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- あなたの脳の元気度診断!脳にいい生活習慣も解説
3食、献立を考えるのが面倒になった……。もしかして、軽度認知障害予備群に進む可能性かも!? まずは今の「脳の元気度」を診断してみましょう。初期なら生活習慣や脳トレで脳を刺激することで、回復も可能。脳にいい10の生活習慣も併せて解説します。
脳の元気がなくなると…軽度認知障害に進む!?
朝田さんによると、脳疲労や自粛生活によって社会との接触が減ることで脳が運動不足な状態が続くと、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)に進む可能性があるとのこと。
「自分が出席した孫の結婚式自体を忘れてしまうのは認知症。いつのことだったか思い出せないのは認知機能の低下で、誰にでもあることです。もし軽度認知障害(MCI)と診断されても、初期なら生活習慣や脳トレで脳を刺激することで回復させられます」と朝田さんは言います。
今の脳の元気度診断!
まずは今の脳の元気度をチェックしましょう。こんな変化は出ていませんか?当てはまる項目を数えてください。
- 好きなテレビ番組などが面白くなくなった
- あまりメイクをしなくなった
- 部屋着のまま出掛けてしまう
- 3食、献立を考えるのが面倒になった
- 掃除の回数が減った
- お風呂に入るのがおっくうになった
- 「なんだかイライラしている」と言われる
- 続けていた趣味をしなくなった
- ほとんど外を歩かなくなった
- 持っているのと同じ本を買ってしまった
判定!あなたの脳の元気度は?
・0個……脳は元気です!
・1~4個……脳が疲れていて運動不足です
・5個以上……軽度認知障害(MCI)予備群に進む可能性があります
当てはまる項目があった人は、今日から脳にいい生活習慣を取り入れるのがおすすめです。当てはまらなかった人も、ますます脳を元気にするためにぜひチェックしてみてください!
すぐできる!脳にいい10の生活習慣
朝田さんは、軽度認知障害(MCI)と診断される前の段階を「認知症グレーゾーン」と呼んでいます。運動習慣がない、社会的交流がない、食生活が乱れている、生活習慣病や歯周病、睡眠障害、視力障害がある人は、脳が疲れやすく、グレーゾーンに進みやすくなります。
「逆に言えば、年齢による多少の認知機能の低下が見られても、このような状態を改善する生活習慣によってリスクを減らせます」と朝田さん。
どれもすぐにできることばかりなので、心掛けてみましょう。
1:30分以内の昼寝を習慣化しましょう
早寝早起きで毎日15時までに30分以内の昼寝をしている人は、認知症のリスクが5分の1になるデータがあります。ただし、15時以降や30分を超える昼寝は、むしろリスクを高めるので注意が必要です。
2:3つの要素でメモを取りましょう
加齢により、記憶力と注意力はどうしても低下します。「いつ、どこで、何を」の3つの要素を都度、手帳にメモすることで補いましょう。どこに書いたか忘れるのを防ぐため、手帳は1冊に決め、常に携帯することが大切です。
3:メガネの度を定期的にチェックしましょう
視力が低下すると脳へ送られる情報が減り、注意力などが低下します。また、視力の低下で認知症リスクが高まるデータもあります。定期的に目の健康状態と視力をチェックしたり、自分に合ったメガネを使ったりするようにしましょう。
4:背すじ伸ばし体操をしましょう
運動不足が気になるなら「背すじ伸ばし体操」を始めてみましょう。(1)壁につかまり爪先で立ち、(2)天井を見上げてゆっくり3つ数えたら、(3)かかとを下ろし、顔を正面に戻す。これを10回ほど繰り返すだけで、姿勢が良くなり、運動機能を維持して脳の疲れを取ります。
5:歯の状態を定期的にチェックしましょう
歯の本数が少ないと噛む力が弱まり、栄養状態が悪くなって、脳への刺激も減り、認知症リスクが高まります。歯周病とアルツハイマー病の関連もわかっています。定期的に歯や歯茎を検査しましょう。
6:一つだけ新しいことを始めましょう
新しいことを始めて、脳に刺激を与えましょう。背すじ伸ばし体操でも、この後紹介するウォーキングでもOK。ただし、一つだけにして習慣化することが大切。あれこれ手を出して挫折するのは逆効果です。
7:「まごたちはやさしい」で体のバランスをキープ
「まごたちはやさしい」は、ま=豆類、ご=ゴマ、た=卵、ち=乳製品、は(わ)=ワカメなど海藻類、や=野菜、さ=魚、し=シイタケなどキノコ類、い=イモ類の頭文字で、健康維持に役立つ食品の覚え方です。どれかに偏るのではなく、これらを毎日バランスよく取ることが、脳の活性化につながります。
8:「さしすせそ」で人を褒めましょう
「さすが」「知らなかった」「すごい」「せっかくなので」「そうなんですか」と、「さしすせそ」で始まる言葉を使って、身近な人を褒める習慣をつけましょう。お互いに気持ちよくなり、生き生きと、脳がよみがえります。
9:インターバルウォーキングをしてみましょう
長続きさせるため、友人や家族と一緒に始めてみましょう。初めは話しながらゆっくり、体が温まってきたら会話ができないくらいまで徐々にスピードを上げます。1分半ほど歩いたら、またペースを落として全部で10分くらい、2日に1回でOKです。
10:適度に脳のトレーニングをしましょう
刺激が少ないのは、いわば脳が運動不足になっている状態。記憶力や注意力など、脳のさまざまな機能を刺激する簡単なトレーニングを行いましょう。楽しみながら気楽に取り組めるものがおすすめです。
脳を鍛えてもの忘れ&認知症を防ぐ特集全6回。次回からは、楽しく気軽にできる脳トレクイズを出題していきます。全問正解目指して、ぜひチャレンジしてみてください。
医師・朝田隆(あさだ・たかし)さんのプロフィール
メモリークリニックお茶の水 院長・理事長。東京医科歯科大学特任教授。筑波大学名誉教授。専門はアルツハイマー病の臨床、認知症の早期診断法・予防。著書に『認知症グレーゾーン』(青春出版社刊)など多数。
取材・文=原田浩二(ハルメク編集部) 撮影=鈴木愛子(朝田さん) イラストレーション=佐藤拓人
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年4月号を再編集、掲載しています
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