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指がかゆい…薬やハンドクリーム、絆創膏で軽減する?
ひび・あかぎれの原因は?手荒れ予防と対策を知ろう
よしクリニック
中野 貴光
公開日:2021.01.28
更新日:2022.12.14
手指のひび・あかぎれと、手あれやしもやけの違いをご存じですか? 冬場の水仕事で起こりやすいひび・あかぎれの症状や、原因と要因、起こりやすい場所をチェック。合わせて、ひび・あかぎれの対処法や予防方法、おすすめアイテムもご紹介します。
監修者プロフィール:よしクリニック院長・中野 貴光さん
平成9年、筑波大学医学専門学群卒業。東京女子医科大学の形成外科学教室に入局。東京大学医学部形成外科、日本大学医学部形成外科への赴任等を経て、2年間アメリカ・テキサス大学にて熱傷の研究に従事。帰国後、医学博士を取得。2019年6月に練馬で「よしクリニック」を開業。
日本形成外科学会形成外科専門医、日本熱傷学会熱傷専門医、日本レーザー医学会レーザー専門医、日本手外科学会手外科専門医、日本形成外科学会小児形成外科分野指導医、医学博士。
ひび・あかぎれとは?手あれやしもやけとの違いは?
ひびやあかぎれはどういう状態のことをいうのでしょうか。また、手あれやしもやけとの違いは何なのか、解説していきましょう。
ひび・あかぎれとは?
「ひび」とは、皮膚に入る線状の切れ目や亀裂のことです。 一方「あかぎれ」はひびが進行し悪化することによってひびが深くなり、その部分が出血や炎症をおこして赤みを帯びた状態のことをいいます。
手あれとの違い
手あれは、文字通り手が荒れることです。水や洗剤などの外部刺激やアレルギーなどが原因で皮膚のバリア機能が低下してしまい、乾燥や炎症を起こしたり、かゆみ、ひび割れ、あかぎれを起こしたりします。手あれの一症状で、ひびやあかぎれを起こすこともありますし、ひびやあかぎれがあることでバリア機能が低下して手荒れを起こすこともあります。
しもやけとの違い
寒さや冷えなどで血行が悪くなることによって起こる炎症が「しもやけ」です。あかぎれとの違いは、あかぎれは乾燥によって皮膚に切れ目や亀裂が入るといった症状ですが、しもやけは、温度差によって皮膚が赤く腫れる、赤い円形の発疹が出る、炎症部分にかゆみが伴うなど、症状、要因が異なります。
ひび・あかぎれの症状は?
ひび・あかぎれは、どのような症状が出るのか、詳しくご説明しましょう。
皮膚に亀裂が入る
ひび・あかぎれの初期症状に、皮膚の乾燥があります。これは、湿度の低下や皮膚のバリア機能の低下により、皮膚の水分が蒸発することで起きます。その後、皮膚に細かい亀裂が入り、乾燥が進むと亀裂が深くなって、あかぎれとなるのです。
かゆみ
ひびやあかぎれの症状が進むと皮膚に細かい傷ができます。細かい傷は痛みではなく痒みを伴います。またアレルギー物質などの刺激物が入りやすくなるので、アレルギー反応などによるかゆみを伴う場合があります。
腫れ・出血・痛み
あかぎれは、ひびが深い亀裂となったもので、その亀裂が赤く腫れ、出血することがあります。その状態になると、何もしないのにズキズキしたり、ヒリヒリするような痛みが出たりす
ることがあります。
細菌感染の原因となることもあり、熱を持ち腫れることもあります。その様な場合には早めに皮膚科などに受診してください。
ひび・あかぎれの原因と要因
ここでは、ひび・あかぎれがどのようにして起こるのか、そのメカニズムと原因を解説していきます。
ひび・あかぎれのメカニズム
ひび・あかぎれは、冬によく見られます。冬といえば、気温が低く、空気が乾燥する季節。この気候が皮膚に悪影響を与えているのです。冬の皮膚は、気温が低くなるため汗や皮脂の分泌量が減ってしまい、肌のバリア機能も低下している状態。さらに空気が乾燥しているため、皮膚の水分量も減ってしまい皮膚が乾燥します。この乾燥した状態で指の曲げ伸ばしなどで皮膚が引っ張られると、肌表面の溝に沿って亀裂が入ってしまうのです。
ひび・あかぎれを引き起こす要因
ひび・あかぎれの主な要因は、外気の寒さ、乾燥といった環境要因と、水仕事による脱脂や乾燥です。いずれの要因も皮膚が乾燥することで、皮膚の弾力性や潤いが失われ、亀裂が生じやすくなります。その他、洗剤やシャンプーによって起こる手湿疹などが、ひび・あかぎれの要因となっているケースもあります。
