睡眠の質がよくなる!朝・昼・夜の自律神経セルフケア【昼・夜編】
睡眠の質がよくなる!朝・昼・夜の自律神経セルフケア【昼・夜編】
公開日:2025年03月10日
教えてくれたのはこの3人
小林弘幸(こばやし・ひろゆき)さん
順天堂大学医学部教授。自律神経の第一人者として数多くの患者を診察。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム刊)など著書多数。
梶本修身(かじもと・おさみ)さん
東京疲労・睡眠クリニック院長。著書に『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)シリーズなど。雑誌やメディアに多数出演。
溝口徹(みぞぐち・とおる)さん
医療法人回生會みぞぐちクリニック院長。福島県立医科大学卒業後、横浜市立大学附属病院などに勤務。『心の不調の9割は食事で治る』(フォレスト出版刊)など著書多数。
緊張やストレスをやわらげる、6つの「昼の過ごし方」
ゆとりのある朝からスタートすると、昼間は交感神経がしっかり働き、快適に過ごせます。昼間に意識するとよい6つのポイントを紹介します。日中、緊張やストレスを感じたときには、ポイント3の「タッピング」などゆるめる習慣を。
1.日差しが強い日はサングラスや日傘で目を保護

日中に外出する際、心掛けたいのは、紫外線から目を守ること。紫外線が目に入ると角膜で活性酸素が大量に発生し、炎症反応が脳から全身に伝わります。すると交感神経が高ぶって一種の臨戦態勢になり、自律神経の疲弊のもとに。サングラスや日傘などで目を紫外線から守りましょう(梶本さん)
2.昼食後は軽い散歩。適度な運動で血流もアップ

昼食後は血糖値が上がり、自律神経が乱れがち。買い物に行くついでなどに、軽く散歩をするなど体を動かすと、血糖値も安定し、血流も促進されます。日中、疲れ過ぎない適度な運動をすると、夜、質のよい睡眠につながります(小林さん)
3.外出先でも癒やしのタッピングで、緊張や疲れを和らげる

外出先などで疲れを感じたら、頭や顔、手の甲をトントンとタッピング。両手の人さし指、中指、薬指の指の腹を使い、一定のリズムで1分ほど、肌に触れるか触れないかくらいの強さで行います。疲れが和らぎ、副交感神経が活性化します(小林さん)
4.昼寝をする前に コーヒーを飲む
昼間の活動による自律神経の乱れをリセットするには、昼寝がおすすめ。ただ夜の睡眠に影響しないよう、昼寝は午後3時までに20分以内にするのがポイント。眠る前にコーヒーなどを飲めば、20~30分でカフェインの覚醒作用が効き、すっきり起きられます(梶本さん)
5.1日1か所、プチ片付けをして心もスッキリ

散らかった部屋は自律神経を乱すので、ほどよく整理しましょう。また片付ける行為自体も、副交感神経の働きを高めるのに有効です。でもやり過ぎは疲れにつながり逆効果なので、引き出し1つなど、1日1か所、プチ片付けを心掛けて(小林さん)
6.家事の合間に上を向き“ゆっくり、ニッコリ”

前かがみで行うことが多い家事。その姿勢が呼吸を浅くして、交感神経を優位にします。副交感神経を活性化するには、ときどき上を向いて深呼吸しましょう。ニッコリしながら行うとさらにgood。笑顔には呼吸を安定させる効果もあります(小林さん)
寝付きをよくして睡眠の質を上げる、7つの「夜の過ごし方」
夜は副交感神経を優位にすることが、よい睡眠のために大切。ここで紹介する7つの過ごし方を習慣づけることで、寝るときに副交感神経の働きを高めるスイッチが入りやすくなります。
1.寝る3時間前までに夕食を、1時間前までに入浴を
睡眠中に消化活動で自律神経に負担をかけないよう、夕食は就寝3時間前までに済ませましょう。またスムーズな入眠のためには、入浴は就寝1時間前に。熱い風呂は交感神経を刺激するので、湯の温度は38~40度、湯船につかるのは5~10分程度にします(梶本さん)
2.寝る前1分ストレッチで体をゆるめる

筋肉をゆるめて体をリラックスさせると、副交感神経が優位になり眠りの質がアップ。両肩を思い切り引き上げて力を入れたまま5~10秒保ち、その後脱力してストンと肩を落とし、20~30秒そのままに。これを2~3回繰り返します。血行がよくなって疲れもとれやすくなります(梶本さん)
3.美しい風景の写真集やアルバムを見て、疲れた心も癒やす

風景や花などの美しい写真を見ると、視覚から脳に刺激が伝わり呼吸が深くなります。それにより、副交感神経が優位に働きます。写真集を眺めるのはもちろんいいですが、自分のスマホで撮影した写真も有効です。美しい写真を見るためであれば、寝る前のスマホ利用もOKです(小林さん)
4.1分間の“土踏まずもみ”で、緊張をほどいて血流アップ

末梢の血流と自律神経にも深い関係があります。心臓から一番遠い位置にある足は、血流が滞りやすい場所。寝る前にもむことで、足が温まって眠りやすくなります。1分程度行えばリラックスでき、副交感神経にスイッチが入ります(小林さん)
5.寝る前の“鼻呼吸”で脳を冷やし、自律神経を癒やす

使い過ぎたパソコンが熱くなるのと同じように、日中に酷使された脳は疲労して熱がこもりがち。鼻から涼しい空気を吸って冷やすとよく眠れます。4秒吸ったら7秒息を止め、8秒かけて口から吐くことで、交感神経の高ぶりも抑制します(梶本さん)
6.温度と明るさ調整で寝る環境を整える
実は、自律神経にとって快適な温度は22〜24度。暑過ぎる部屋で寝ると自律神経の中枢が冷えず疲れがとれにくくなります。電気は真っ暗にせず、少しつけておくと途中で起きたときに不安感が薄れ、自律神経を刺激せずに再び眠れます(梶本さん)
7.右側を下にして寝ると、いびきを防ぎ自律神経も休まる

50代からは、のどの筋肉が弱まりいびきをかきやすくなります。いびきは低酸素状態を引き起こすため交感神経が活発に。横向き寝で気道を広く保ち、いびきを防ぎましょう。体の右側を下にすると胃腸の負担が減り、より自律神経が休まります(梶本さん)
最終回では読者3人が自律神経セルフケアを2週間実践したビフォー&アフターをお伝えします。
取材・文=野田有香、塚本由香、井口桂介(すべてハルメク編集部)、イラストレーション=藤田ヒロコ、撮影=中西裕人、モデル=田口靖子、へアメイク=梅沢優子
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年7月号を再編集しています




