「帯状疱疹」予防の切り札!50代から知っておきたい2種類のワクチン接種
「帯状疱疹」予防の切り札!50代から知っておきたい2種類のワクチン接種
更新日:2025年02月12日
公開日:2025年01月22日
教えてくれた人:本田まりこ(ほんだ・まりこ)さん
まりこの皮フ科(神奈川県横浜市)院長。1973年、東京女子医科大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学皮膚科入局。同大学院教授などを経て、2014年から現職。専門はアトピー性皮膚炎、ウイルス性疾患。『名医が答える! 帯状疱疹 治療大全』(監修/講談社刊)など著書多数。
予防効果の高いワクチンも!リスクのある人は検討を
日本では成人の9割以上が水ぼうそうにかかったことがあるといわれています。つまり、ほとんどの人が帯状疱疹になる可能性があるのです。
予防するには、疲労などで免疫の働きを低下させないことが重要です。規則正しい生活を送り、十分な睡眠と栄養バランスのよい食事を。また適度な運動や趣味などで上手にストレスを発散することも大切です。
さらに帯状疱疹の予防ワクチンも頼りになります。
「発症を防ぐ最も効果的な手段です。仮に発症したとしても、重症化や帯状疱疹後神経痛への移行を予防する効果も期待できます。50歳以上の方はぜひ接種を検討してください」と言うのは、まりこの皮フ科院長の本田まりこさん。

帯状疱疹の予防ワクチンは2種類あります
現在、帯状疱疹の予防ワクチンは2種類あります。
一つは、水痘・帯状疱疹ウイルスを弱毒化した“生ワクチン(商品名「ビケン」)”で、子どもの水ぼうそうワクチンと同じものです。接種回数は1回、費用は医療機関によりますが、1万円程度です。
「ただし1回の接種では十分な発症予防効果が得られないことも少なくありません。特に高齢になるほど予防効果は低下しますから、追加でもう1回接種した方がよい場合もあります」と本田さん。
もう一つは、 病原性をなくしたウイルスの成分を利用した“不活化ワクチン(商品名「シングリックス」)”。接種回数は2回で、費用は合計で5万円程度かかります。
「臨床試験では発症予防効果が97%、帯状疱疹後神経痛への移行を防ぐ効果が89%と、非常に高い効果が認められています」(本田さん)
生ワクチン「ビケン」

- 概要:臨床試験では発症を51%減少。帯状疱疹後神経痛への移行を67%減少。対象は50歳以上。妊婦や免疫不全の人には不可。費用の目安は1回1万円程度。
- 接種回数:1回(もう1回追加することも)
- 接種方法:皮下注射
- 効果の持続期間:3~11年程度
- 副作用:注射部位の軽い疼痛など
不活化ワクチン「シングリックス」

- 概要:臨床試験では発症を97%減少、帯状疱疹後神経痛への移行を89%減少。対象は50歳以上と、18歳以上のリスクの高い人。費用の目安は2回合計で5万円程度。
- 接種回数:2回(2回目は2か月後に)
- 接種方法:筋肉注射
- 効果の持続期間:9年以上
- 副作用:注射部位の疼痛、発赤、腫れ、発熱など
*『名医が答える! 帯状疱疹 治療大全』(本田まりこ監修)を基に作成
*接種は保険適用外のため、原則、全額自己負担
ワクチン接種に自治体の助成も
どちらのワクチンを選ぶかは、年齢や持病の有無、費用などを考慮し、医師と相談して決めるといいでしょう。また費用の一部を助成している自治体もあります。住んでいる自治体で実施されているか、サイトなどで確認を。
※2025年4月より定期接種となり、65歳を対象に費用の一部が公費で助成されます。今後5年間は、66歳以上の高齢者も対象となります。
なお、過去に帯状疱疹にかかったことがある人も、接種を検討した方がよいそうです。
「帯状疱疹に罹患すると水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫の働きが高まりますが、5年ほどたつと低下して、またかかりやすくなる可能性があります。特に持病のある方は5年を待たず、早めに接種した方がよいでしょう」と本田さんはアドバイスします。
帯状疱疹Q&A
帯状疱疹にかかった人・その家族や周りの人などが心配することをまとめました。
Q.帯状疱疹は人にうつるの?
A.帯状疱疹自体がうつることはありません
帯状疱疹はうつりませんが、水ぼうそうになっていない人にウイルスが感染すると水ぼうそうを発症することがあります。水ぼうそう未経験の子どもが近くにいる場合は、水ぶくれがかさぶたになって完全に乾くまでは接触を避けましょう。水ぼうそうワクチンを接種していても感染することがあるので気を付けて。
Q.水ぶくれがあるけどお風呂に入ってもいい?
A.構いません。入浴で皮膚を清潔に保ちましょう
水ぶくれをつぶさないよう、やさしく洗いましょう。温めると痛みが増す場合はシャワーで済ませて。
Q.治療中、食生活で気を付けることは?
A.栄養をしっかりとって十分な水分補給を
傷ついた皮膚や神経の修復を促すためにも、たんぱく質などの栄養を十分とりましょう。皮膚症状がある間はアルコールは控えて。また脱水になると薬の副作用が出やすくなるので、水分補給もしっかりと。
Q.帯状疱疹は一度なったら二度とかからない?
A.いいえ、かかる可能性はあります
「一度かかると免疫ができるので、もうかからない」と聞いたことがあるかもしれませんが、中には2度3度とかかる人も。加齢や持病などで免疫の働きが低下している人は、特に注意が必要です。
以上、3回にわたって帯状疱疹の予防や治療法について紹介しました。誰もがかかりうる可能性がある帯状疱疹。50代からは予防はもちろん、あやしいサインを見逃さず、早期発見・早期治療を意識しましょう。
取材・文=佐田節子、イラストレーション=藤原なおこ、構成=大矢詠美(ハルメク編集部)
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年6月号を再編集しています