水仕事、紙類をよく触る方は要注意
ひび・あかぎれは冬によく見られるといいましたが、季節に関係なくひびやあかぎれになる人がいます。それは、洗剤などを使う機会が多い水仕事を行う職業の方、主婦、紙類を頻繁に触る職業の方などです。
なぜ、水仕事を行う方がひびやあかぎれになってしまうのかというと、手が濡れたままの状態になっていることが多いためです。濡れたままの皮膚が乾燥する際に、皮膚の持っている水分も一緒に蒸発してしまうことがあります。それが乾燥につながり、ひび・あかぎれを起こしやすくするのです。
また紙類をよく触る方は、紙に手の水分と脂分を奪われてしまい、皮膚が乾燥してしまいます。また、摩擦により皮膚にダメージが生じることによりひび・あかぎれが起こりやすくなります。
ひび・あかぎれが起こりやすい場所
ひび・あかぎれは手に起こる印象があるかもしれませんが、その他の部位にも見られます。どのような部分にひび・あかぎれが起こりやすいのか解説していきましょう。
手指
手は、日常的によく動かす部分です。特に指の関節部分は曲げ伸ばしすることが多く、乾燥しているとひびが起こりやすくなります。また、指の腹や指先も外的圧力や外部刺激が多い部分です。これらの部分もひび・あかぎれが起こりやすいといえます。
手の甲
実は、手の甲もひび・あかぎれが起こりやすい部分です。というのも、指の関節を曲げ伸ばしするときに、手の甲の皮膚も引っ張られるため。指同様に手の甲が乾燥していると、ひびが起こりやすくなります。
唇
秋冬の空気が乾燥する時期に、唇がパックリひび割れてしまうという方も多いことでしょう。唇は、他の皮膚よりも角質層が薄く、水分を保つ力が弱いため、すぐに乾燥してしまいます。また、バリア機能が低いのも亀裂の原因です。
かかと
かかともひびが起こりやすい部分。かかとは、乾燥によるバリア機能の低下を起こしやすく、ターンオーバーがうまくできずに古い角質が層のようになり、そこに体重がかかることでひびが発生することがあります。また、かかとは全身の体重を支える部分です。そのため、皮膚が防御反応を起こし、皮膚が硬くなります。硬くなったかかとに、体重がかかると、ひびが起こるのです。
ひび・あかぎれの対処・予防方法
ひび・あかぎれは、日常でできる対処法、予防法があります。気になる方はぜひ試してみてください。
早めに保湿ケアを始める
早めに保湿ケアを始めることを心掛けてください。始めるタイミングは、気温が下がり空気が乾燥し始める秋口あたりがよいでしょう。保湿クリームなどの保湿剤、保護剤などをしっかり皮膚に塗ります。特に手は、手洗いの後や水仕事の後などには保湿剤が取れてしまうこともあるので、こまめに保湿するとよいでしょう。
早めに手袋を着用する
ひびやあかぎれを起こしやすい人は、気温が下がり始めたら外出時には手袋をした方が良いでしょう。早めの予防が大切です。
ひび・あかぎれ予防に使える薬とは
ひび・あかぎれ予防に有効な成分は、
- セラミド:保湿効果がある
- レチノール(ビタミンA):角化(皮膚が厚くなる)を防ぐ
- ワセリン:皮膚の水分蒸発を防ぐ
- 尿素:皮膚に潤いを与える
- ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル):血行を促進する
など。これらの成分が入ったクリームや軟膏が効果的です。手やかかとなど、しっかり塗って予防しましょう。保湿成分に尿素が入っているハンドクリームは予防には良いですが、既にひび・あかぎれが生じた肌に塗るとしみることがあるので避けた方がよいでしょう。
水仕事の際はゴム手袋を着用する
石鹸や洗剤により皮脂が奪われることや、化学物質による外部の刺激から手を守るために、水仕事をするときにはニトリルやラテックスなどのゴムやビニールなどの手袋をはめるのがおすすめです。また、熱い湯に触り続けることによっても皮脂が奪われてしまい、乾燥しやすくなります。ですので、水仕事の際やシャワー、湯船などの湯温はほんの少し下げるようにするとよいでしょう。
水に濡れたらタオルで拭き取る
