セカンドステージを自分らしく幸せに生きるには?
ビジョン・ロードマップで探る「自分を生かす」働き方【タイプ別診断】
ビジョン・ロードマップで探る「自分を生かす」働き方【タイプ別診断】
更新日:2025年08月10日
公開日:2025年07月24日
教えてくれたのは、藤野公子(ふじの・きみこ)さん
1955年生まれ。青山学院大学経営学部経営学科卒、ハーバードビジネススクール・エグゼクティブコース修了。現在、琉球大学客員教授のほか、複数の大学での講師役を担い「ビジョン・ロードマップ」は企業研修としても広く採用されている。最新著に『描くだけで新しい人生がはじまる ビジョン・ロードマップの法則』(KADOKAWA刊)
「今の仕事このままでいい?」から始める、幸せなキャリア設計
第1回は、なりたい自分像=ビジョンを描く大切さと「ビジョン・ロードマップ」の意義、第2回は、ビジョン・ロードマップを描くコツと失敗しない4つのステップについて解説しました。
いよいよ、4つのビジョンのワークに入ります。

4つのスペースに書き込むのは、キャリア、ライフスタイル、人間関係、お金のビジョンです。今回は、その中から「キャリア」にクローズアップしていきます。
みなさんは、今の仕事に対する満足度は何点ぐらいでしょうか?
満点でない方は、何が理由なのかを考えてみてくださいね。どうすれば100点に近づけるのか、ワークをしながらキャリアを見つめ直していきましょう。
「仕事の幸福感」が高い人に共通する4つのこと
仕事の幸福感が高い人の共通点には、次のような点が挙げられます。
- お金を出してでもやりたいことをやっている
- 自分の強みや楽しさが生かせるよう工夫している
- 自ら挑戦や目標を組み入れ、成長を感じている
- 仕事仲間に信頼できる人、尊敬する人を見つけている
「自分は全く当てはまらない」と落胆された方は、心配しないでください。この先のワークをしてキャリアのビジョンを描けば、みなさんの仕事の幸福感はきっと上がります。
幸せなキャリアを作っていくには、まず自分の才能や強みを知り、モチベーションが湧く活動を整理することが大切。自分の解像度を上げるための4つのワークをしていきましょう。
【ワーク1】6タイプから才能を診断!「才能分析シート」
自分がモチベーションを感じる活動は何なのか? それを知るためのツールが「才能分析シート」です。
才能分析シート(1)

才能分析シート(2)

才能分析シート(1)(2)に書いてある活動のうち、「この活動が好きだ」「時間を忘れてできる」「特に嫌いではなかった」と感じる活動を13個選んでください。好きな活動が無い場合は近いものを選んでください。
6つのカテゴリー(組織人才能、価値創造才能、研究探索才能、海外アウトドア才能、愛情奉仕才能、起業家才能)のうち、点数が多いカテゴリーが自分の才能分野の傾向値になります。
■組織人才能
組織の歯車になって貢献することに喜びを感じるタイプ。ある程度、指示が明確な方が安心でき、与えられた仕事を誰よりも速く、美しく、正確にこなすことで喜びを感じます。
■価値創造才能
芸術的な音楽やアートを生み出す才能もありますし、今までにない企画を世の中に出すことに対して喜びも感じます。
■研究探索才能
興味あるものに関して深く入り込んで探求するのが好きな傾向があります。研究に集中したいので、煩雑な人間関係は「むしろ苦手」です。
■海外アウトドア才能
基本的に、ずっとオフィスにいるようなインドアの仕事は苦手です。海外でのビジネスや、外を飛び回る営業、表に出て作業をするなど、身体能力を生かす仕事に喜びを感じます。
■愛情奉仕才能
人がキーワードです。人を助けたり、人を成長させたり、教育などの仕事が自分らしさを発揮できます。
■起業家才能
人に影響を与えたい、リーダーシップを発揮するのが好きなタイプ。細かく指示を出されるとモチベーションが下がるので、任された方がより能力を発揮できるタイプと言えます。
【ワーク2】“好き”と“得意”の交差点で「強み」を言語化
モチベーション活動に加えて、「自分の強み」を生かせる活動をすることが、幸福度や社会貢献にもつながります。
それでは「強み」とはいったい何なのでしょうか?
米国のタル博士によると、強みは二つの要素から成り立っていて、それは「得意なこと」と「情熱を持てること」なのだそうです。
早速、日本での解釈を加え、ワークシートを作りましたので、「得意」と「情熱」のそれぞれの枠に5つぐらい、得意なこと、情熱を注げることを書き込んでみましょう。
「自分に得意なことなんてない」と思う方も、人生を丁寧に振り返ってみると、何かしら浮かんでくるものです。
- 人から褒められたり、評価されたりしたこと
- 長くやっていて上手になったこと
- 自分でも得意と感じていること
また、情熱を注げることは、時間を忘れて没頭できるようなことです。次の事柄について挙げてみましょう。
- 時間を忘れてやっていること
- どんどん次へ進みたくなること
- やっていて意義や貢献を感じること

