【体験談2】未経験から60代で日本語のボランティア講師に挑戦!
【体験談2】未経験から60代で日本語のボランティア講師に挑戦!
更新日:2025年10月04日
公開日:2025年09月19日
職場のベトナム人の勤勉さに心打たれて
世界でも難しい言語といわれている日本語は、母国語話者でなければ習得は容易ではありません。杉谷佳美さんが日本語講師のボランティアに挑戦したきっかけは、職場にいたあるベトナム人でした。
「異国から日本へ来て、生活に慣れるだけでも大変だろうに、その方は仕事の休憩時間も勉強して、一生懸命日本語を話していたんですよね。そんな姿に心を打たれ、『私も応援したい、何かしなくちゃ!』と思い、動かずにはいられませんでした」
勉強は大学のゼミみたいで、大変だけど楽しかった
講師の経験はなかった杉谷さんですが、折よく地域のボランティア講師養成講座の募集があり、思い切って参加を決意。約3か月間みっちりと受けた講座は、想像していたよりずっと大変だったといいます。
「座学よりもグループで課題をやって発表する形式が多く、本業を終えてからみんなで連絡を取り合って課題をやって……。本当に大変で、鍛えられましたね(笑)。でもまるで大学のゼミのようで、終わってみれば楽しかったです」
無事に講座を終えて2024年11月にデビューしましたが、 まだまだ試行錯誤中とのこと。「日本語って難しい、でも面白くて、美しいと改めて気付かされています。生活のために日本語を学びたいという方たちに、少しでも楽しく学んでもらうというのが、今の目標であり、一番のやりがいです」

教本はあるものの、説明を補強するための資料は各々が工夫して制作。どうしたらわかりやすくなるのか、講義を終えた後に受講者の方にヒアリングすることも。「学ぶことばかりです。一緒に講師デビューした同期はまさに“同志”。よく連絡を取り情報交換しています」
やってみたかったピアノにも挑戦。80代の先輩も!

ボランティアと同時期に、杉谷さんがもう一つ挑戦したのが、ピアノです。「昔、息子たちがピアノのレッスンに通っていて、私も一緒に1年は習ったのですが……」
実際の生活は仕事と子育てに忙しくてやめてしまい、やりたい気持ちにふたをしてしまっていたといいます。「でも、漠然といつかまた習ってみたいなと、思っていました」。転機となったのは、60代になってピアノの先生である友人の発表会の手伝いをしたことでした。
「のぞいてみたら、子どもだけじゃなくて大人もたくさんいることに気が付いたんです。話を聞いたら、最高齢では80代の方も習っているというじゃないですか! いつ始めても遅くないんだと、とても勇気をもらいましたね。独学では限界があると思い、『私も習いたい!』と連絡しました」

「実はピアノの先生でもある友人と再会したのは、同じ高校時代の仲間の一人ががんを患い、彼女を励ますためでした。何度もみんなで集まり、ハンドベルの演奏会をしたことも。彼女は亡くなりましたが、集まりは続いています。彼女が遺してくれたご縁です」
へバーデン結節のリハビリにもなっています

「指のケアのためのマッサージはなかなか続かず……でもピアノなら楽しく指の血行をよくできるので、いいリハビリに」
新しいことを一から学ぶ楽しさが、心と体を元気にしてくれる
まだ始めたばかりの杉谷さんですが、いつか弾いてみたい曲があるといいます。「高校時代に野球部の応援で踊った『チキチキバンバン』を、先生と連弾するのが目標。思い出の曲が弾けるようになったらと思うと、わくわくします」
日本語講師のボランティアもピアノも、思い切って始めてよかったと話す杉谷さん。
「実際にやってみて大変なこともあるけれど、それでも新しいことを一から学ぶ楽しさが、今の私の心と体を元気にしてくれていると感じています」
次回は、介護と子育てを終えた60代でひとり旅に挑戦した先輩と、子どもの頃のお稽古を60代からやり直してその奥深さにはまったという先輩が登場します。
取材・文=田島良子、塚本由香(ともにハルメク編集部)、撮影=林ひろし
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年2月号を再編集しています




