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2024.01.092023年03月13日
家計簿を見直して貯蓄・貯金体質に
貯金ができない原因とは?家計節約術を専門家が解説
お金を貯めたいと思っていても、うまくいかない人が多いもの。そこで当記事では、貯蓄・貯金ができない原因、貯蓄・貯金のために行うべき家計の見直し方や項目別出費の見直し基準、貯蓄・貯金をするために必要なことをご紹介します。
貯蓄・貯金ができない原因とは
貯金や貯蓄があれば、日々のやりくりはもちろん老後の不安も軽減できるでしょう。「少しでもお金を貯めないと」と思う気持ちはあるのに、それでもなかなか貯蓄・貯金ができないのはなぜなのでしょうか? 貯金できない人によくある原因として、次のような3つのことが挙げられます。
貯蓄・貯金ができない原因1:収支を把握していない
「お金が貯まらない……」と嘆いている人の多くに共通するのが、お金の収支を把握していないこと。貯蓄の基本は、収入と支出の金額を把握することです。収入より支出が多ければ赤字になるし、その逆なら黒字となって貯蓄できます。まずは、毎月の収入と支出を洗い出すことから始めてみましょう。
貯蓄・貯金ができない原因2:「お金が余ったら貯金しよう」と考えている
「お金が余ったときに貯金に回そう」と考えていませんか? 「来月はお金がありそうだから、銀行口座に預けよう」「ボーナスが余ったら貯蓄にまわそう」などと考えていると、貯金はできません。また、余ったお金があったとしても、別のショッピングなどにそのお金をあててしまうかもしれません。本気で貯蓄をしたいのなら、貯金用のお金を確保できるような仕組みづくりが大切になります。
貯蓄・貯金ができない原因3:お金を貯める目的が明確ではない
「貯金はたくさんあった方がいい」と誰もが思っているかもしれませんが、ただなんとなく「貯金しよう」というあいまいな目的では、なかなかお金を貯めることは難しいかもしれません。まずはライフプランを作り、いつ、何に、いくらお金が必要なのかを予測し、その上で貯蓄目標を作ることが大切です。「老後資金として〇歳までに1000万円貯める」「子どもの大学資金にあと5年間で500万円貯める」など、具体的なライフプランを実現するための目標と期間を設定する方が、人は貯金がしやすくなるものです。
貯蓄・貯金のためには、家計の見直しから
貯金したくてもお金が貯められない原因を把握したら、次は家計の見直しに着手してみましょう。貯蓄ができない原因でも挙げたように、貯蓄できない人は家計の収支を把握していない人がとても多いのです。そこで、お金を貯める第一歩として、家計の「見える化」を図り、出費の見直しを行うようにしてみましょう。
まずは家計を「見える化」しよう
収支を把握してお金を貯めるには、「家計の見える化」が大事。家計の「見える化」とは、簡単に言えば、家計簿をつけてお金の使い道を把握することです。収入と支出の金額、資産の状況を把握して、さらに支出については住居費、食費などの項目別に洗い出すようにしましょう。
とはいっても、「家計簿をつけることがどうしても苦手で、長続きしない」という人もいるでしょう。そんな人は、きっちりと1円単位で金額を記録するような家計簿ではなく、大まかな家計簿をつけるところから始めてみても構いません。
支出の場合は、1円の端数は切り上げてざっくりと計算。毎日ではなくても数日間お財布にレシートがたまったら、まとめて家計簿につけるようにしてみましょう。面倒と思わずにできる方法で、コツコツと続けていくことが家計簿を継続させるためのポイントです。また家計簿のアプリなどを利用してもよいでしょう。
「見える化」したら、出費の見直しを
家計簿をつけて家計の「見える化」を進めると、やがて家計で多くお金を使っている部分や無駄な部分が見えてきます。「我が家は食費の割合が多い」や「交際費にこんなにお金を使っていた」というように、自分では気付かなかったことも見えるようになります。こうすることで家計の改善につなげていくことができるようになるのです。
項目別出費の見直し基準
家計簿をつけて家計の「見える化」を行ったら、次は出費の見直しに取りかかりましょう。まずは固定費から見直すのがセオリーです。固定費は一度見直せばその後もずっと削減効果が得られることになり、小さな節約でも大きな効果を生み出します。それでは、次の項目ごとに、出費を見直す基準についてチェックしていきましょう。
住居費
家計の支出の中で大きな割合を占めるのが、家賃やローン返済などの住居費です。住居費は毎月必ずその金額がかかる固定費のため、これを見直すことができれば家計もぐっとスリムになります。
理想的な住居費用は、収入(手取り額)の25%以内。あくまで目安ですが、手取りが50万円の家庭なら、家賃やローン返済は50万円×25%=12万5000円以内が望ましい計算になります。しかし、東京などの首都圏は家賃相場が高いため、25~30%までを許容範囲として考えてもいいでしょう。
