血管は若返らないけど血液は改善できる!『善玉血液』度セルフチェック
血管は若返らないけど血液は改善できる!『善玉血液』度セルフチェック
更新日:2025年08月29日
公開日:2025年07月17日
教えてくれたのは渡邊剛(わたなべ・ごう)さん
ニューハート・ワタナベ国際病院総長。心臓血管外科医。医学博士。ドイツへ留学中、2000件にわたる心臓手術を経験。32歳で日本人として最年少で心臓移植の執刀を担当。2019年から6年連続で年間心臓ロボット手術の執刀数世界一。最新著に『世界一の心臓血管外科医が教える 善玉血液のつくり方』(あさ出版)
無意識に進行中!? あなたの血管が危険な理由

あなたは、自分の血管が劣化していることに気付いていますか? おそらく、気付いていないと思います。
しかし、劣化してきた血管をそのまま放っておくと、ある日突然、あなたの人生が終わってしまうかもしれません。
私の病院は心臓血管外科専門病院ですが、狭心症で来院される患者さんの血管は、ひどく傷んでいるケースが多く見られます。「どうしてこんなになるまで放っておいたのですか?」と聞きたくなるほど、血管が狭くなったり、硬くなったり、こぶができたりしている方も少なくありません。
放置は危険!ボロボロ血管の末路
この状態は患者さんだけの話ではありません。中高年以降の人の血管は、多かれ少なかれ劣化しています。
生まれてから何十年も使い続けているのですから、へたってくるのは仕方がありませんし、いつまでも新品同様とはいきません。
血管が劣化してボロボロになると、突然、血管が詰まったり、破れたりして血液が流れなくなります。
発生した場所が心臓であれば心筋梗塞や大動脈瘤破裂などの心血管疾患、脳であればくも膜下出血や脳梗塞などの脳血管疾患です。生命機能の中枢である心臓や脳がダメージを受ければ、最悪の場合、そのまま人生が終わることもあります。
血管は若返らなくても血液は変えられる!
ちまたでは「血管を若返らせましょう」といった書籍や広告をよく見かけますが、私の知る限り、血管は若返りません。むしろ、老化とともに血管は劣化していくばかりです。ではどうしたらいいのでしょうか?
そこで注目したいのが、「血液」です。ボロボロの血管は若返りませんが、血液は変えることができます。くたびれた水道管にきれいな水を流すのと、汚水を流すのとでは、どちらが長持ちすると思いますか? 答えは明らかですね。
血液の状態は日々の食事でこんなに変わる!
きれいな血液が流れていれば、ボロボロ血管を長持ちさせることもできます。この「きれいな血液」を、「善玉血液」と呼ぶことにします。
善玉血液とは、次のような状態の血液です。
- 脱水気味になっていない
- 余分な脂質や糖質が含まれていない
- 炎症性物質がたくさん含まれていない
よく言われる表現に換えると、サラサラとした血液です。
逆に「悪玉血液」とは、粘り気のあるドロドロした血液です。
血液を遠心分離器にかけると、血液の中の血清(黄色の部分)が現れます。
右が善玉血液、脂ものを控えた日の血液です。左が悪玉血液、脂ものをたくさん食べた日の血液です。前日に脂っこいものを食べただけで、濁った血液になります。
あなたの血液は善玉?悪玉?チェックリスト
自分の血管の中を流れている血液が善玉なのか、悪玉なのか。次のチェックシートで簡単にわかります。
■あなたの血液は善玉?悪玉?チェックリスト
□階段を上がると息が切れる
□急に胸がドキドキする、脈が速くなるときがある
□揚げ物や菓子パンが好きでよく食べる
□筋トレにはプロテインパウダーが必需品だ
□ダイエットで体重が落ちにくくなってきた
□1日にあまり水分を摂らない
□お酒を飲むときには必ずおつまみも食べる
□食後に眠気やだるさを感じる
□普段から体を動かす機会が少ない
□些細なことでイライラしたり、ストレスを感じたりしやすい
3点以下 → 善玉血液の可能性大
5点以上 → かなりヤバい悪玉血液が流れている可能性あり
チェックをして「自分の血管はかなりヤバいかも」と思った人は、今日から善玉血液を作る生活を始めましょう。
善玉血液が流れるようになれば、若い頃のようなピカピカな血管に戻すことはできませんが、ボロボロになるスピードをゆるやかにすることはできます。血管に突然起きるトラブルを回避するには、それで十分。さらに、高血圧、脂質異常症、糖尿病、腎不全などの予防にも役立ちます。
次回の記事では、「健康診断でわかる!血管を傷つけるドロドロ悪玉血液5つの見分け方」を紹介していきます。
※本記事は、書籍『世界一の心臓血管外科医が教える 善玉血液のつくり方』より一部抜粋して構成しています。
■「血液をきれいにする善玉血液の作り方」をもっと読む■
#1:サラサラ「善玉血液」今すぐ善玉度をセルフチェック
#2: 健康診断でわかる!血管を傷つける5つの「悪玉血液」
#3:「善玉血液」を減らす4つの危険な白い粉とは
もっと詳しく知りたい人は、渡邊さんの書籍をチェック!

『世界一の心臓血管外科医が教える 善玉血液のつくり方』(あさ出版刊)
生活習慣の乱れなどによって、血管の老化スピードは速く、実年齢よりも高い血管年齢の人が増えているといわれています。問題は老化した血管ではなく、その中に流れる血液。血管をボロボロにする“悪玉血液”が引き起こすリスクや、高血圧などの生活習慣病を防ぐ“善玉血液”のつくり方を紹介します。




