セカンドステージを自分らしく幸せに生きるには?
なりたい自分、やりたいことが見つかる!「ビジョン・ロードマップ」入門
なりたい自分、やりたいことが見つかる!「ビジョン・ロードマップ」入門
更新日:2025年07月27日
公開日:2025年07月24日
教えてくれたのは、藤野公子(ふじの・きみこ)さん
1955年生まれ。青山学院大学経営学部経営学科卒、ハーバードビジネススクール・エグゼクティブコース修了。現在、琉球大学客員教授のほか、複数の大学での講師役を担い「ビジョン・ロードマップ」は企業研修としても広く採用されている。最新著に『描くだけで新しい人生がはじまる ビジョン・ロードマップの法則』(KADOKAWA刊)
あなたは今「やりたいこと」がありますか?
みなさんは今、心の底からやりたいと思っていることはありますか?
この問いに即答できる方は少ないと思います。多くの方は、「やるべきこと」「やらなくてはならないこと」はあっても、純粋にやりたいことを失っています。安定した生活をしているうちに、疑問を持たないまま、自らを「見えない柵」に閉じ込めてしまうのです。
確かに、やりたいことがなくても生きてはいけます。目の前の仕事をこなしていても、それなりに充実感や達成感はあるでしょう。けれども、自分を「柵」に入れ続けていたら「本来の自分」がなくなり、魂のない人間になってしまいます。
その柵にいるうちにも「やりたいこと」を見つけ、柔軟に変身して飛び出していく能力こそ、「変化の時代」「人生100年時代」にもっとも求められる能力です。
10年後、どんな自分になっていたいか…それが「ビジョン」
本当に自分がやりたいこと、なりたい自分を見つけて行動を起こし、未来の明るい人生に向かってまっしぐらに歩む。それが悔いなき人生につながるのではないでしょうか。
混迷の時代に、自分の羅針盤となるのがビジョン・ロードマップです。
ビジョンは「将来に対する見通し、未来像、視覚」という意味の言葉です。私なりの表現で言うと「なりたい自分像」であり、さらに進めた解釈では、「人生の目的地」だと考えています。
自分が10年後、20年後、30年後にどうなっていたいのか。そういった目的や到達点がビジョンになります。
ビジョンと似た言葉で「夢」は、フワッとした願いみたいな感じですし、「ゴール」は「到達点」というニュアンスなので、ビジョンとはやや異なります。
目を閉じて思い浮かべると、「ワクワクする」イメージ。それがビジョンです。
そして、ロードマップは道路地図や工程表、進行計画のこと。ビジョンを掲げるだけではなく、達成までのスケジュールを示したものです。
つまり、ビジョン・ロードマップは「なりたい自分像」を明確にして、達成までのアクション計画とスケジュールを描くものになります。
背伸びしなくていい、自分だけの「ビジョン」を考える
ここで誤解のないようにお伝えしておきたいのですが、「ビジョン」は、華やかなものである必要は全くありません。誰もが社長になる必要もないし、大金持ちになる必要もない。競争も全く不要なのです。
例えば「子どもたちが大学に入ったら、2拠点生活の計画を立て、その5年後には大好きな田舎で野菜づくりを始める。ちょっと不細工だけど、愛情込めた野菜が食卓に並ぶのが楽しみ」というビジョン。
いかがでしょうか? 自分らしさにあふれた「人生の目的地」=「ビジョン」だと思いませんか?