参考までに、私の得意なことと情熱を注げることは次のようになります。

得意と情熱が交差したところが、もっとも自分の能力を発揮できる領域になります。
【ワーク3】「誰に」「何を」届けたい? キャリア構築3ステップ
次のワークは視点を変えて、キャリアを考えさせてくれます。あなたは「誰のために」「何を」したいのでしょうか? という視点です。

■ステップ1 好きな活動を書く
まず、普段の活動の中で、比較的楽しくやっている活動(モチベーション活動)を一つ、挙げてみてください。例えば「相談に乗って、アドバイスをする」など。
■ステップ2 対象を選ぶ
次に、相談に乗る対象を誰にしたいのかを考えてみましょう。
例えば、「子ども」「大学生」「社会人」など。子どもが大好きだから子どもが相手だとモチベーションが上がる方もいれば、大人の相談に乗りたい方もいらっしゃるでしょう。
■ステップ3 何をするかを決める
対象が決まったら、その対象に「何」をするのかを決めます。
相談に乗るのが好きな方の場合は、「何について相談に乗りたいか?」を考えます。
キャリアアップ、子どもの教育、家電の選び方、ファッション、上司とのコミュニケーションなど、たくさんあるはずです。自分が得意なこと、好きなことを生かしましょう。

【ワーク4】3か月以内に動く“未来への一歩”を決めよう
自分が何をしたいのか、どんなキャリアを築きたいのかが見えてきたら、迷いが残っていても、デッドラインを決めましょう。頭の中だけで考え続けているよりも、行動に移した方が見えてくるものが大きいのです。

小さな行動で良いのです。ただし、それぞれのアクションには「〇年〇月まで」と締め切りをつけることが重要。「いつかやろう」と思っているだけでは、せっかく見えてきたものも、無駄に終わってしまいます。
ここまでさまざまなワークをしてきて、自分の強みやモチベーションが上がる活動など、さまざまな材料が揃ったと思います。行動を起こすためのアクションプランも決まったところで、ビジョン・ロードマップのキャリアのコーナーにビジョンを書き込んでみてください。
ビジョン・ロードマップが生活の一部になったとき、きっと新しい人生がスタートするはずです。
※本記事は、書籍『描くだけで新しい人生がはじまる ビジョン・ロードマップの法則』より一部抜粋して構成しています。
■「50代からもっと輝く!ビジョン・ロードマップ」をもっと読む■
#1:なりたい自分が見つかる!「ビジョン・ロードマップ」とは
#2:目的を達成できる「ビジョン・ロードマップ」の描き方4つのコツ
#3:「自分を生かす」働き方【タイプ別診断】
もっと詳しく知りたい人は、藤野さんの書籍をチェック!

『描くだけで新しい人生がはじまる ビジョン・ロードマップの法則』(KADOKAWA刊)
「未来の明るいビジョンを持つことは幸福感につながる」という心理学のエビデンスを骨子とし、健康、キャリア、人間関係、お金の4分野において無理のない「人生の目的地」をイメージとして視覚化し、実現させる。それが、ビジョン・ロードマップです。「たった1枚の絵」から、幸福感と充実感に満ちた「新しい人生」が始まる!