皮膚を濡れたままにしておくのは厳禁です。濡れたままだと、水分が蒸発するときに皮膚の水分も一緒に蒸発してしまいます。水分の蒸発により乾燥を招いてしまうため、ひびやあかぎれが起こりやすくなってしまうのです。皮膚が濡れたらタオルで押さえるようにして、しっかり水分を拭き取るようにしてください。
部屋の乾燥を防ぐ
部屋が乾燥していると、皮膚の乾燥も進みます。乾燥によってひび・あかぎれを起こしますから、部屋の湿度を40~60%程度に保つようにしましょう。加湿器を活用したり、濡らしたタオルを部屋にかけたりすると、乾燥対策になります。
新型コロナウイルスの感染防止策とハンドケアを両立させるには
新型コロナウイルスの感染拡大で、アルコール消毒と手洗いの回数が増えることによって手荒れの悩みが深刻になっている方も多いでしょう。
手を洗う水の温度は、温水の場合にはやや低めに設定することと、アルコール消毒・手洗いを行った後もハンドクリームを必ず塗るようにしましょう。
手指消毒用のアルコールは保湿成分が入っているものを選ぶのもお薦めです。日頃から保湿ケアを欠かさないことでひび・あかぎれを起こすことを防げます。
ハンドクリームは毎日使用する物なので使用感も大事です、予防にはクリーム基剤などの使用感がいいものがおすすめ。ただし、すでにひび・あかぎれができている場合にはワセリンなどの皮膚に刺激のないものを選ぶといいです。尿素配合の保湿剤は患部にしみる可能性があるので避けた方がよいでしょう。
もし、ひび・あかぎれが起きた場合には、かゆみや炎症を抑える市販の軟膏薬や絆創膏、ひびの修復を早める専用の市販薬などを活用する方法もありますが、症状が悪化する前に、皮膚科を受診してもいいでしょう。
ひび・あかぎれの治療方法
ひび・あかぎれができた場合は、保湿を行うと同時に患部を保護することが大切です。
一時的に手袋をしないで過ごしたことによってできた場合など、短期的な原因の場合には適切な保湿などの治療で簡単に治ることも多いのですが、ひび・あかぎれを含む手荒れは水仕事などの職業的な要因が多く、治りにくい場合が多いです。
治療をする際にはしっかりと治るまで長い期間行うことが重要です。数日、軟膏を使用して症状が改善したら治療をやめてしまう人が多いのですが、皮膚は生え替わるのに1.5~2か月程かかります。数日で症状が改善していても皮膚はまだ弱い状態なのですぐに刺激や乾燥でぶり返してしまいます。症状を繰り返す人は、少なくとも3週間は治療を継続しましょう。
治療する際には、就寝前にワセリンなどの軟膏を塗り、綿手袋などを着けて寝るのがお薦めです。日中に軟膏を付けたらべたべたしてしまいますが、手袋をして寝るのなら大丈夫。寝ている間にしっかりと皮膚が回復してくれます。
ひび・あかぎれにおすすめのハンドクリームや軟膏、絆創膏
ひび・あかぎれを改善するのにおすすめのハンドクリーム、軟膏、絆創膏(ばんそうこう)をご紹介します。
ハンドクリーム「キュレル ハンドクリーム」【医薬部外品】50g
潤い成分「セラミド機能成分」とユーカリエキスが、肌の角層の深部まで浸透し、外部刺激から肌を守る働きを助け、潤いで満たしてくれるハンドクリームです。
また、乾燥しやすい手肌をくまなく保護する手肌保護膜成分、消炎剤アラントイン(有効成分)、ビタミンE(有効成分)が配合されているから、外部刺激から肌を守ります。
軟膏「ヒビケア軟膏a」【第3類医薬品】35g
ひびやあかぎれを治すには、弱った肌細胞の修復力を回復させることが重要です。こちらの軟膏は、割れた皮膚組織に直接働き修復を助ける「アラントイン」と、肌細胞に元気を与え修復を助ける「パンテノール」をW配合。2つの「ひび修復促進成分」が肌に集中的に働き、治りにくいひびやあかぎれもしっかり治療します。また、さらに、血行促進成分、保湿成分、かゆみを抑える成分がバランスよく配合されているため、乾燥やかゆみなどの症状もやわらげてくれます。
絆創膏「ニチバン あかぎれ保護バン関節用」50枚
従来の絆創膏は傷口にあてるパッドが付いてますが、こちらの商品はパッドがない密着タイプ。ウレタン不織布でしなやかに関節にフィットします。透湿性があるから蒸れずに適度な潤いで、乾燥した手肌を外部刺激から守ってくれます。
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