睡眠の質がよくなる!朝・昼・夜の自律神経セルフケア【朝編】
睡眠の質がよくなる!朝・昼・夜の自律神経セルフケア【朝編】
公開日:2025年03月10日
教えてくれたのはこの3人
小林弘幸(こばやし・ひろゆき)さん
順天堂大学医学部教授。自律神経の第一人者として数多くの患者を診察。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム刊)など著書多数。
梶本修身(かじもと・おさみ)さん
東京疲労・睡眠クリニック院長。著書に『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)シリーズなど。雑誌やメディアに多数出演。
溝口徹(みぞぐち・とおる)さん
医療法人回生會みぞぐちクリニック院長。福島県立医科大学卒業後、横浜市立大学附属病院などに勤務。『心の不調の9割は食事で治る』(フォレスト出版刊)など著書多数。
生活習慣を変えれば、睡眠の質は改善します
「50代は家事や仕事、介護など日頃からがんばり、交感神経優位のまま過ごしている方が多いです。生活習慣を変えれば副交感神経もしっかり働くようになり、睡眠の質が改善します」と言うのは、医師の小林弘幸さん。
また医師の梶本修身さんは、「快眠のコツは、自律神経の中枢である脳に負担をかけ過ぎない快適な環境を整えること。寝る前に鼻呼吸などで“脳を冷やす”のもおすすめの習慣です」と語ります。
さらに、「たんぱく質などの栄養素をしっかりとり、血糖値を急激に上げ過ぎない食べ方の工夫が自律神経を整えるカギです」と医師の溝口徹さん。早速、朝昼晩のセルフケア、始めてみませんか。
質の良い眠りには、4つの「朝の過ごし方」が重要だった!
自律神経のバランスを整え、質のよい睡眠をとるには、朝の過ごし方がとても重要。朝、バタバタと慌ただしく過ごすと、副交感神経が一気に低下してしまいます。気持ちよく1日をスタートするための、4つのポイントを紹介します。朝は“ゆったり過ごす”ことを意識しましょう。
1.目覚まし時計は穏やかでやさしい音に。スヌーズ機能はNG

大きなアラーム音で目覚めると急激に交感神経が高まり、再び寝ると副交感神経が優位に。さらにスヌーズ機能で起きて交感神経が高まるということを繰り返すと、自律神経が疲労してしまいます。目覚まし時計はやさしい音で、を心掛けましょう(小林さん)
2.ふとんの中で軽いツイスト運動を

目覚めたら、起き上がる前にふとんに入ったまま軽くストレッチを。血流が促進され、ゆっくり交感神経の働きを高められます。あおむけで両ひざを立て両手を横に伸ばし、息を吐きながら両ひざを左右に倒す“ツイスト運動”がおすすめ(小林さん)
3.起きたら、太陽の光を浴びて深呼吸

朝起きたら、カーテンを開けて朝日を浴びましょう。太陽の光は、副交感神経と交感神経のスイッチをスムーズに入れ替え、幸せホルモン“セロトニン”の分泌も促進。慌ただしい朝は呼吸が浅くなりがちなので、意識してゆっくり、深呼吸を(小林さん)
4.朝一番に水を“一気に”飲んで、腸を動かす

朝、起床後にコップ1杯の水を飲むと、眠っていた胃腸を起こし、副交感神経の働きが高まります。すると、急激に交感神経が働くことを防ぎ、自律神経のバランスが整います。常温の水を無理のない範囲で一気に飲むと、より胃腸に刺激が与えられて効果的(小林さん)
自律神経を整える「食事のコツ」3つ
ひと口30回!よく噛んで

自律神経を整えるには、食事の際、よく噛むことが重要。咀嚼することで、副交感神経の働きが高まり、リラックスしてストレスも軽減されます。朝昼晩の食事は、ひと口30回を目安に、しっかり噛むことを心掛けましょう(溝口さん)
血糖値を急激に上げないよう、“糖質よりたんぱく質が先”!
食事の後の血糖値の急激な上昇と低下は、自律神経に負担をかけ、さまざまな不調の原因に。朝昼晩の食事の際、ご飯やパンなど糖質をとる前に、食物繊維やたんぱく質をとることで、血糖値の急激な上昇を防げます(溝口さん)
たんぱく質とビタミンがとれる一石二鳥食材をとる
自律神経が乱れている人の多くは、たんぱく質やビタミンB群、鉄分などの栄養が不足しています。たんぱく質とビタミンなどの栄養素を一度にとれる一石二鳥の食材を、朝昼晩の食事に取り入れましょう(溝口さん)
次回は睡眠がよくなる昼と夜の過ごし方を紹介します。
取材・文=野田有香、塚本由香、井口桂介(すべてハルメク編集部)、イラストレーション=藤田ヒロコ、撮影=中西裕人、モデル=田口靖子、へアメイク=梅沢優子
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年7月号を再編集しています




