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- 【6】セカンドパートナーの沼!既婚者アプリ開始
55歳ユミの恋愛ルポ第6話。最近耳にすることが増えた「セカンドパートナー」という関係。不倫とは違うと言いつつ…ハマってしまう人も多い。夫との喧嘩をきっかけに勢いで「既婚者マッチングアプリ」を始めてみたら…あっと言う間にマッチした。
前回までのあらすじ
前回の話はコチラから。ユミ(55歳)の恋愛談を紹介しよう。姉にコンプレックスを抱きながら育ったせいで、自己肯定感が低い性格となってしまったユミ。
バブル崩壊後に会社で出会った夫と結婚したものの……妊娠中に浮気され、心を閉ざしながらも母親業にいそしむ日々が続いていた。
夫の愚痴を聞いてくれるパート仲間・ハルカがハマっているという「既婚者マッチングアプリ」だが、自分には無関係なものと思ってた。
夫とのすれ違い、言い合いの果てに
翌日、パートが休みだったため、家事を終えリビングのソファに腰を下ろすと、ひどく虚しい気持ちが湧き上がってきた。その日の朝も、夫と嫌味を言い合ってしまったからだ。
「夫が玄関の隅を見て『またゴミが溜まっている』なんて言うんですよ。朝っぱらからそんなことネチネチ言わなくてもいいのに。思わず、『私も忙しいんだから、あなたが掃除してくれてもいいんだけどね』と言い返したら、『お前なんて毎日ヒマだろ』って。
夫の顔には、まさに“うんざり”と書いてありました。私だってうんざりですけどね。それでつい、『あなたも前の仕事よりずっとヒマでしょ』なんて、致命傷になりそうな言葉を投げちゃったんです。お互いに虫の居所が悪かったんでしょうね」
「既婚者マッチングアプリ」という小さな冒険
そう振り返るユミさんは、ソファでぼんやりとスマホをいじりながら、ふとパート仲間のハルカさんに勧められた「既婚者向けマッチングアプリ」のことを思い出した。
ムシャクシャした気分を変えたい一心で、「物は試しだ」と言い聞かせつつ、ハルカさんがLINEで送ってくれたURLを開いてみる。覗くだけだから……と自分に言い訳しながら、いつの間にかユミさんは簡単な会員登録を済ませてしまっていた。
ちょっと怖かったので、名前は偽名を使い、プロフィールもぼかして記載。写真には以前撮った花の写真を選んだ。
「同年代の男友達が欲しいと思ったんです。でもアプリを開いてみたら、ものすごい数の男性が登録していて驚きました。しかも、どこにでもいそうな『普通っぽい人』ばかり。『お茶や食事でもしながら日常のたわいない話をしませんか』なんて書いている人もいて、少し興味を惹かれました」
私を求めてくれる人がいる!運命が動き出す瞬間
その後、借りていた本を返しに図書館へ行き、スーパーに寄って帰宅。夕方になり、ふと思い出して既婚者マッチングアプリを開いてみると、なんと5件以上の友達申請メッセージが届いていた。
「そのときの驚きといったら……急にアドレナリンが出たみたいで、気分が舞い上がりましたね」と、ユミさんは当時のことを振り返る。「自分に興味を持ってくれる男性がこんなにもいるなんて。それが、あの頃の私にとっては、ある意味救いだったんです」
しかし、すぐに気を引き締めた。
「落ち着け、落ち着けと自分に言い聞かせて(笑)。だって、変な人もいるかもしれないし、だまされたら大変ですから。マッチング申請をくれた人たちのプロフィールをじっくり読みましたが、変な人はいなそうでした。それどころか、顔写真を載せているちょっとイケメン風な人もいました」
ひと通り確認した後、感じがよさそうな人はすべてOKすることにした。そのうちの一人からは、すぐに返信が届いた。
ドキドキが止まらない、新たな出会いの予兆
ドキドキしながらメッセージを開くと、こう書いてあった。
「同年代の友達が欲しかったので、優しそうな人とマッチできてよかったです! いろんな話をして、仲良くなれたらうれしいです!」
ユミさんと同じ気持ちの男性が、ここにいたのだ。普段は友達とのLINEやメールのやりとりもあまりない生活を送っていたユミさんだったが、この日を境に、スマートフォンが手放せない生活へと変わっていくのだった。
- (次回予定)【第7話】初めて…既婚者マッチングアプリで会ってみた
- 【全話読む】55歳ユミの場合。主婦が溺れた「セカンドパートナー」という沼
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