しつこい冷えに潜む病気を見逃さない!注意したい3つの病気と治療法
しつこい冷えに潜む病気を見逃さない!注意したい3つの病気と治療法
更新日:2025年10月27日
公開日:2025年10月06日
教えてくれた人:林忍(はやし・しのぶ)さん
横浜血管クリニック院長。1993年、慶應義塾大学医学部卒業。同大学病院、済生会横浜市東部病院などを経て、2016年から現職。血管外科専門医として、下肢静脈瘤などの血管に関わる病気や冷えの診療に当たる。著書に『「冷え症外来」の医師が教える 冷えとり習慣』(イースト・プレス刊)がある。
冷えに隠れた病気、気を付けたいのはこの3つ!
セルフケアを続けても冷えがまったく改善しない、むしろ悪化するといった場合は、背後に病気が隠れている可能性も考えられます。
「冷えをもたらす代表的な病気には、閉塞性動脈硬化症や甲状腺機能低下症、更年期障害などがあります。中でも閉塞性動脈硬化症は、進行すると脚の組織が腐ったりすることもあるので要注意です。冷えがひどい方は早めに血管外科や循環器内科などで検査を受けるようにしてください」と話すのは、冷え症外来を設ける横浜血管クリニック院長の林忍さんです。
閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)
動脈硬化で血管が狭くなり、脚への血流が低下。足の冷えやしびれ、少し歩いただけで脚が痛むなどの症状が。男性に多いが、女性も高齢になるほど発症しやすい。
甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)
甲状腺ホルモンの分泌が減って、全身の代謝が低下。手足や全身が冷え、寒がりになり、元気がなくなる。女性に多い。更年期障害やうつ病と間違われることも。
更年期障害(こうねんきしょうがい)
女性ホルモンの減少に伴い、心身にさまざまな不調が生じる。冷えのぼせも多い。治療法は、女性ホルモンを少量補うホルモン補充療法(HRT)と漢方治療が代表的。
特別な病気がない場合の冷え治療法は?
では特別な病気がない場合の冷え治療は? 林さんの冷え症外来では、セルフケアの指導を行いつつ、症状や体質に応じて漢方薬やビタミン剤などを処方しているそうです。
例えば手足の冷えがひどく、しもやけがあるなら当帰四逆加呉茱萸生姜湯、更年期で冷えのぼせがあれば加味逍遙散が効果的といいます。
冷えに効果的な漢方薬
●当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
手足の冷えが強い、しもやけができる、指先が青白くなるという人に適している。血行をよくして体を温める働きがある。
●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
手足が冷える、むくみやすい、色白で貧血気味という人に向く。血行をよくして貧血症状を改善し、水分代謝も促して、体を温める。
●加味逍遙散(かみしょうようさん)
下半身が冷える、急に顔がほてる、イライラするという更年期女性によく用いられる。自律神経を整え、血行をよくする働きがある。
「短期間の服用で改善が見られても、やめると元に戻ってしまうことが多い。冷えやすい体質を改善するには、3~6か月程度は飲み続けることをおすすめします」(林さん)
漢方治療には健康保険が適用されます。日本東洋医学会のサイトで、全国の漢方専門医を検索して、近くの医療機関を探してみましょう。
取材・文=佐田節子、構成=大矢詠美(ハルメク編集部)
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年3月号を再編集しています