この目安となる基準以上の住居費用がかかっていたら、引っ越しを考えてみてもいいかもしれません。また、マイホームを購入した家庭では簡単に住居を変えることは難しいので、住宅ローンを組んだときより現在の金利の方が下がっているのなら、ローンの借り換えで毎月の返済額を下げられるかもしれません。ただし、引っ越しでもローンの借り換えでも、諸費用がかかるため、諸費用を含めた上で得になるかどうかを判断することが大切です。この諸費用を含めて借り換えメリットがあるかどうかをWEB上でシミュレーションできる銀行のホームページもあります。
保険料
生命保険、火災保険、自動車保険など、各種保険に支払う金額が保険料です。保険料は、一度契約するとそのまま支払い続けている家庭が多いようですが、家計に見合わないプランを契約して、ムダな保険料を払っている場合もあるかもしれません。保険料も生涯で数百万円も支払うことになる大きな出費です。まずは、今加入している保険は何のために加入しているのか、本当に必要な保険なのかを再度確認することが大切です。よく考えてみたらこの保険は不要だった、なんてこともあるかもしれません。
また、死亡保険はここ数年の間に保険料率が改定されていますし、非喫煙者や健康診断の結果が所定の基準を満たす場合は、見直すことによって保険料を下げることができるかもしれません。さらに、必要保障額を超えて死亡保険に入り過ぎていないかチェック、自動車保険もネットで比較して見直し余地がないかどうか検討しましょう。
通信料
携帯電話やインターネットなどの通信費も毎月固定費としてかかってきます。毎月その金額を支払うことになるので、支出を見直すときは通信費にもぜひ着目したいところ。現在は、月額料金の低い格安スマホも多く、家族で一緒に入ると割引になるプランなどもあります。家族の生活スタイルや携帯電話の使い方に合わせて、通話料やインターネット利用料などの見直しも行ってみましょう。
光熱費
そして電気・ガスなどの光熱費も、金額は変動するものの自動的に引き落とされる費目なので固定費として考えます。電気・ガスの自由化によって、使い方は同じでも支払い先をまとめるだけで安くなる可能性があります。比較サイトを活用すれば手軽に見直し効果を予測できます。
食費
固定費を削ったら、最後にやりくり費の管理です。家計の支出でも、食費の割合は大きいもの。食費は家族の人数や、どんな食生活をしているのかによって、各家庭で異なるでしょう。子ども2人の4人家族なら、収入に対する食費の割合は15%前後にしておきたいもの。もしもそれ以上の食費がかかっているのなら、外食費が多くないか振り返ってみるのもいいでしょう。また、毎日の献立を計画的に作ることで食材の買い出し費用を抑えるなど、できるところから食費の削減を行ってみることをおすすめします。
交際費
月によって支払い金額が変わる変動費に含まれるのが、前述した食費と交際費です。友人とのランチの他、ご祝儀やお中元、お歳暮などにかかるお金が交際費に該当します。交際費の金額はその人のライフスタイルによって大きく異なります。例えば、これまで交際費に毎月5万円かかっていたことがわかったら、「翌月からは4万円にしよう」など、パートナーや家族と目標を立ててみるようにしましょう。
おすすめの貯蓄・貯金方法は、先取貯蓄
家計を「見える化」して項目別の出費を見直したら、少しずつお金に余裕が出てくるはずです。ぜひそれらを貯蓄にまわしていきましょう。
「これまでは、貯蓄したくてもお金を貯められなかった」という人におすすめしたい貯蓄方法は、先取貯蓄です。給料が振り込まれる口座から、給料の入金と同じまたは近いタイミングで、積立貯金をするのです。こうすることで、貯金用のお金を差し引いた金額を生活費として使用することができるのです。貯金するときは、ぜひ貯金の目的と目標額を設定して、毎月コツコツと貯めていくようにしましょう。
無理のない貯蓄を心掛けましょう
支出の見直しは固定費から。でも、家計を引き締め、貯金をがんばろうと思って変動費(やりくり費)を無理に切り詰めると、きっと長く続かないでしょう。貯蓄は、無理なくできる範囲で行うのが大切。家計簿をつけて、「この項目は少し我慢した方がいいかな」と自分で思えたら、そこから目標額を設定してみましょう。無理なく少しずつ貯めるのが貯蓄のコツということを、ぜひ忘れないようにしましょう。
【記事監修者】
小川 貴行(おがわ たかゆき)
CFP®認定者、日本証券アナリスト協会認定アナリスト
愛知県出身。関西学院大学商学部を卒業後、証券会社・生命保険会社を経て現在は家計の見直し相談センターで家計・資産運用・保障のコンサルティング、講演などに従事。
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