- ハルメク365トップ
- 連載
- 編集部コラム
- ハルメクイベントエッセー講座作品集
- エッセー作品「深夜放送」宮脇洋子さん
随筆家の山本ふみこさんを講師に迎えて開催するハルメクの通信制エッセー講座。参加者の作品から山本さんが選んだエッセーをご紹介します。 今月の作品のテーマは「オススメ」です。宮脇洋子さんの作品「深夜放送」と山本さんの講評です。
深夜放送
いつの頃からか、夜中に2度、3度と目覚めるのが当たり前になっていた。
そんなある日、枕元にラジオを置くことにした。
深夜に目が覚めたとき、ラジオのスイッチを入れてみた。
昭和の時代の懐かしい歌謡曲が流れている。
何曲か聞いたが、気がつくと朝方になっていた。枕元では、ラジオの音が流れているにも関わらず、知らぬ間に寝入っていたのだ。
それからというもの、夜中に目が覚めると、私の手は、ラジオのスイッチに伸びる。
深夜の2時台には、ヴィンテージロック、3時台には、昭和の歌謡曲、時にはクラシックやジャズ、民謡も流れる。それらのどれも、聞き慣れた曲が多くて、懐かしい。歌謡曲などは、母がよく台所で口ずさんでいたので、聞き覚えのある大正時代の曲まで流れている。
4時台ともなれば、いろんなジャンルで輝いた生き方をしている人と、ラジオのディレクターさんとの軽快なトーク番組が楽しい。
でも、たいてい番組の最後までは聞いていないし、そんな日は当然、1時間程の朝寝坊だ。
思春期のころにテレビが普及し始めて以来、家にはずっとテレビの画像が流れていた。
ラジオといえば、幼い日に音声の悪いスピーカーから流れるドラマや音楽に、耳を近づけて聞いていた記憶があるが、テレビが普及すると同時に私の中で、長年ラジオの存在は消えていた。
以前、かなり年上の友人が、「深夜のラジオが面白いよ!」
と言ったことが頭の片隅に残っていたのだろう。
読書家の彼女は、夜寝るのが惜しいと言って睡眠時間の短いことを、当時の私は内心、心配していたことも思い出した。
先日、「夜、眠れないのよ」と言う友達にラジオの深夜放送を勧めてみたが、さて。
山本ふみこさんからひとこと
ラジオが大好きです。共感しつつ、はずんで読みました。深夜放送への誘いとしても、優しく、頼もしく。
眠れないことを悩みだけでなく、新しい道をつくってゆく感覚。この感覚はものを書くときの道導(みちしるべ)となります。
一見芳(かんば)しくない事ごとの見方、受けとめ方を変えるところから、文章世界は広がってゆきます。
通信制 山本ふみこさんのエッセー講座とは
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回出されるテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けられます。講座の受講期間は半年間。
現在は第5期の講座を開催中(募集は終了しました)。次回第6期の参加者の募集は、2022年12月を予定しています。詳しくは雑誌「ハルメク」2023年1月号の誌上とハルメク365WEBサイトのページをご覧ください。
■エッセー作品一覧■
-
子に遺すべき資産は?
「現金」か「不動産」か…どっちが得?メリット・デメリットは?相続や親族間のトラブルに悩まされないためにしておくべき準備とは -
突然の我慢できない尿意
実は多くのハルメク世代が悩んでいる「尿トラブル」…中には上手に対策をしている人も!気軽にできる対策って? -
個人情報管理できてる?
銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が… -
お金の管理が簡単に!
三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です! -
認知症セルフチェック
「もの忘れが増えた」「名前が思い出せない」という症状に心当たりがある方は要注意!それ、「認知機能のレベル低下」が原因かもしれません… -
健気な姿がかわいい!
「思わず笑顔になる」と巷で話題の「永遠の2歳児・ニコボ」!ハルメク世代の2人に、ニコボとの生活にハマる理由をお聞きしました! -
生前親に●●聞き忘れると
老親の契約や登録しているサービス、これらを子が把握していないと将来ムダな出費や面倒なトラブルに発展する可能性が!特に見落としがちなのは… -
50代~お金の増やし方
将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか? -
60日で英語が話せる!
英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは? -
今なら無料でお試し!
将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます! -
おひとり様の備えはOK?
この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生! -
50代から1日1分脳トレ
認知機能を衰えさせないためには、早い時期から「脳を活性化」させることが大切。脳トレ効果がグッとアップするコツって?