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どうしても止められない怒りやイライラを抑える方法を5つに分けてご紹介します。怒りっぽい、むしゃくしゃする原因や「怒り」の感情の仕組み、怒りをコントロールするアンガーマネジメントのやり方も解説。イライラは適切に対処するのがポイントです。
イライラする!考えられる原因
誰しもときには、イライラしてしまうことがあるものですが、イライラが続くと疲れたり、トラブルの原因になってしまうことも。
イライラや怒りを鎮めるためにも、原因を知っておきましょう。
ストレス
ストレスは、イライラや怒りの大きな原因です。自分ではそんなにストレスを感じていないつもりでも、無自覚のうちにさまざまなストレスが積み重なってしまっている可能性もあります。
人間関係や職場での悩み、仕事の量や質、家庭内の出来事、金銭問題、環境の変化などの問題はストレスにつながりやすい事柄です。
過去のデータになりますが、ハルメク365が2020年3月に行ったアンケート調査では、「夫以外の家族にストレスを感じることはありますか?」という質問に「はい」と答えた人が3割以上という結果が出ています。
疲労の蓄積
さまざまな原因によって体に蓄積された疲労が、イライラとして現れている可能性もあります。仕事や家事、子どもや夫のこと、介護などで忙しい。よく眠れない。肩こりや頭痛がある……など、日常生活の疲れは気づかないうちに膨らんでしまっていることが少なくありません。
「昔はこれくらい平気だったから、今も大丈夫」「自分よりもがんばっている人はいる」と、過去や他の人と比較してばかりいると、自分の限界に気づきにくくなるため注意が必要です。
食生活の乱れによる栄養バランスの偏り
食生活が乱れて栄養バランスが偏ると、脳や血液中に必要な栄養が足りなくなり、イライラや怒りっぽさにつながることがあります。
イライラを抑えるために暴飲暴食したり、お酒をたくさん飲んでも、根本的な解決にはなりません。逆にそれが習慣化して、悪循環になってしまう可能性もあります。
栄養バランスが崩れると体調不良にもつながるため、栄養バランスのいい食事を取りましょう。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れも、イライラしてしまう原因です。女性の場合で多く見られるのが「月経前症候群(PMS)」で、はっきりした原因はわかっていないものの、女性ホルモンとの関連が指摘されています。
また、「更年期障害」もイライラや怒りっぽさの原因として考えられるものの一つです。
更年期の年代の女性の体の中では、女性ホルモンの大きな変動が起こります。これまで分泌されていたエストロゲン(女性ホルモン)が激減することで、イライラの他にもさまざまな症状が現れることがあります。
なお、更年期障害のような症状は男性にも見られ、加齢によって男性ホルモンの分泌量が低下することで、イライラや不眠などの症状が起こるようになります。男性の場合、女性に比べて精神的な症状が現れやすいようです。
病気のサイン
「最近なんだかむしゃくしゃする」「前はそうでもなかったのに、些細なことでイライラするようになった」という場合、もしかしたら病気のサインの可能性も考えられます。
イライラが症状として現れる病気としては「高次脳機能障害」「自律神経失調症」の他にも、うつ病などの精神障害、脳腫瘍など幅広い原因が考えられます。
いつまでもイライラが収まらない場合や、どうしても怒りを抑えられないといった場合は、無理せず病院を受診してみるといいでしょう。
「怒り」が生まれる仕組み
怒りは生理反応であり、自然な感情であるため「怒り」そのものを無くすことはできません。イライラしない、怒らないために大切なのは、「イライラや怒りの原因を理解して、自分や周りに悪影響を与えないように処理する方法を身につける」ことです。
そのためにも、怒りが生まれる仕組みについて知っておきましょう。怒りは、以下のように段階的に発生します。
- 出来事の発生
何かが起こったり、誰かが何かをしたり、言ったりする - 出来事の認識・意味づけ
起こった出来事・言動に対して自分自身で「意味づけ」をする - 怒りの発生
意味づけを行った結果「受け入れられない」と認識することで怒りが発生する
また、「怒りは二次感情である」という点も、イライラや怒りをコントロールする上で大切です。
二次感情ということはつまり、怒りの前になんらかの「一次感情」が存在するということ。怒りにつながる一次感情には、以下のようなものがあります。
- 悲しみ
- 苦しみ
- 虚しさ
- 恐怖
- 不安
- 心配
- 後悔
- 寂しさ
- 疲れ など
普段、人がイライラしたり怒るときには、「突然怒りが湧き上がってきて怒り出す」ということはありません。悲しみや不安、心配などが溜まっていき、それが許容量を超えそうになると二次感情として「怒り」が起こります。
つまり、これらの一次感情に適切に対処することで、怒りはコントロールできます。
具体的には、起こった出来事や人の言動に対して生じた「一次感情や原因を紙に書き出す」「原因から距離を置く」「自分の一次感情を認めて適切に表現する」などといった方法があります。
