早めの受診がカギ!発疹が出たら迷わず受診…帯状疱疹治療の3つのポイント
早めの受診がカギ!発疹が出たら迷わず受診…帯状疱疹治療の3つのポイント
更新日:2025年02月05日
公開日:2025年01月22日
教えてくれた人:本田まりこ(ほんだ・まりこ)さん
まりこの皮フ科(神奈川県横浜市)院長。1973年、東京女子医科大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学皮膚科入局。同大学院教授などを経て、2014年から現職。専門はアトピー性皮膚炎、ウイルス性疾患。『名医が答える! 帯状疱疹 治療大全』(監修/講談社刊)など著書多数。
発疹が出たら迷わず病院に!早めの治療開始がカギ
胸や脇腹、顔などにピリピリするような強い痛みが突然現れ、数日~1週間ほどすると、痛みのある場所に虫刺されのような赤いブツブツも出てきた……。これが帯状疱疹の典型的な始まり方です。
「最初は何の病気か気付かないことが多いですが、強い痛みと赤い発疹が体の片側だけに出たら、帯状疱疹の疑いが濃厚です」と話すのは、まりこの皮フ科院長の本田まりこさん。
帯状疱疹の皮膚症状は、時間とともに変化します(後述の写真参照)。最初は虫刺されのようだった赤い発疹が水ぶくれになり、やがて膿がたまった黄色っぽい“膿疱(のうほう)”に。そして、しばらくすると膿疱が破れ、かさぶたになって治癒へと向かいます。
「赤い発疹などの皮膚症状が最初に出てから『3日以内』に治療を始めるのが理想的です。早ければ10日程度で症状が消えます。治療が遅れると重症化したり、後遺症が残ったり、治った後も皮膚に痕が消えなかったりすることがありますから、できるだけ早く皮膚科で診てもらいましょう」と本田さんは話します。

帯状疱疹にかかった50代編集部員の体験談
7月の梅雨どき、右のお腹と腰回りに赤い湿疹が出て、最初はダニなのかしらと思いました。1日放置して、でも体の片側に集中しており痛みが強くなるので、そこで初めて「帯状疱疹」を疑いました。
振り返って考えると、湿疹に気付く4日ほど前に、 ありえない強い腰痛があったのです。あれが最初の症状だったのか!とすぐ受診。「3日以内でよかった」と医師に言われました。
最初の症状の「痛み」も「湿疹」も、つい違うものだと見過ごしがち。湿疹が集中して出たら、「振り返って最近、痛みが出ていなかったか」と考えてみるのも手遅れにならない方法かもしれません。
帯状疱疹の治療、3つのポイント

ポイント1:皮膚の症状が出てから「3日以内」に治療を始める
ポイント2:抗ウイルス薬を1週間飲み続ける
ポイント3:痛みを我慢せず、しっかりと抑える
痛みに加えて皮膚症状が出てきたら、早く受診を。3日以内に抗ウイルス薬を飲み始めると治りが早い。処方された1週間分を最後まで飲みきるのが鉄則。後遺症を残さないためにも、痛みを我慢するのは禁物と心得て。
帯状疱疹が治るまで
【痛み】
数日~1週間ほど続く
【虫刺されのような発疹】この段階で治療を始める!

赤く、小さな虫刺されのような発疹が数個集まって現れ、水ぶくれになる
【膿のたまった膿疱になる】

4~5日経過すると、透明だった水ぶくれが黄色い膿疱に変わる。痛みが最も強い時期
【ただれ、潰瘍】
6~8日たつと膿疱が破れて、ただれや潰瘍に。その後は乾いてかさぶたになる
【治癒】
かさぶたがはがれて皮膚がきれいになる頃には痛みが消えることが多い。痛みだけが続く場合は「帯状疱疹後神経痛」(後述)に移行しないよう、痛みの治療を。
痛みを我慢せず体を休めて
治療の基本は、水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬で、1週間分処方されます。症状が改善しても、ウイルスの活動を完全に封じ込めるには、最後まで飲みきることが肝心です。
また痛みをしっかり抑えることも重要です。ウイルスは体の奥から神経を破壊しながら皮膚に移動してきますから、ピリピリ、ズキズキする強い痛みを伴います。
「痛みを我慢したり放置したりすると、さらに神経が興奮して痛みがもっとひどくなります。痛みの後遺症を残さないためにも、抗ウイルス薬に加え、鎮痛薬も使って痛みを鎮めるようにしてください」と本田さん。
なお鎮痛薬を服用しても痛みが十分に抑えられない場合は、炎症を抑える作用が強いステロイド薬や、鎮痛作用のある抗うつ薬などが処方されることもあります。
帯状疱疹は過労やストレスが引き金になりますから、薬による治療だけでなく、体をしっかり休めることも大切です。十分な睡眠をとり、リラックスを心掛けましょう。ウォーキングなどで体を適度に動かしたり、入浴で体を温めたりするのもおすすめ。全身の血流がよくなり、滞っていた痛み物質が流されて痛みが和らぐ可能性があります。
帯状疱疹後の神経痛に要注意
皮膚症状は治ったのに、痛みだけが残る……。
帯状疱疹の発症から3か月以上痛みが続くのが、「帯状疱疹後神経痛」です。ズキンズキンと疼(うず)く、焼けるように痛むなど、神経が傷害された激痛で日常生活に支障が出ることも。
発症当初から痛みが強かった、発疹が広範囲に及んでいた、糖尿病などの持病がある、60歳以上であるといった場合は、この後遺症が残りやすいので注意を。痛みが長引く場合は放置せず、ペインクリニックなどで必ず治療を受けましょう。
次回は予防効果の高いワクチン接種についてお伝えします。
取材・文=佐田節子、イラストレーション=藤原なおこ、構成=大矢詠美(ハルメク編集部)
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年6月号を再編集しています




