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- 女優・安田成美!東日本大震災を忘れない為にできる事
女優・安田成美さんの最新作映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)。東日本大震災で起こった福島第一原発事故をテーマとした映画への思いと、撮影裏話などのお話を伺いました。
女優として「事実を伝えたい」と強く思って即決した作品
いつも朗らかな笑顔をたたえて、優しさで包み込む女優・安田成美さん。若い頃から第一線で活躍しながら、結婚、出産を経て、今もなお多くの作品で活躍しています。
そんな安田成美さんの最新作が映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)(2020年3月6日公開)。この映画の裏話に加え、女優としての生き方、ライフスタイルについてなどを伺いました。
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2011年3月11日。東日本大震災で起こった福島第一原発事故の際、放射性物質から日本を守るために命懸けで闘った人々を描いた映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)。
この作品で紅一点として活躍するのが、緊急時対策室総務班の浅野真理を演じる安田成美さん。
津波の映像、流されていく家屋、原発の危機……。当時が生々しく思い出される映像の中で、安田さんは何を思いながら演じていたのでしょうか。本作への思いをまずお話ししていただきました。
―映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)は、東日本大震災の当時、報道では見ることができなかった福島原発の内部を描いており、胸が痛くなりました。
福島第一原発所長(渡辺謙)はじめ、現場のみなさんが命懸けで日本を守ろうと必死な中、安田さんは、スタッフを懸命にサポートする役を演じられていましたが、この映画への出演について教えてください。
安田成美
私がこの映画の出演を引き受けたのは、ここに描かれていることが事実に即しているからです。もしもこの映画の物語に、事実ではない別な視点が入っていたら出演していなかったと思います。
東日本大震災のとき、ボランティアなどに参加できなかったので、女優としてできることは、この映画に出演して事実を伝えることではないかと思いました。だからお話しいただいたときは即決でした。
―この映画に出演され、原作や脚本を通して知ったことがあると思いますが、福島原発の事故当時の認識とはだいぶ違いましたか?
安田成美
あの当時はテレビでニュースを見ながら、「大丈夫なの?どうなっているの?」と疑問ばかりで、原発内部で起こっていることもどこまで真実かわからなくて、不安な気持ちでいっぱいでした。
でもこの映画に出演して、福島第一原発の方たちが120%の力で放射性物質を止めようとしていたということがわかり、本当に感動しました。
緊迫するシーンの連続の中、癒やしは休憩中にする編み物
―浅野真理さんのモデルになった女性がいるようですが、お会いできたのでしょうか?
安田成美
実際にはお会いできなかったんですよ……。でもいただいた資料を読んで、ほとんど男性という現場の中で、彼女はお母さんみたいな存在だったようです。
何より、彼女も含めて、現場にいた方たちが、あの大変な状況を普通に受け止めているのがすごいと思いました。
「なんで私はこんな大変な場所にいるのだろう」と思うのではなく「勤務先で起こったことだから、自分たちがやるんだ!」という気持ちにスッと入れるという、奉仕の気持ちが当たり前にある方たちなんですね。本当によく逃げずに立ち向かってくださったと思います。
―映画はずっと緊迫したシーンの連続ですが、現場はどうでしたか?
安田成美
私が撮影に入ったときは、もうかなり進んでいて、キャストの結束力も高まっていました。
だから「ついて行けるかな」と不安もありましたが、現場では津波の映像が流れていて、キャストのみなさんも撮影現場では緊張感を途切れさせずに演技しましたし、衣装の作業着を着ると、私もその気持ちにスッと入っていけました。
でもずっと緊張していたわけではなく、みなさん、撮影現場を離れるとリラックスして談笑されていましたし、私も休憩中に編み物したりしていたんですよ(笑)。
3.11を忘れないためにも「絶対に見て!」と言い続けている
―完成した映画を見た感想と周りの評判はいかがでしょう。
安田成美
完成した映画はすごく心に響きました。映像のインパクトも強烈で、記憶に残る作品になったと思います。
私は自分の出演作でこれほど人に「絶対に見てください!」と強くアピールしたことはないかもしれません。
これまでも素晴らしい作品に関わってきて、どれも自信作なのですが、もともとオシが強くないのか「よかったら見てくださいね!」というスタンスだったんです。
でもこの映画に限っては、いろんなところで「見て、見なくちゃダメだから!」と言い続けています(笑)
やはり2011年3月11日の東日本大震災をみなさんが経験しているので、この映画はいろんな方に衝撃を与えると思います。まだまだ完全復興ではないし、みんなでサポートし続ける必要性を感じています。
忘れないためにも、多くの方にこの映画を見ていただいて、福島に思いを寄せていただきたいと思います。
■作品情報
『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)(2020年3月6日公開)
監督:若松節朗
出演:佐藤浩市、渡辺謙、吉岡秀隆、安田成美、緒形直人、火野正平、萩原聖人ほか
(C)2020『Fukushima 50』製作委員会
取材・文=斎藤香 写真=窪徳健作 編集=鳥居史(ハルメクWEB)
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