50代からは特に注意!帯状疱疹に「なりやすい人」「症状」セルフチェック

更新日:2025年01月24日 公開日:2025年01月22日

50代からは特に注意!帯状疱疹に「なりやすい人」&初期症状セルフチェック

50代からは特に注意!帯状疱疹に「なりやすい人」&初期症状セルフチェック

「ピリピリとした痛みが出てきた」「水ぶくれもある」……その症状は「帯状疱疹」かもしれません。80代までに3人に1人がかかるという帯状疱疹は、強烈な痛みをもたらすだけでなく、きちんと治療しないと神経痛などの後遺症を残す可能性もあります。帯状疱疹は早めに見つけ、早く治すことが大切です。

教えてくれた人:本田まりこ(ほんだ・まりこ)さん

まりこの皮フ科(神奈川県横浜市)院長。1973年、東京女子医科大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学皮膚科入局。同大学院教授などを経て、2014年から現職。専門はアトピー性皮膚炎、ウイルス性疾患。『名医が答える!  帯状疱疹 治療大全』(監修/講談社刊)など著書多数。

50代から発症率が増加!「帯状疱疹」とは?

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、その名前の通り、帯状に疱疹(小さな水ぶくれ)が広がる病気。子どもの頃に水ぼうそうにかかった人に起こります。

「水ぼうそうを引き起こす“水痘・帯状疱疹ウイルス”は、水ぼうそうが治った後も脳脊髄近くの感覚神経節にじっと潜んでいます。このウイルスが加齢などを機に再び活性化すると、増殖しながら神経に沿って皮膚へと移動。この結果、激しい痛みと水ぶくれなどの皮膚症状が引き起こされます」。
こう説明するのは、帯状疱疹に詳しい、まりこの皮フ科院長の本田まりこさんです。
 

50代から発症率が増加!「帯状疱疹」とは?
2009年から15年までに宮崎県内の医療機関を受診した帯状疱疹患者3万4877人を対象にした調査結果(「宮崎スタディ」と呼ばれる大規模疫学調査)。男性より女性が多く、発症率は50代から増加し、70代でピークに。
出典:Shiraki K. et al.: Open Forum Infect Dis. 4(1), ofx007, 2017

帯状疱疹は女性に多く、50代以降に発症率が増加。80歳までに約3人に1人がかかるといわれています。さらに近年は患者数が増えているとの報告も。その背景にあるのが、2014年から始まった子どもの水ぼうそうワクチンの定期接種だといいます。

「水ぼうそうにかかった子どもに接すると、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫が刺激されて活性化する“ブースター(追加免疫)効果”が得られます。ところが、ワクチン接種で子どもの水ぼうそうが減ったため、この効果を得にくくなったのです。このため、若い世代での発症も増えています」と本田さん。

また最近は新型コロナウイルス感染症やそのワクチン接種によって帯状疱疹が増えているとの報告も。「免疫の働きが乱れるからではないかと考えられています」(本田さん)

過労やストレスが引き金!症状は体の片側だけ

過労やストレスが引き金!帯状疱疹の症状は体の片側だけ

帯状疱疹を発症しやすいのは、加齢や疲労、ストレス、睡眠不足などで免疫の働きが落ちたとき。「夏場に多い傾向があり、旅行の疲れや夏バテなどが引き金になることもあります」と本田さん。

また糖尿病やがん、アトピー性皮膚炎、喘息、関節リウマチ、膠原病などの持病がある人も発症しやすいので要注意です。

こんな人は特に要注意!

  • 女性
  • 50歳以上(70代がピーク)
  • 疲れや精神的ストレスがたまっている
  • 糖尿病やがん、アトピー性皮膚炎、花粉症、喘息、関節リウマチ、膠原病などの持病がある
  • ステロイド薬、抗がん剤、JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬などを使用している

症状はほとんどの場合、体の片側に現れます。多いのは胸や脇、顔などの上半身。痛みが出た後、同じ場所に赤い発疹が現れてきたら、帯状疱疹のサインです。早く受診して治療を受けましょう。

こんな症状はありませんか?

▢ピリピリ、チクチクするような痛みが出てきた 
▢虫刺されのような赤い発疹が出てきた 
▢発疹や痛みは体の片側だけにある 
▢発疹は帯状に並んでいる 
▢痛みと発疹がほぼ同じ場所にある 
▢症状が出る前に疲労やストレスがあった
 
帯状疱疹は早期発見がカギです。我慢せずに治療を始めましょう。

帯状疱疹は上半身に多くできます

帯状疱疹は上半身に多くできます

全体の20%近くが目や鼻、額、頬などに出る。視力の低下や難聴、顔面神経麻痺などを合併することもあるので要注意

のど

のどの片側の粘膜に水ぶくれができて痛む。同じ側の耳の痛みや頭痛も伴う。扁桃炎や口内炎と間違われることも

胸や脇は発生頻度が高い部位で、全体の30%強を占める。赤い発疹が胸から脇腹にかけて帯状に広がることも多い

左右どちらかの腕や肩、手に現れることもある。重症の場合は運動神経が障害されて、腕が上がらなくなることも

お腹

腹部にできることも少なくない。便秘や腹部膨満感、腹痛などの症状を伴うことも

太もも

中には太ももなどの脚に出ることも。太ももの裏側や脚の付け根、あるいは脚から腰にかけて症状が出ることもある

次回は帯状疱疹治療の3つのポイントを紹介します。

取材・文=佐田節子、イラストレーション=藤原なおこ、構成=大矢詠美(ハルメク編集部)

※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年6月号を再編集しています

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