約200年に渡り改良を重ねられたものが現在の醤油となったということです。
伝統的な醤油の製法
では、醤油の伝統的な製法とはどんなものなのでしょうか?「湯浅醤油(有)」ではこのような方法で醤油が作られています。
- 茹でた後、蒸した大豆に、炒って砕いた小麦と麹菌を混ぜ、室で3日間保温する。
- 大豆の茹で汁に塩を混ぜ、1と合わせて杉樽に仕込む。これを「もろみ」と呼ぶ。
- 「もろみ」を適宜混ぜ(櫂入れ)、1年半~2年間発酵熟成。
- 熟成した「もろみ」8リットルを木枠に張った布に流し入れた後、ヘラでのばし、それを80段重ねる。そのまま、醤油が自然としみ出してくるのを待ち、その後、鉄板を乗せて圧をかける(「生揚げ(きあげ)醤油」)。
- 「生揚げ醤油」を樽に入れ、約2週間、澱(不純物等)が沈殿するのを待つ。
- 澄んだ部分だけを取り出し、火入れをして濾過。瓶詰めをして出来上がり。
気温や湿度により変化する「もろみ」の状態を吟味しながら、濾過まではすべて人の手による作業となるそうです。
醤油テイスティング
見学の後、小さなスプーンに醤油を1滴落としてもらい、さまざまな種類のテイスティングを体験。
いかにも醤油らしい深い味のものもあれば、甘みと複雑な風味を含んだもの、燻製にしたスモーク風味の醤油……。醤油そのものをしっかり味わったのは初めてで、貴重な経験でした。
「湯浅醤油(有)」には、自宅でMy醤油が作れるキットも販売されています。自分だけの味わい深い醤油ができれば、日々の食生活がより楽しいものになりそうですね。
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