“アニメと異世界”が50代に広がる理由
“異世界”がくれる癒し時間。アニメにハマる50代女性が急増中!
“異世界”がくれる癒し時間。アニメにハマる50代女性が急増中!
更新日:2025年11月13日
公開日:2025年11月12日
50代の約7割が知っている“異世界”とは?
「異世界」という言葉、耳にしたことがありますか?
ファンタジーや魔法、転生、冒険——。そんな非日常の世界を描いた作品を指すことが多いこの言葉が、いま中高年層にも広がっています。
ニッセンリサーチが実施した全国調査(※)によると、「異世界を知っている」と答えた人は全体で68%。50代でも68%、70代でも58.9%にのぼりました。つまり、“異世界”という言葉はもはや若者だけのものではなく、世代を超えて共有される新しいカルチャーになりつつあるのです。
この背景には、アニメや動画配信サービスの普及があります。
NetflixやPrime Videoなどで誰もが気軽にアニメを楽しめる時代になり、若者文化と呼ばれていたものが、今では“家での癒し時間”として50代女性の暮らしにも自然に溶け込みはじめています。
アニメが入口に!大人女性がハマる理由
調査で「異世界を知ったきっかけ」を聞いたところ、最も多かったのは「アニメ」。
しかも60代以上でも“テレビやニュース”より“アニメ”が上回る結果に。
「孫と一緒に見ていたら自分がハマった」「ネット配信で何気なく見たら心が癒された」——そんな声も聞かれます。
いまの異世界アニメは、派手な戦いや恋愛だけでなく、“静かな感情”や“再生”を描いた作品が増えています。
たとえば『葬送のフリーレン』では、仲間の死後を生きる主人公が「喪失から立ち直る旅」を続けます。『薬屋のひとりごと』の主人公は、知性と好奇心で理不尽な世界を軽やかに生き抜く女性。どちらも「人生の後半」を生きる50代女性の心に、深く響くテーマです。
「異世界=冒険」ではなく、「異世界=心の癒し」「新しい自分に出会う時間」へ。
アニメはいま、年齢を問わず“日常を一瞬手放すための入り口”として広がっているのです。
ファンタジーがくれる第二のときめき
子育てや仕事を終え、気づけば「次の楽しみがわからない」。そんな時期に、“異世界”は新しいときめきと癒しをくれる存在です。
心理学では、非現実の物語に浸ることでストレスを軽減し、心のバランスを保つ効果があるといわれています。
“異世界時間”とは、まさにそんな心の回復時間。
アニメや小説の世界に身を委ねている間だけ、肩書きや役割を脱ぎ捨て、ただ「自分」を感じることができる。そこに、50代女性たちが求める“癒し”があるのかもしれません。
異世界作品に共通するのは、「もう一度やり直せる」「仲間と生きる」「自分を信じて進む」というテーマ。それはまるで、50代からの人生にも通じるメッセージのよう。
ファンタジーの世界は、私たちに“可能性はまだある”と静かに語りかけてくれます。
“異世界”は、現実逃避ではなく「心のリセット」。日常に疲れたとき、少しだけ空想の世界へ旅すること。それは、大人女性が自分を取り戻すための小さなリカバリー習慣なのかもしれません。