社会に出ると、ともすれば目の前の仕事に追われ、その役割に満足してしまうことで、私たちは「人生の目的地」を持たないまま、大事な時間を過ごしてしまいます。
・今の仕事を辞めたいけれど、次にどんなキャリアを選べばいいのかわからない
・5年後には定年退職を迎えるが、その後の人生の明るい未来が見えてこない
これらの悩みは「人生の目的地」さえあれば、消えていきます。
ここまで読んで「その肝心のやりたいことがない」という方もいらっしゃるかもしれません。でも安心してください。自分では意識していないだけで、みなさんの心の奥底に、なりたい自分ややりたいことは必ず眠っています。それを導き出すのがビジョン・ロードマップです。
50代からの人生の幸福度がアップする「4つのビジョン」
ビジョン・ロードマップではシンプルでしかも十分、幸福感と充足感を得ることのできる4つのビジョンを柱にしました。
■ビジョン1 ライフスタイル
どのような場所で暮らしたいのか、何に囲まれたいのか、食事、睡眠、運動、ストレス対応、休日の過ごし方、日々の習慣やポリシーなどを含めた生き方を意味します。
■ビジョン2 キャリア
最終的にどのような仕事を通じて、社会貢献を果たしていきたいのかを考えるのがキャリアのビジョン。自分のモチベーション活動や強みを見つけて、挑戦したい仕事とゴールを明確にし、さらにはアクション計画を策定していくステップです。
■ビジョン3 人間関係
「人間関係」の前に「自分との関係」は良好でしょうか? 定期的な内省の時間(客観的な視点から自己の言動を振り返って、気付きを得ること)を確保し、その上で、自分を成長させてくれる人や、かけがえのない存在を棚卸しし、人とのつながりを考えます。
■ビジョン4 お金
単に「お金が欲しい」「多ければ多いほどいい」と考えているだけでは現状は何も変わりません。この先、どのような人生を送りたいのか、そのためにどれぐらいのお金が必要なのか。お金のビジョンで、自分らしい資産計画を考えてみてください。
これら4つのビジョンのうち、一つや二つがうまくいっても幸福は得られないのです。4つのビジョンでバランスよく、より高いスコアを目指すことが重要です。
ビジョンを描くとあなたに訪れる3つの変化
ビジョン・ロードマップを描くと、あなたは何を手に入れることができるのか。いくつか代表的なものをご紹介します。
■1 「やりたいこと」が見つかる
何十年も、特にやりたいことを持たずに過ごしてきた方であっても、ワークを進めるうちにやりたいことが少しずつ見えてきます。すでにやりたいことがある方は、マップを作りながらどのように実現すればいいのかを考えるので、行動を起こしやすくなります。
■2 「なりたい自分」になれる
例えば、人見知りが激しくて、友人が少ない方がいるとします。ビジョン・ロードマップで「成長し合える仲間に囲まれて、楽しくワイワイと過ごす」というビジョンを描いて行動したなら、その通りになる可能性は高くなります。
■3 明るい未来に向かって追求の旅を楽しめる
ビジョン・ロードマップでは、あなたのモチベーションや強み、つまりポジティブな面に目を向けてワークを進めるので、どれだけ無限の可能性に満ちているか、気付かされます。あなたの明るい未来に向けて、ワクワクする追求の旅を楽しめるのです。
次回は、【実践編】目的を達成できる「ビジョン・ロードマップ」の描き方4つのコツを紹介していきます。
※本記事は、書籍『描くだけで新しい人生がはじまる ビジョン・ロードマップの法則』より一部抜粋して構成しています。
■「50代からもっと輝く!ビジョン・ロードマップ」をもっと読む■
#1:なりたい自分が見つかる!「ビジョン・ロードマップ」とは
#2:目的を達成できる「ビジョン・ロードマップ」の描き方4つのコツ
#3:「自分を生かす」働き方【タイプ別診断】
もっと詳しく知りたい人は、藤野さんの書籍をチェック!

『描くだけで新しい人生がはじまる ビジョン・ロードマップの法則』(KADOKAWA刊)
「未来の明るいビジョンを持つことは幸福感につながる」という心理学のエビデンスを骨子とし、健康、キャリア、人間関係、お金の4分野において無理のない「人生の目的地」をイメージとして視覚化し、実現させる。それが、ビジョン・ロードマップです。「たった1枚の絵」から、幸福感と充実感に満ちた「新しい人生」が始まる!




