健康な肌に変わる!正しい「皮膚ケア」 #3

皮膚科医が教える「今すぐやめてほしい、自己流やりがちケア」5選

皮膚科医が教える「今すぐやめてほしい、自己流やりがちケア」5選

更新日:2025年10月02日

公開日:2025年09月17日

皮膚科医が教える「今すぐやめてほしい、自己流やりがちケア」5選

「いつもの保湿」「習慣の手洗い」何気ないケアや思い込みが、実は皮膚トラブルを悪化させる原因になっているかもしれません。自己判断で放置すると重症化のリスクも。皮膚科医がやりがちケアの落とし穴と、どんな症状なら病院に行くべきかを解説します。

教えてくれるのは、皮膚科医・生垣 英之(いけがき・ひでゆき)さん

信州大学医学部附属病院皮膚科などを経て、2017年より茨城県古河市「こだま皮膚科」の院長に就任。2019年に「いけがき皮膚科」として継承開院。一般皮膚科から美容・小児・アレルギー科まで幅広く診療。著書に『皮膚トラブルの治し方大全』(KADOKAWA刊)

※本記事は、書籍『専門医が教える健康な肌に変わる対処法 皮膚トラブルの治し方大全』より一部抜粋して構成しています。

やりがちケア(1)長年、同じ保湿剤を使い続けている

やりがちケア(1)長年、同じ保湿剤を使い続けている
freeangle / PIXTA

第1回は、皮膚科医が警告する「怖い病気」、第2回は皮膚トラブルを悪化させる「やってはいけない習慣」5つを紹介しました。今回は、自己流やりがちケアについて解説していきます。

新しい化粧品を使って数日して皮膚に異変があれば、化粧品によるかぶれと気付いて使用を中止する方が多いと思います。しかし、長年使っていた保湿剤が急に合わなくなることもあります。

この場合、保湿剤が原因と気付かず、市販薬で治そうとして逆に悪化してしまう患者さんがいます。「過去に使って大丈夫だったから」という方が多いですが、かぶれに過去は関係ありません。また、「保湿剤が原因のはずはない」という思い込みから問診の際に保湿剤のことを言わない患者さんもいて、原因の特定が遅れるケースがよくあります。

かぶれには刺激性とアレルギー性の2種類があります。刺激性のかぶれは 一過性のことが多く、保湿剤が原因であっても肌の状態がよくなればまた使用することができますが、アレルギー性の場合は原因物質が含まれるとわかった以上、その化粧品は使えません。

香料、防腐剤、アルコール、特定の植物由来のエキスなどはアレルゲンになることが多いので、普段の保湿剤を見直してみてください。低刺激で無香料· 無添加のものに変更することも一案です。

<こんな症状ならクリニックへ>
赤みや腫れ、かゆみが強い、皮膚がひび割れて出血している、なかなか症状が治らない、という場合は病院で診てもらいましょう。

やりがちケア(2) こまめにアルコール消毒をする

やりがちケア(2) こまめにアルコール消毒をする
C-geo / PIXTA

コロナ禍以来、スーパーなどの入口にアルコール消毒液が置かれることが当たり前になりました。頻回の消毒にはデメリットのほうが多いと、私は思っています。

最大のデメリットは、アルコールによって皮膚の水分が奪われて乾燥し、皮膚のバリア機能が低下してしまうことです。バリア機能が低下すると皮膚が外からの刺激に対して敏感になり、感染症やアレルギー反応のリスクが高まります。

また、皮膚には常在菌(善玉菌)が多数存在し、皮膚を外敵から守っていますが、消毒によってこれらの菌も死滅し皮膚のバランスが崩れてしまいます。さらに、アルコールの成分自体がアレルゲンになってかぶれを起こすこともあるのです。

手洗いは石けんを使ったほうがもちろんよいですが、石けんがない場合でも15秒以上かけて手全体を水で洗うだけでも、ウイルスの数は激減します。手洗い後に消毒する人もいますが、まったく必要ありません。むしろ、肌を傷めてしまいます。ウイルス対策なら手洗いで十分です。

<こんな症状ならクリニックへ>
手指がひび割れて痛みがあり、日常生活に支障が出ている、強いかゆみがある、水疱や膿がある場合は病院で診てもらいましょう。

やりがちケア(3)爪を短く切り過ぎる(深爪)

