認知症になりやすい人の特徴は?12の発症リスク
2024.08.082024年08月08日
もう三日坊主で終わらない!
脳トレを楽しく続ける方法5選 無料で始める工夫も
脳トレは長く続けることが大事ですが、三日坊主で終わってしまったり、脳トレの本を買っても積んだままだったりという人も多いのではないでしょうか?そこで日々の暮らしの中で、誰でも無理なく続けられる脳トレのヒントや方法をご紹介します。
脳トレは、続けることで効果が期待されます
「脳トレ(脳トレーニングゲーム)」は、脳の働きを刺激して血流を良くし、記憶力や判断力などを向上させ、認知機能の低下を防ぐ効果があると考えられています。また脳トレによるストレス発散効果や、他者とのコミュニケーションがやる気や意欲を高め、さらなる脳力向上の効果も期待されています。
そして脳トレで大切なのは、長く続けること。難しいトレーニングを短い期間に挑戦するより、簡単な脳トレを日常的に継続して行う方が効果が認められています。運動と同じで、脳トレも習慣化がカギです。
でも頭では分かっていても、なかなか続けられないという人も多いはず。ただ脳トレは決して特別なことではありません。いつも行っていることを、ほんの少し変えるだけで脳の活性化につながります。
<1>いつもやっていることが、脳トレになります
適度な運動は、手足の筋肉を動かすことで体はもちろん、脳への血流も促して脳の働きを活性化させます。とはいえ、運動習慣のない人がいきなりスポーツに挑戦するのはハードルが高いので、日常生活でいつも行っている動作にひと工夫してみましょう。
例えば、毎日行う歯磨き。歯ブラシを、利き手と反対の手に持って行ってみてください。歯ブラシの持ち方や指や手首の動かし方、力加減にいたるまで、普段何気なく行っている歯磨きが、思った以上に難しいことに驚くのではないでしょうか。でも、すぐに「やりにくいから」と利き手に持ち替えるのではなく、そのまま続けてみましょう。普段やらない動作一つひとつが、運動をつかさどる脳細胞を刺激してくれるからです。
また、いつもの習慣にプラスアルファしてみるのもお勧めです。例えば散歩を習慣にしている人なら、道路を走る車のナンバーで足し算にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。普通の足し算なんて簡単だという人も、動いている車を目で追いながらの計算はなかなか難しいものですし、ゲーム感覚で楽しめます。
<2>好きなことを、楽しく続けてみましょう
人は、好きなことや得意なことなら積極的に取り組めますし、長続きします。囲碁や将棋、麻雀といったテーブルゲームが好きなら、友達を誘ってワイワイやると盛り上がりますし、コミュニケーションも活発になって脳が活性化します。
また、いつでもすぐに取り組める数独やクロスワードパズル、ジグソーパズル、また水彩画や大人の塗り絵などもお勧めです。一人で集中して取り組むことで頭がよく働きますし、同時に無心になれることで脳のリラックス効果が期待できます。同じように文字を書くことが好きなら、写経や、お気に入りのエッセイや小説の一文、新聞のコラムなどの文章を書き写してみるのも良いですね。楽器を使った音楽が趣味という人は、ピアノやヴァイオリンなどを奏でたり、仲間と呼吸を合わせて合奏したりするのも、脳トレとして効果的です。
もしそのような趣味や特技はないという人も、「これなら続けられそう」と思えることを探して、いろいろ試してみましょう。あれこれ試行錯誤することも、これまで経験したことのないことへの挑戦することそのものが脳トレになります。
<3>実益も兼ねられる、検定に挑戦してみましょう
もし英検(実用英語技能検定)やTOEICなど、気になる検定があればチャレンジしてみましょう。過去に勉強したことのある検定なら再挑戦しやすいはずです。外国語学習は記憶力が鍛えられ、日常生活であまり使われない脳細胞を活性化させるともいわれます。さらに2つ以上の言葉を話す人は、高齢になっても脳が衰えにくい※といわれ、うれしいことに年齢を重ねてから学習に取り組んだ人にも同じことがいえるそうです。