イライラを抑える・処理する5つの方法
ここからは、イライラを抑える・処理する方法をご紹介します。
ストレス発散する
ストレスがたまり過ぎていると、気持ちに余裕がなくなりイライラや怒りにつながります。ストレスを解消することで、イライラしにくくなったり、ストレスによる疲労の軽減も期待できるでしょう。
散歩などの適度な運動も、ストレス解消に効果的です。運動不足の人は無理せず、自分のペースで行うといいでしょう。その他にも、自分に合ったストレス解消法を実践してモヤモヤした気持ちをすっきりさせるのもおすすめです。
睡眠の質を高める
睡眠不足は、集中力や注意力の低下、疲労の蓄積、疲れやすいといった症状の他にも、イライラ感を引き起こすことがあります。
睡眠時間が短過ぎる人や、逆に長過ぎる人は糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が起こりやすいともいわれているため、注意が必要です。日中の活動でたまった疲労をしっかり回復するためにも、睡眠の質を意識しましょう。
栄養バランスのいい食事を取る
食生活が不規則だったり、栄養バランスが偏っている人は、イライラ解消のためにも脳や血液に必要な栄養素を食事でしっかり取ることが大切です。また、よく噛むと、脳の扁桃体の働きが抑制されイライラを抑えることにつながるといわれています。
イライラを抑えるためにおすすめの栄養素としては、イライラ抑制効果のあるセロトニンの材料となるトリプトファンを含む「タンパク質」、疲労軽減に効果がある「イミダゾールジペプチド」、ストレス軽減や疲労回復をサポートする「ビタミンB群・ビタミンC・ビタミンE」などがあります。
ツボ押しでリラックスする
東洋医学では、心と体はつながっているという考え方があります。「合谷(ごうこく)」は万能のツボとして知られ、イライラした気持ちのリラックス効果が期待できます。
- 手の親指と人差し指の間にある「合谷」を気持ちいい程度の強さで、5秒掛けてゆっくり押す
- 3秒止めてからゆっくり離す
- 3〜5秒ほど繰り返す
怒りをコントロールする(アンガーマネジメント)
近年注目されている「アンガーマネジメント」によって怒りをコントロールするのも有効な方法です。
アンガーマネジメントとは、「anger(怒り)」を「management(管理する)」するもので、1970年代にアメリカで生まれた心理教育または心理トレーニングです。
もともと、犯罪者のための矯正プログラムに活用されていましたが、時代の流れとともに一般化され、現在では企業研修など人材育成にも活用されています。
アンガーマネジメントによって怒りの感情を自分でうまくコントロールすると、イライラや怒り、ストレスなどを感じにくくできるでしょう。アンガーマネジメントの具体的なやり方については、次の項目で解説します。
イライラに対処!アンガーマネジメントの4つのやり方
ここからは、アンガーマネジメントの方法をいくつかご紹介します。
「◯◯すべき」思考をやめる
人にはそれぞれの価値観があり、相手に価値観に反した行動を取られたときに怒りが生じます。そのため、こだわりや理想が強い人ほど、怒りが生まれやすいとされています。
「◯◯するべき」「◯◯であるべき」などは個人の価値観であり、すべての人に通用するわけではありません。人によっては、まったく異なる考えをしていることもあります。
固定観念を捨て、一旦相手の考えを受け入れてみると、イライラや怒りを軽減できるでしょう。
「6秒ルール」で怒りを鎮める
怒りの感情に適切に対処するためには、怒りに反応しないことが大切です。誰かにイライラをぶつけてしまう前に「6秒待つ」ことで、少し怒りが静まり、トラブル回避につながります。
怒りの感情は6秒でピークに達し、長続きはしないといわれています。この6秒をやり過ごすことで、怒りをコントロールできます。
その場から離れる
怒りがどうしても収まらず、イライラが抑えられない場合は、今いる場所から離れるのも一つの方法です。堪えきれなくなった感情が表に出てしまう前に、その場から離れることで、冷静になれるでしょう。
怒りに点数をつける
自分は今どのくらい怒っているのか、怒りを点数化するのも怒りの沈静化につながります。
普段のリラックスした状態を0、最大の怒りを10として、今の怒りはどのくらいか10段階で点数をつけてみましょう。点数化して、過去の怒りと比較することで今の怒りを冷静に見つめ、今本当に怒るべきか、そうでないかを考えられます。
イライラは我慢し過ぎずアンガーマネジメント&発散!
イライラや怒りは、抑えてばかりだと発散できず、自分の中にネガティブな感情がたまってしまいます。自分の感情に向き合って冷静に対処したり、アンガーマネジメントを実践したり、ストレス発散などをするといいでしょう。
ただし、抑えられないイライラや怒りが続く場合は、なんらかの病気が原因になっている可能性も考えられ、病院を受診して詳しく調べた方がいいケースもあります。我慢し過ぎないことが大切です。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
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