心も暮らしもラクに生きる!気にしない新習慣#9
人付き合いストレスを脳科学で解決!気にしない方法6
人付き合いストレスを脳科学で解決!気にしない方法6
更新日:2024年06月17日
公開日:2022年11月16日
教えてくれたのは、柿木隆介(かきぎ・りゅうすけ)さん
自然科学研究機構生理学研究所・教授。順天堂大学医学部・客員教授。国立大学法人総合研究大学院大学・名誉教授。神経内科医、日本神経学会専門医。福岡県出身。九州大学医学部卒業後、ロンドン大学医学部神経研究所を経て、現職。著書に『どうでもいいことで悩まない技術』(文響社刊)、『もう、人づき合いで悩まない技術』(扶桑社刊)など。
脳の仕組みを知ると、くよくよイライラも気にならない

「人間の脳は、理由や理屈がわかると納得して安心できる冷静な機能を持っています。人間関係の悩みに対しても、気の持ちようといった精神論ではなく、脳の仕組みを知ることで、どう行動に移したらいいかがわかり、ラクになっていきます」と話すのは脳科学者の柿木隆介さん。
年齢を重ねると、脳の前頭葉という理性を働かせる部分が衰え、負の感情が起こりがちです。若い世代に比べ、しがらみから解放された大人世代であれば、「人の目を気にせず、負の感情にうまく対処し、自分の人生を楽しく過ごす方法はある」と柿木さんは言います。
ここからは、「不安」「怒り」「後悔」「妬み」「悲しみ」の5つの負の感情にフォーカスし、読者から寄せられた相談に、柿木さんがアドバイス。それら「気にしない」ためのヒントも紹介していきます。今回は「不安」「怒り」について教わります。
60代女性の「不安」についての相談

コロナ禍以来近所の目が気になります。自分が罹って誰かにうつしてはいけないというストレスが大きいです。(65歳・静岡県)
柿木さんのアドバイス

環境の変化にともない、あらゆる情報が駆け巡る日々。それは知らず知らずのうちに脳に負担をかけ、体に変調をきたすこともあります。人類共通の悩みなら、脳科学的にも不安になって当たり前です。
でも人間の脳はすごいもので、何度もストレスにさらされると、自分の意志とは無関係にストレスへの反応を覚え、ストレスに対する忍耐力がついていきます。
前頭葉を働かせる行動をしたり、安心感や自信を得られる行動をとることがおすすめです。
「不安」を気にしないための3つのヒント
「不安」を感じるとき、脳がどうなっているかというと、本能を司る大脳辺縁系という部分が異常に興奮しています。そんなときは、大脳辺縁系のお目付け役、前頭葉の出番。前頭葉を働かせる行動をすればいいのです。
不安を気にしないヒント1:単純作業に没頭!

不安から逃れるには、野菜を切る、編み物をする、パズルを解くといった体や手先を動かす単純作業に没頭するのが効果的。前頭葉が活発に働き、不安に関連する大脳辺縁系の活動が抑えられます。
不安を気にしないヒント2:「大丈夫」など繰り返しつぶやく

不安は自信のなさの裏返しでもあるので、意識して自信を取り戻すことも大切。好きな服を着ておしゃれをしたり、「大丈夫」など特定の言葉を繰り返し自分に言い聞かせたりすると脳が順応し自信がついてきます。
不安を気にしないヒント3:体を締め付けるものをゆるめる、はずす

ストッキングやハイヒール、下着、ベルトなどで体を締め付けることはストレスの要因になるため、不安で押しつぶされそうになったら身に着けているものをゆるめてみて。リラックスしたら不安も減ってくるはず。
60代女性の「怒り」についての相談

夫や友人のちょっとしたひと言に対して、「そんな言い方ないでしょ!」とすぐイライラしてしまいます。(67歳・東京都)
柿木さんのアドバイス
相手のひと言でイラッとするのも脳の働きによるもの。動物は敵に襲われたら怒って攻撃態勢をとります。これが大脳辺縁系の役目。
でも人間は前頭葉が発達したので、3~5秒我慢していると前頭葉が働き、小さな怒りは収まります。ただし、年齢を重ねると前頭葉の働きが弱まり、制御が難しくなります。
我慢し過ぎるのはよくないので、言うべきことは言い、すぐ謝るのもいいでしょう。相手の前頭葉も動き出し、共感が生まれます。
「怒り」を気にしないための3つのヒント
怒りも、不安と同じく大脳辺縁系の働きで、抑えるのは理性を働かせる前頭葉の役目です。前頭葉は急には対応できず、少し時間をおくと活動し始めます。ちょっとイラッとすることなら脳は上手に処理できるようになっています。
怒りを気にしないヒント1:短い深呼吸を3回してみる

イラッとしたときは、大きく息を吸って吐くを数回繰り返しましょう。深い呼吸なら1回でもOK。そうすると、3~5秒はかかり、理性の前頭葉が働き始めます。他にも、数秒、咳をしたりしてもOK。
怒りを気にしないヒント2:怒りを鎮められたら「えらい」と自分を褒める

人は褒められると脳の「報酬系」「快楽中枢」と呼ばれる部分が活動します。怒りを鎮められたら「よくがんばった、えらい」「さすが!」などと自分を褒めると、イラッとするたび、怒り抑制→快感という流れが生まれます。
怒りを気にしないヒント3:紙に書いて気持ちを分析する

怒りが収まらないときは自分の状況、気持ち、推測される相手の気持ちを紙に書いてみましょう。脳の言語野などが働き、大脳辺縁系を抑制できます。感情の泥沼にはまらず客観視でき、次の行動につながります。
次回は、柿木さんに「後悔」「妬み」「悲しみ」についての相談へのアドバイスと、気にしないヒントを教えてもらいます。
取材・文=野田有香(ハルメク編集部) イラストレーション=Meppelstatt
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年7月号の再編集しています。
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なるほどですね。自分で自分の心を分析したり、自分のことを褒めてあげる! なんて考えても見ませんでした。イラっときたらひと呼吸おいてみたいと思いました。