冬もハツラツ!感染症に負けない体を作る生活習慣と食べ物とは?

冬もハツラツ!感染症に負けない体を作る生活習慣と食べ物とは?

公開日:2025年11月28日

冬もハツラツ!感染症に負けない体を作る生活習慣と食べ物とは?

寒さが深まり、インフルエンザなどの感染症が気になる季節。感染症に負けない体を作るのは、生活習慣や食事でのちょっとした心掛けです。ウイルスを遠ざけ、免疫力を高めるポイントを解説します。

福島忍
監修者
福島忍
監修者 福島忍 医学博士

感染症は早めの備えが大切

感染症は早めの備えが大切
polkadot / PIXTA

11月下旬頃になると、気温と湿度の低下に伴い、ウイルスの動きが活発になります。

厚生労働省は2025年9月時点で、インフルエンザの流行シーズンに入ったと発表。例年、インフルエンザの流行のピークは12月下旬~2月ですが、近年は開始時期が早まる傾向にあるため早めの備えが大切です。

特にこれから年末に向けては、人との接触機会が増える時期。改めて、感染症から身を守る基本の対策や、免疫力を高める食事を意識して、感染症やウイルスに負けない体を作っていきましょう。

感染症の「基本の対策」をおさらい

感染症の「基本の対策」をおさらい
JIRI / PIXTA

感染症から身を守るために、まず「基本の対策」をおさらいしましょう。

感染症対策の基本は、マスク着用、手洗い・うがいの徹底、乾燥対策、部屋の換気です。

マスクは不織布を選び、つけるときは「鼻までしっかり覆う」ことを意識。手洗い・うがいは外出や調理の前後など、「帰宅時+食事前」を習慣化しましょう。

手洗いでは、ハンドソープなどで手のひら、指の間、爪の間まで丁寧に洗い、15~20秒かけて流水で流します。うがいは外出後と食事前に加え、朝起きた直後にも行うのがおすすめです。

乾燥対策では、こまめな水分補給と室内の湿度調節がポイント。水を飲むと血液中の水分量が保たれて血流が良くなり、老廃物を効率よく排出できます。ウイルスや菌が体内に入り込んだ際もその排出を助けてくれるので、冬でもこまめに水分を取るようにしましょう。

室内の湿度は40~60%が理想です。乾燥するとウイルスが長く空気中を漂いやすくなるため、加湿器や洗濯物の室内干し、やかんで湯気を立てるといった乾燥対策を心掛けて。1~2時間に1度、数分間の換気も取り入れると、空気中のウイルスを減らす助けになります。

免疫力を高める第一歩は食事

チリーズ/ PIXTA

感染症予防の土台となる免疫力を高めるには、毎日の食事も大切です。免疫細胞の材料は食べたものから作られるので、栄養バランスの良い食事を意識することが免疫力を高める第一歩と言えます。

厚生労働省の「栄養バランスガイド」では、50代女性(活動量普通)の食事での理想比率を、「主食:主菜:副菜:汁物:果物:乳製品=4:2:2:1:0.5:0.5」としています。

  • 主食:ご飯、雑穀米、全粒粉パンなど。エネルギー源として1食に軽く1杯。パンなら1枚程度。
  • 主菜:魚、肉、卵、豆腐など。タンパク質は1食あたり20gを基本に。
  • 副菜:野菜、きのこ、海藻を350g以上。温野菜やスープでかさを増すのもおすすめ。
  • 汁物:味噌汁や野菜スープなど。体を温める効果も期待できます。
  • 果物:みかん、キウイ、りんごなど。1日に半分~1個が目安。
  • 乳製品:ヨーグルトや牛乳など。腸内環境を整え、免疫バランスをサポートします。

この食事バランスを意識すれば、自然と免疫を支える栄養素が整います。

ただし、これはあくまで理想形。忙しい毎日の中で、毎食このバランスを完璧に整えるのは中々難しいので、1日の中でできるだけバランスが整うように意識するだけでもOKです。

免疫力を高める第一歩は食事
dejavu / PIXTA

例えば朝はトーストと目玉焼き、ヨーグルトに果物。昼や夜にご飯、味噌汁、焼き魚、野菜のおひたしなどのメニューなら、必要な栄養をまんべんなく取ることができます。時間がないときや疲れているときは、お惣菜や冷凍食品をうまく取り入れるのも立派な工夫です。

また、「1つ足す」からチャレンジするのも良い方法。

副菜をもう一品増やす、ヨーグルトを毎日食べる、夕食に汁物を加えるなど、できそうなことから始めてみましょう。

小さな積み重ねでも腸内環境の改善や体温アップにつながり、結果的に免疫バランスを整えるサポートになります。理想の栄養バランスでない日があっても気にしなくて大丈夫。「できる範囲で少し工夫する」ことが、免疫力を高める近道になります。

免疫力を高める栄養素をプラスする

「プラス1」の栄養素で感染症に負けない体に
 Kimi / PIXTA

バランスの良い食事をベースに、免疫力を高める栄養素を意識的に摂取すると、感染症に負けない体づくりが進みます。

「どの栄養素をどれだけ」と考えるのは大変なので、ここでは役割ごとに食材を紹介します。冬の食事作りに役立ててくださいね。

<栄養素が持つ役割とおすすめ食材>


■粘膜を守ってウイルスの侵入を防ぐ
鼻やのどの粘膜は、感染症から身を守る最前線。ここを丈夫に保つのがビタミンAやタンパク質です。
・具体的な食材例……にんじん、かぼちゃ、卵、チーズ、青魚など。
夕食に「サバの塩焼き+かぼちゃの煮物」といった組み合わせなら、粘膜の強化にぴったりです。

■免疫細胞を元気に働かせる
体に入ったウイルスと戦う「自然免疫」は、亜鉛や鉄分、ビタミンB群に支えられています。
・具体的な食材例……牡蠣、まぐろ、牛肉、納豆、卵、ほうれん草など。
忙しい日は、納豆ご飯に卵をプラスするだけでもOK。シンプルですが、免疫力の土台作りに役立ちます。

■酸化ストレスから細胞を守る

「プラス1」の栄養素で感染症に負けない体に
shige hattori / PIXTA

免疫機能を維持するには、体を錆びつかせる活性酸素を抑えることも大切です。助けになるのは、ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどを含む食材です。
・具体的な食材例……ブロッコリー、キウイ、トマト、ナッツ類、緑茶など。
朝食にキウイをプラスする、間食にナッツを食べる、食後に温かい緑茶を飲むといった「プラス1」習慣でも大丈夫です。

感染症対策にはミツバチ産品のプロポリスもおすすめの素材です。ミツバチ産品に詳しい福島さんは、プロポリスの働きについてこう話します。

「優れた抗菌作用や抗酸化作用で知られるプロポリスは、インフルエンザウイルスの増殖を抑える働きなども報告されています。エキス状のプロポリスを水に溶かしてうがいをしたり、プロポリス入りのキャンディーを舐めるのもおすすめ。濃度の高めのものを選ぶと良いでしょう」

年末年始に向けて人と会う機会も増え、何かと慌ただしいこの時期。身近な食材や、プロポリスなどの自然の恵みを味方につけて、感染症に負けない体に整えていきましょう。

■取材協力:山田養蜂場 健康科学研究所

■監修者プロフィール:福島忍(ふくしま・しのぶ)さん

山田養蜂場 健康科学研究所 学術情報担当。入社以来、最先端の研究学術情報を集約・発信する業務に従事する他、全国各地の大学との共同研究や自社の臨床研究などにも携わり、ミツバチ産品の効果を明らかにしてきた。医学博士。

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