こうした本格的な検定以外にも、最近は趣味を兼ねた検定もたくさんあることをご存じでしょうか。例えば国内外に1千カ所以上ある世界遺産を知る「世界遺産検定」は、旅行や歴史が好きな人なら知的好奇心を刺激され、楽しく学べるでしょう。また、日頃使っていることわざの成り立ちや意味を学び直す「ことわざ検定」や、日本各地の温泉の効能や入浴方法を学べる「温泉ソムリエ」といった、ユニークな検定も人気です。
大切なのは、知的好奇心を持ち続けることです。学べば学ぶほど、知らないことが増えていくものです。自身の興味をどんどん深掘りすることで、知的好奇心も育まれます。
※「Does bilingualism influence cognitive aging?」『Annals of Neurology』(2014年)より
<4>手軽に脳トレするなら、スマートフォンが便利です
スマホ(スマートフォン)があれば、「脳トレアプリ」を利用するのも手です。平仮名や漢字を使って一つの単語を作る単語パズルや、図形や数字を使ったパズルゲーム、漢字を書くアプリなど、今は、バラエティに富んだ人気のアプリが無料でダウンロードできます。気になった脳トレアプリがあれば、チャレンジしてみましょう。
またスマホや家庭用ゲーム機を使ったゲームで遊ぶことも、脳の活性化はもちろん、指の運動に効果的です。特に対戦型でライバルとの勝ち負けを競うゲームなら、脳もフル回転して脳内の血流も活発になります。
スマホを利用した脳トレのポイントは、のめり込み過ぎない程度に楽しむことです。のめり込み過ぎると脳にストレスがかかってしまい、返ってそれが認知症のリスクになるからです。適度に楽しむことで脳に負荷もかからず、長続きできます。
<5>計画したり想像したりするのも立派な脳トレです
まだ体験していない物事を想像したり具体的に計画を立てたりする行為は、とても頭を使うものです。
例えば旅行です。団体旅行に参加してあちこち訪ね歩くのも良いですが、自分自身が「行ってみたい」と思うスポットを、好きに巡る計画を立ててみてはいかがでしょうか。まだ行ったことのない土地なら、ガイドブックやインターネットで調べたり、行ったことのある友人や知り合いから話を聞いたりして情報を集めます。そして限られた期間で何をしたいか、自分が行ってみたい場所や、やってみたいことを整理して計画するのです。
旅行に行けないという人なら、自宅のクローゼットの中を見渡してみましょう。かかっている服でいつもと違う組み合わせを考えてみたり、どんなアイテムをプラスしたらいつもと違う雰囲気を演出できるか想像したりしてみましょう。またいつものお料理作りも、あらかじめ材料をそろえて調理に移るのではなく、いま冷蔵庫にある材料だけで調理に挑戦してみましょう。「これを使ってスープにして、あれとこれで蒸し料理に」などと想像力を働かせ、考え判断することは、とても良い脳トレになります。
脳トレを習慣化して、早い時期から認知機能改善に取り組みましょう
人の脳は、ある日急に健常な状態から認知症に移行するわけではありません。健常な状態と認知症の中間には、MCI(軽度認知障害)と呼ばれる段階があります。認知症は「一人暮らしが困難なほど認知機能が低下した状態」という定義がありますが、MCIは、認知機能の低下を感じるが、「日常生活を正常に送ることができる状態」です。
例えば、前の日の昼食が思い出せなかったり、仕事上のミスが増えたりといった記憶や物事の判断などを行う機能にいくらかの低下が見られるものの、生活に支障をきたすほどではありません。これまで通りの生活を営むことが可能です。
このMCIの段階から症状が進むと認知症を発症するわけですが、早期に対策すれば発症を遅らせたり、認知機能を維持させたり、あるいは年相応の正常レベルに回復させることができる方もいます。その対策の例が、適度な運動とバランスの良い食事、そしてご紹介してきた脳トレです。
今のうちに、意識して脳トレなどの認知機能を維持する行動を習慣化し、日頃から脳を活性化させる行動を続けて、年齢を重ねても健やかで豊かな生活を送りましょう。
(参考文献)
「あたまとからだを元気にする MCIハンドブック」厚生労働省(2022年)
「Does bilingualism influence cognitive aging?」『Annals of Neurology』(2014年)
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