
50代から「英語の学び直し」♪
「英会話ができるようになりたい」と、50代から英語を学び直す方が増えています!スキマ時間で簡単に英語学習ができるおすすめの方法は?
更新日:2025年02月18日 公開日:2025年02月06日
“骨卒中”リスクに備える1
「骨卒中」という言葉を聞いたことがありますか? 特に、骨密度が急低下しがちな50代以降の女性は、年齢を追うごとに骨卒中のリスクが増します。“骨の質”は生活の質そのもの。10年後も丈夫な骨と体でいるために、今できることとは?
獨協医科大学埼玉医療センター整形外科准教授。医学博士。東京医科歯科大学医学部医学科卒業後、同大学院医歯学総合研究科修了。米国コロンビア大学医学部博士研究員等を経て現職。主な著書は『80歳の壁を超える 骨がみるみる強まる骨粗鬆症の治し方大全』『首がみるみる強まる頚椎症の治し方大全』(ともに文響社刊)。
骨卒中とは主に骨粗鬆症(こつそしょうしょう)による脚の付け根部分の大腿骨骨折や、背骨の圧迫骨折(椎体骨折)を指します。歩行能力や生活の質の低下を招き、寿命に大きく影響を与えることから、「脳卒中と同等に危険なケガ」という意味で使われます。
「軽く転倒しただけで、大腿骨が折れた」「くしゃみをした拍子に、背骨を圧迫骨折した」――。「骨卒中」の症状は、80代以上の高齢者に起こるイメージが強いかもしれません。
一方で、「50代から、その前兆は始まっています」と骨粗鬆症の治療に詳しい整形外科医の猪瀬弘之さんは話します。
「女性ホルモンの一つ、エストロゲンは古い骨を分解・吸収する『破骨細胞』の働きを抑制し、骨を生成する『骨芽細胞』とのバランスをとる働きがあります。しかし閉経後はその分泌が激減し、破骨細胞の働きが過剰になりやすくなります。結果、50代以降は骨密度の低下が顕著になり、背骨の圧迫骨折(正式には椎体骨折)も50代から、大腿骨の骨折は70代から増加していきます。骨卒中は、比較的若い世代にも他人事ではないのです」
また猪瀬さんは、骨粗鬆症のリスク要因で見過ごされがちなのが、“痩せすぎ”だと指摘します。
「BMI(※1)18.5未満の方は低栄養などが原因で骨粗鬆症になりやすいことがわかっています。また現在は標準体重でも、若い頃に無理な減量をしたという方も要注意。骨密度は20歳頃にピークを迎えるため、そのときに骨量の“蓄え”が不十分だと、閉経後の骨密度の低下がより顕著になります」
※1 BMI=体重【kg】÷(身長【m】×身長【m】)。例えば、体重50kgで身長150cm(1.5m)であれば、50÷(1.5×1.5)で、BMIはおよそ22.2となります。
ある研究では、65歳以上の脚の付け根部分の大腿骨(大腿骨近位部)の骨折の生存率は術後5年で66.7%で、胃がんや直腸がん、結腸がんと同等。急に寝たきりになるリスクを考えると、ある意味“がんより怖い”とも言えます。
骨卒中の怖いところは、その後の健康寿命に大きく影響する点です。特に、脚の付け根部分の大腿骨の骨折は、5年生存率が“がんと同等”という研究結果もあります(上参照)。
「一度骨卒中を起こすと、2度、3度と骨折が連鎖する『ドミノ骨折』を引き起こす端緒になります(下図参照)。50歳以降の骨折は、決して単なるケガではありません。まずは骨粗鬆症を予防・改善し、“最初の骨折を防ぐ”ことが大切です」
よくあるのが、背骨が圧迫骨折を起こしてからの“ドミノ骨折”です。背骨の骨折が原因で腰が丸くなると、体のバランスが崩れやすくなり、転倒するなどして、大腿骨や他の骨が次々折れるケースも。結果、運動量が減り、筋力の低下で寝たきりになるリスクも増大します。
背骨の圧迫骨折
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転倒して大腿骨を骨折
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運動量が減り筋力が低下
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寝たきりリスクUP!
背骨を圧迫骨折すると、背骨の前側がつぶれるため、背骨や腰が前側に曲がりやすくなります。見た目の問題だけでなく、心肺機能の低下や日常動作の不具合も引き起こし、生活の質を大きく下げる原因になります。
背骨の圧迫骨折は痛みが軽いケースも多く、骨折してすぐは骨の変形が少なく、X線検査でも見逃されることもあるため、後から折れていたと判明する“いつの間にか骨折”が起こりがち。受診して問題ないと言われても、1週間以上腰の痛みが続く場合は再検査を。
次回から、猪瀬さんが患者さんに指導し、実際に効果があった方法を中心に、対策をたっぷり教えていただきます。
取材・文=新井理紗(ハルメク編集部)、イラストレーション=太田裕子
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年7月号を再編集しています。
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