セカンドステージを自分らしく幸せに生きるには?
【実践編】「ビジョン・ロードマップ」を描くコツと失敗しない4つのステップ
【実践編】「ビジョン・ロードマップ」を描くコツと失敗しない4つのステップ
更新日:2025年08月03日
公開日:2025年07月24日
教えてくれたのは、藤野公子(ふじの・きみこ)さん
1955年生まれ。青山学院大学経営学部経営学科卒、ハーバードビジネススクール・エグゼクティブコース修了。現在、琉球大学客員教授のほか、複数の大学での講師役を担い「ビジョン・ロードマップ」は企業研修としても広く採用されている。最新著に『描くだけで新しい人生がはじまる ビジョン・ロードマップの法則』(KADOKAWA刊)
「ビジョン・ロードマップ」全体の見取り図
前回は、なりたい自分像=ビジョンを描く大切さと、それを実現するために有効な手段「ビジョン・ロードマップ」について解説しました。今回は、ビジョン・ロードマップを実際に描くときに欠かせないミッションを考えていきます。
ではビジョンマップとは具体的にどんなものなのでしょうか?
これはSae Kambeさんのビジョン・ロードマップです。とてもわかりやすくまとめてありますね。

ビジョン・ロードマップは、真ん中に楕円のスペースがあり、そこから放射状に4つのスペースに分かれています。
4つのスペースに書き込むのは、キャリア、ライフスタイル、人間関係、お金のビジョン。そして中央上にはミッションを掲げます。
真ん中は、3年後に「なりたい自分」を描くスペース。つい中央のゴール(目的地)から埋めたくなりますが、ここを埋めるのは最後です。
ビジョンより先に、まず「ミッション」を探す理由
さて、中央上の「ミッション」とは何でしょう?
ビジョンとミッションは、実は似て非なるものです。
ビジョンは「人生の目的地」「なりたい自分像」で、自分の内側から湧き上がるもの。対して、ミッションは外側から、社会から受け取る「社会的使命や役割」を意味します。
例えば、環境問題や子どもの貧困問題、差別や若者の自殺など、さまざまな問題が私たちを取り巻いています。日本人の幸福感や自己肯定感が低いのも課題ですね。
そのような問題に対して、自分はどのような役割を果たしていくのか、世の中をよりよくするための行動指針がミッションです。
ミッションとビジョンは、どちらが上とか下とか、そのような概念はありません。ただビジョンを達成するために行動を起こし続けていると、ミッションが強い心の支えになっていることに気付くでしょう。
心の支え「ミッション」の見つけ方
ビジョン・ロードマップも、ミッションを考えるところからスタートします。「えっ、ビジョンの前に、ミッションですか?」と言われそうですが、そうです。ビジョンを描く前に、ミッションに取り組んでもらいたいのです。
自分なりの「ミッション」が何かは、次の2つのワークを通すとおのずと見えてくるはずです。
【ワーク1】ミッションをつくるための第一歩!価値観を5つ選ぶ
さてここから楽しいワークが始まります。たくさんの言葉から、自分が大切にしている言葉、好きな言葉を選んでみましょう。
これは「価値観を見つけるカード」と呼ばれるものですが、その言葉の通り、自分が大切にしたい価値観をあらためて確認する効果があります。
私の場合、「専門性」「信頼」「挑戦」「愛」「貢献」の5つを選びました。
選ぶコツは長く考えすぎないこと。長く考えすぎると大事な直感が鈍って、言葉を絞るのが難しくなってしまうからです。
その言葉が実現されていない状態だと、あなたは幸せだと感じることが難しくなります。反対にその価値が実現された状態、あるいはその方向に向かって進んでいると感じると幸せな気持ちになれます。
【ワーク2】選んだ5つの価値観から“ミッション”を作ろう
次に選んだ5つの言葉でミッションを作っていきましょう。
例えば私の場合、選んだ言葉は「専門性」「自信」「挑戦」「愛」「貢献」。
ミッションは、
「高い専門性と惜しみない愛を結集したビジョン構築法を提供する。
自らの才能を信じ、人生に挑戦する素晴らしさを伝える。
藤野公子の静かな貢献で人々の心に刻まれたい」
コツは、できるだけ短い文章に収めること。最初から感動的で美しい文章にしようとか、あれもこれもと欲張るとかえってうまくいきません。

粗い文章でも、更新ごとに良くなっていきますので、最初は心配せず、短時間で書き上げてみましょう。
ミッションは心に刻まれ、あなたが決断できないときに背中を押してくれます。
ビジョン・ロードマップを作る4つのステップ
ミッションが明確になったところで、ビジョンマップ作りに戻りましょう。ビジョンロードマップは 次のようなステップで作っていきます。
■ステップ1 ミッションを考える
まず、自分のミッションを考えて、ミッションのコーナーに書き込みます。ビジョン・ロードマップは、4つのビジョンが柱ですから、ミッションは柱を支える土台となります。
■ステップ2 自己分析をする
いきなりビジョン・ロードマップを作成するのではなく、簡単な自己分析のワークをしていただきます。なぜなら、自分がどういう人間なのか、本当は何をやりたいのかがわからなければ、マップを作れないからです。
どのような人生を送ってきたのかを振り返り、自分はどのような人間なのかを深掘りする。それからマップの作成に入ります。
■ステップ3 ビジョン・ロードマップを作成する
ステップ2で自分の内面を掘り下げたら、ビジョン・ロードマップを作成してみましょう。ビジョン・ロードマップの4つのビジョンのスペースに、自分なりのビジョンを描いていきます。
■ステップ4 3年後の自分を考える
4つのビジョンを描いたら、最後に真ん中のスペースに3年後自分がどうなっていたいのかをイメージして書き込みます。これは「自分はこうなりたい」という宣言でもあります。
さて、それではいよいよ、ビジョン・ロードマップを作るための旅を始めましょう。それは真っ白なキャンバスに、ワクワクと絵を描くような素敵な体験になるはずです。「あなたの明るい未来は、あなたの手で描く」その高揚感を味わってみてください。
次回の記事では、ビジョン・ロードマップで探る「自分を生かす」働き方【タイプ別診断】を紹介していきます。
※本記事は、書籍『描くだけで新しい人生がはじまる ビジョン・ロードマップの法則』より一部抜粋して構成しています。
■「50代からもっと輝く!ビジョン・ロードマップ」をもっと読む■
#1:なりたい自分が見つかる!「ビジョン・ロードマップ」とは
#2:目的を達成できる「ビジョン・ロードマップ」の描き方4つのコツ
#3:「自分を生かす」働き方【タイプ別診断】
もっと詳しく知りたい人は、藤野さんの書籍をチェック!

『描くだけで新しい人生がはじまる ビジョン・ロードマップの法則』(KADOKAWA刊)
「未来の明るいビジョンを持つことは幸福感につながる」という心理学のエビデンスを骨子とし、健康、キャリア、人間関係、お金の4分野において無理のない「人生の目的地」をイメージとして視覚化し、実現させる。それが、ビジョン・ロードマップです。「たった1枚の絵」から、幸福感と充実感に満ちた「新しい人生」が始まる!




