幸せホルモンが高まる!「ひとり時間=ソロ活」が充実する新習慣9
幸せホルモンが高まる!「ひとり時間=ソロ活」が充実する新習慣9
公開日:2025年10月05日
教えてくれた人:堀田秀吾(ほった・しゅうご)さん
明治大学法学部教授。言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を横断した研究を展開。著書多数。趣味はサーフィン、楽器演奏。
「ひとり時間=ソロ活」は孤独じゃない!自由で楽しい時間
心理学や脳科学に詳しい堀田秀吾さんは、「ひとり時間」とは単なる孤独な時間ではなく、むしろ自由で楽しい時間と捉えるべきと話します。
「英語には、ひとりの状態を表す言葉が2つあります。『ロンリネス』と『ソリチュード』です。ロンリネスの孤独感と違い、ソリチュードは自分の意思で楽しむひとり時間という意味。『とにかく楽しもう!』という積極的な姿勢こそ、真の充実感を生みます」
脳の仕組みを活用すれば、充実感はさらに高められると言う堀田さん。
「まず、ひとり時間と人と関わる時間、活動的な日とのんびりする日など、メリハリのある日々を送ること。そして、物事に完璧さを求め過ぎず、『これでいい』と思えることで、“幸せホルモン”のセロトニンはより分泌されます」
これから紹介する9つの習慣とアイデアを参考に、自分らしい“ソロ活”を見つけてみましょう!
習慣1:小さな目標を立てる
漠然と「ひとりを楽しむ!」を目標とするのではなく、具体的な「小さな目標」を立てましょう。はじめは“一駅分を歩いてみる”のような無理のない目標の設定を。一つずつクリアすることで自信が高まり、充実感を得られます。また目標を達成する過程で、自分が本当にしたいことを見つけることもできるでしょう。
堀田さんが実践:「やることアドベントカレンダー」をつくる
「アドベントカレンダー」とはクリスマスまでの日々を楽しむカレンダー。あのワクワク感を味わうために、普段から明日は映画、明後日は手芸……などメリハリのある予定を考え、カレンダーに書き込みましょう。新しい挑戦も予定に入れると脳が活性化します。
私のソロ活!
・アロマの資格を目指して勉強中!(Y.Kさん 57歳 神奈川県)
「資格の取得」は、明確な目標でとてもいいですね。その目標に向かう過程での学習時間は、充実しているだけでなく、自分の強みや弱みに向き合うことで、自己分析の貴重な機会にもなります。さらに、香りは脳に良い効果をもたらすので、まさに一石二鳥といえるでしょう(堀田さん)
習慣2:達成感を得られることに取り組む
一つ何かを達成できると、それが自信となり、他もうまくいくようになることがあります。心理学で「般化」と言われる現象です。
例えば「髪型をちょっと変えたら、素敵になった!」といった見た目の変化の成功でもOK。習慣1の「小さな目標を立てる」とセットで行い、充実したひとり時間を築く土台としましょう。
私のソロ活!
- 小さな庭で、できる範囲で花を育てています(星野佐代子さん 73歳 岩手県)
- 弾いてみたかったピアノ。少しずつ練習しています(U・Eさん 68歳 広島県)
- 登山が好きで、一人で奥穂高岳を登頂しました!(内山浩子さん 52歳 栃木県)
みなさん、成果や上達がわかりやすいことを楽しんでいるのがいいですね。こういった達成感は、脳の「報酬系」といわれる神経回路を活性化させます。そして、新しい挑戦への意欲を高めたり、学習効率をアップさせたり、人間関係を改善したり、さまざまな側面から人生の質を高めてくれます(堀田さん)
習慣3:日常からちょっと離れる
日常を離れると、心がリセットされ自分と向き合う時間がつくりやすいもの。遠方への旅行はもちろん効果的ですが、近年注目されているのは、「リミナル空間」の活用です。
駅、空港、早朝の街など、日常生活の枠を少し超えたところがリミナル空間です。家の近くでも、少し外に出れば、意外と新しい視点や充実感が得られますよ。
私のソロ活!
- 神社、お寺、美術館巡りが私の楽しみ!(S・Tさん 73歳 愛媛県)
- 車を運転し、買い物、お出掛け、楽しんでいます(K・Kさん 69歳 群馬県)
- 散歩で見つけた公園の花々に癒やされます(Y・Kさん 87歳 東京都)
人は毎日3万5000回以上もの決断をしていて、脳は「決断疲れ」を起こしています。幸福感や生活の質を下げてしまうので、神社、車、公園などリミナル空間で脳をリセットするのはいい習慣です。
週に2~3時間、自然の中に身を置くのも有効です。日常と非日常、そのメリハリをつけましょう(堀田さん)
習慣4:定期的に体を動かす
運動は、一つ一つの動きを規則に従いながらきちんと行います。こういった「考えながら動く」という行為は、頭の中を整理してくれます。
また運動を習慣化することで、前向きな姿勢や集中力、創造性を育む効果も。それにそもそも、心身の健康は充実した時間の基本ですから、定期的な運動は生活習慣に必ず取り入れてみましょう。
私のソロ活!
- 毎日ジムに通って、体を鍛えています(青木幹子さん 78歳 神奈川県)
- 趣味は水泳、ヨガ。動くとスッキリします!(H・Mさん 66歳 栃木県)
- 50歳で始めたフラは生きる張り合い!楽しいから続けられます(斉藤正子さん 70歳 新潟県)
有酸素運動は、幸せホルモンの分泌を促進します。ダンス、ジムでの運動など集団レッスンは、人と交流する楽しさがありながら、いざやるときは自分と向き合えて、とてもいい時間の使い方です。ただ運動はやり過ぎてしまいがちなので、「このくらいでちょうどいい」と思えるほどよい量を心掛けて(堀田さん)
後半では幸福度や自己肯定感が高まるソロ活習慣&アイデアを紹介します!
取材・文=井口桂介、大門恵子、新井理紗(すべてハルメク編集部)
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年3月号を再編集しています。年齢は掲載時のものです。