やりがちケア(3)爪を短く切り過ぎる(深爪)
siro46 / PIXTA

深爪とは、爪の切りすぎで爪床(爪の下の皮下組織)が出てしまっている状態のことです。爪床が露出すると皮膚が傷つきやすくなり、細菌や真菌(カビ)に感染するリスクが高まります。

また深爪は、巻き爪や陥入爪の原因になります。巻き爪は爪が曲がって丸くなる状態で、陥入爪とは爪が周囲の皮膚に食い込んで腫れて炎症を起こし、痛みや熱を持った状態です。

触らなくても痛みがあれば、ばい菌による二次感染が考えられます。悪化すると、痛みで歩行が困難になるなど、日常生活に支障をきたし、治療のために入院が必要となる場合もあります。

深爪の予防には、正しい爪の切り方が肝心です。ポイントは次の3つ。

1:爪はお風呂などで柔らかくしてから切ります。硬いまま切ると割れることがあります。
2:爪の白い部分を1~2mm残して切ります。
3:爪の角を丸くせず、まっすぐに切ります。

深爪によるトラブルが多いのが足の親指です。足の親指は体重を支えるのにとても重要ですから、特に親指の爪の角は切らないようにしましょう。

<こんな症状ならクリニックへ>
爪が皮膚に食い込み、炎症を起こしている場合は陥入爪の疑いが。触らなくても痛い場合は、速やかに病院で診てもらいましょう。

やりがちケア(4)金属アレルギーだからインプラントは無理と思い込む

やりがちケア(4)金属アレルギーだからインプラントは無理と思い込む
Bee玉 / PIXTA

金属アレルギーは、アレルゲンとなる金属と接触することで発症します。症状としてはかゆみや発疹、炎症などがあり、まれにアナフィラキシーショックを起こす場合もあります。

インプラントには、チタンやチタン合金、ステンレス鋼などアレルギー反応を起こしにくい金属が使われていますが、まれにアレルギー反応が出ることがあります。インプラントを使用する際は、事前に歯科医とよく相談しましょう。

不安な場合は、セラミック(ジルコニア)インプラントを検討しましょう。強度もあり、金属を使用しないためアレルギーの心配がありません。金属アレルギーがあるからといって、インプラントをあきらめる必要はありません。

<こんな症状ならクリニックへ>
口内炎を繰り返す、口の中に白い発疹が出る、手足の汗腺に湿疹が出る場合は医師に相談してください。

やりがちケア(5) 調べずに「薬剤アレルギーです」と申告

やりがちケア(5) 調べずに「薬剤アレルギーです」と申告
ふじよ / PIXTA

患者さんに内服薬を処方する際に「薬のアレルギー(薬疹)はありますか?」と聞くと、たまに「あります」と答える患者さんがいます。

ところがほとんどの方は、「調べたことはありますか?」と聞くと、「ない」と言います。

過去に薬を飲んで発疹が出た経験から「薬疹があります」と答えるのだと思いますが、実は薬疹だと思っていたら、原因は薬以外のこともあります。

ですから、調べていないのなら、「薬疹がある」と答えるのではなく、「以前、薬疹の可能性があると言われましたが、調べてはいません」というように、正しく伝えていただきたいと思います。

<こんな症状ならクリニックへ>
全身に皮疹が出てしまった場合はもちろん、薬疹を疑う場合は、病院を受診しましょう。重症の薬疹は入院治療が必要になります。

※本記事は、書籍『専門医が教える健康な肌に変わる対処法 皮膚トラブルの治し方大全』より一部抜粋して構成しています。気になる症状はかかりつけ医に相談してください。

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■「自己流は危険!皮膚科医が教える正しいケア」をもっと読む■

#1:放置はNG!ほおっておくと怖い皮膚の病気
#2:皮膚トラブルが悪化「やってはいけない習慣」5つ
#3:知らずに悪化する皮膚の「やりがち習慣」5選

もっと詳しく知りたい人は、生垣さんの書籍をチェック

帯状疱疹や乾燥肌、湿疹やアレルギーなど、全32症例を網羅。30万人もの体を診てきた皮膚科医・生垣英之さんが解決する健やかな肌を維持するためのかゆみ、痛みの対処法を紹介。薬局などで対処できるセルフケアをはじめ、クリニックにかかったほうがいいタイミング、予防方など広く掲載。長く愛用できる皮膚トラブルの書籍です。

HALMEK up編集部
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