今月のおすすめエッセー「庭づくり」富山芳子さん
2024.12.312022年08月02日
通信制 山本ふみこさんのエッセー講座第4期第4回
エッセー作品「さよならコインランドリー」やさいさん
随筆家の山本ふみこさんを講師に迎えて開催するハルメクの通信制エッセー講座。参加者の作品から山本さんが選んだエッセーをご紹介します。 今月の作品のテーマは「憂鬱」です。やさいさんの作品「さよならコインランドリー」と山本さんの講評です。
さよならコインランドリー
今日は、朝から雨が降ってる。
週間天気予報では今日から3日間ずっと雨らしい。
イヤだなー。
1日雨だっていうのも
ずっと続くっていうのも
何か憂鬱になる。
同居の姑は、天気予報が雨でも雨が降ってなければ洗濯モノを少しでも日に干す。
乾けば取り込んで畳んでくれてしまっておいてくれる。
ホントにありがたい。
でも、雨だとわたしが洗濯モノをコインランドリーに持っていかないといけない。
家族が帰ってくるまでには乾かして家にいたい。
コインランドリーでは40分間かけないと完全に乾かない(10分間100円)。
Gパンなどの厚手の服は乾きにくいし、あえて持っていかない。
コインランドリーまでは車で5分くらいの距離。空いてれば直ぐに使える。
全部使用中だとしばらく待つ。一旦帰るならスイッチを入れてからの40分後にまた行くってことになる。
その手間を省きたいから帰らないで待っている。
ココは漫画や雑誌が置いてあり読んでると40分は直ぐにたつ。
実は洗濯モノを畳むのはけっこう好き (日に干した洗濯モノを畳む方がもっと好き、ニオイと肌触りが違う) 。
乾いた温かい洗濯モノをコインランドリー内の洗濯台で畳む。
化繊の服は静電気ではりつく。
コレは夫のTシャツだー。とか息子達のパンツを見てゴムがだいぶくたびれてきたな、ゆるいだろうなー。姑はコレ最近買ったのかなー、新品っぽいな。 と思いながらすすめる。
姑と夫の服は畳み方をかえる。
畳み終えるとカゴに入れる。
雨で濡れてもいいようにわたしの服をいちばん上にのせる。
家族それぞれのパンツは真ん中にする。
どうでもいいわたしのこだわり。
このトキしか好きな洗濯モノ畳みはできない。
あれ?コインランドリーに行くのが憂鬱じゃなかったの?
でも、行くコトが無くなった。
先月、洗濯機が壊れてしまい姑が新しく購入した。
それから乾燥機能もついているソレで乾かしている。何か3時間くらいかかるみたいで
「電気代が高つくけどよろしくね」
だって。
10分100円✕4が回数分の方が安くないか??
山本ふみこさんからひとこと
とにかくこの作品を、皆さんにゆったり味わっていただきたいと思います。
「憂鬱」を反転させてしまう腕前に、くらっとしました。ときめきました。
通信制 山本ふみこさんのエッセー講座とは
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回出されるテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けられます。講座の受講期間は半年間。
2022年8月からは第5期の講座を開講します(募集は終了しました)。次回第6期の参加者の募集は、2022年12月を予定しています。詳しくは雑誌「ハルメク」2023年1月号の誌上とハルメク365WEBサイトのページをご覧ください。
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