2週間で腸内環境を改善!善玉菌を増やして大腸ケア

腸内環境はどのくらいで変わる?期間&セルフチェック

加藤大也
監修者
たいや内科クリニック
加藤大也

公開日:2024.01.12

腸内環境はどのくらいで変わるかは個人差もあるものの、2週間ほど腸活を続けることで変化を感じる人が多いそう。腸内フローラ改善のための必要期間、腸内環境のチェックリスト、改善方法を解説!免疫・解毒・排泄など「健康の要」である腸を守りましょう!

腸内環境(腸内フローラ・腸内細菌叢)とは?

腸内環境(腸内フローラ・腸内細菌叢)とは?

腸内環境とは、腸内にすむ細菌を含めた腸内全体の環境のことです。

大腸には数えきれないほどの細菌がすみ着いており、約1000種類、数は40兆個とも100兆個ともいわれる細菌がバランスを取りながら腸内環境を整えています。

これら腸内細菌のバランスが、まるで花畑のように見えることから「腸内フローラ(腸内細菌叢)」とも呼ばれています。

「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」の割合が、理想的な腸内環境のバランスです。

腸は、消化吸収だけでなく人間の全身の健康に大きく関わっている器官。腸の主な働き7つを見てみましょう。

  • 消化……食べ物の分解
  • 吸収……栄養の吸収
  • 合成……全身の健康に欠かすことのできないさまざまなビタミン類や、ホルモン、酵素の合成
  • 解毒……肝臓による化学物質の分解・デトックス(解毒)のサポート
  • 免疫……免疫力のおよそ70%は腸で作られている
  • 浄血……腸の健康を維持することできれいな血液が作られる
  • 排泄……体に不要なもの・有害物質を体外へ排出

健康の要ともいえる腸内環境を良くすることが大切です。

腸活って?

腸活とは、栄養バランスの取れた食事や腸に良い食品、規則正しい生活、適度な運動などによって腸内環境を整えることを指します。無理なくまずはできることから始めてみましょう。

あなたの腸内環境は?チェックリスト!

あなたの腸内環境は?チェックリスト!

自分の腸内環境が気になる人は、以下の24項目の腸内環境チェックリストでチェックしてみましょう。

【食事について】

  • 野菜を食べることが少ない
  • 肉をよく食べる
  • 食事を食べる時間が不規則
  • 朝食を食べないことが多い
  • 早食い気味
  • 満腹になるまで食べてしまう
  • 週の半分以上は外食
  • お酒をたくさん飲む

【生活習慣について】

  • 起床時に空腹を感じない
  • 睡眠の質がよくない
  • 常に仕事や家事で忙しい
  • 1日の運動時間が30分未満
  • 肌荒れ・ニキビがなかなか改善しない
  • ストレスが多く、イライラしがち
  • 気分が落ち込みやすい、やる気が出ない
  • 湯船に浸からずシャワーで済ませることが多い

【便の状態について】

  • 毎日排便がない
  • ときどきお腹を壊してゆるい便が出る
  • いつも便が硬め
  • 便の色がこげ茶や黒っぽい色など暗い色をしている
  • 排便後スッキリした感じがしない
  • いきまないと便が出ない
  • 便・おならの臭いが気になる
  • お腹が張っている感じがする

チェックが0~5個の場合は、腸は元気な状態です。

6~15個の人は、腸が疲れてぜん動運動が滞っている可能性があるでしょう。

16個以上の人は腸がかなり弱ってしまっている状態です。悪玉菌の増加により腸内環境が悪くなっている可能性があるため、腸活を行って腸内環境を整えるといいでしょう。

腸内環境はどのくらいで変わる?

人によって個人差はあるものの、腸内環境は2週間ほどで変わる効果を実感できるといいます。

腸内環境は自分の目で見てチェックすることができないため、腸にいい生活や食事を続けても、「効果が実感できない」と感じるかもしれません。

しかし、目には見えなくとも体は変化しています。効果がないと思って腸にいい習慣をやめてしまうと、せっかく起きていた良い変化が元に戻ってしまう可能性もあるため、コツコツと腸活を続けることが大切です。

腸活の期間別の変化

腸活の期間別の変化

ここからは、1週間・2週間・1か月・3か月の腸活の期間別の変化をご紹介します。

便秘がちな人、下痢気味の人、腸内環境が悪い人も腸に良い生活や食事を続けることで、腸内環境を整えることができるでしょう。

1週間:便の調子・体調が変わってくる

腸活を続けていると、1週間ほどで便の様子に変化が現れてきます。朝の目覚めが良くなるなど、体調が良くなった効果を感じる人もいるようです。

2週間:腸内細菌が入れ替わる

2週間経つと、腸内細菌の多くが入れ替わり、腸内フローラのバランスが変化します。

個人差もありますが、腸に良い習慣を始めてから2週間ほどで腸内環境が改善された効果を感じる人が多いです。

1か月:体型の変化を感じることも

1か月ほど経過すると、腸内環境が改善された影響で、ぽっこりお腹がへこむなど体型の変化を感じる人も。腸活は下腹ぽっこりが気になる人にもおすすめの習慣です。

3か月〜:良い腸内環境に変わってくる

腸活によって良好な腸内環境のベースができあがってくるのは、腸活を始めてから3か月ほどが目安です。

腸内環境は、肥満にも影響しています。

腸内には「デブ菌(ファーミキューテス門)」と「ヤセ菌(バクテロイデーテス門)」と呼ばれる日和見菌がいますが、デブ菌が活性化すると、肥満になる傾向があります。

腸内環境が改善されると、これらの細菌のバランスが整うことで自然に痩せるケースもあるようです。

良好な腸内環境を保つには「継続」が大切

腸活環境は2週間ほどで改善効果を感じる人が多く、3か月ほど経つと良い腸内環境のベースができあがってくるといわれています。

しかし、食事から摂取した善玉菌(プロバイオティクス)や善玉菌のエサ(プレバイオティクス)は、便として排泄されるため、腸内に定着させておくことはできません。

3か月経ったからといって腸活をやめてしまうと、腸内環境が悪い状態に戻ってしまう可能性があります。

そもそも、腸活フローラのバランスは崩れやすいもの。

動物性タンパク質や脂質が多い現代人の食生活、加齢、飲んでいる薬の影響(抗生物質など)、ストレスなどによって腸内フローラのバランスは崩れてしまいます。

腸内環境をいい状態に保つためには、毎日コツコツと腸活を続けることが大切です。

合う菌・合わない菌の判断は2週間を目安に

腸内環境を改善するためには、食事も大切です。腸にいい食品として代表的なものに「ヨーグルト」があります。

ヨーグルトにはさまざまな商品があり、含まれる乳酸菌も異なりますが、自分に合うものと合わないものがあることがわかってきています。

目安としては、2週間ほど同じ種類のヨーグルトを食べ続けてみるといいでしょう。何も変化を感じない場合は、体に合っていない可能性があります。

腸内環境を見極める4つのポイント

腸内環境を見極める4つのポイント

自分の腸内環境がいいのか悪いのかは、腸内フローラ検査を受けることでチェックできますが、費用がかかります。

手軽に腸内環境の状態を知りたい場合は、便の状態をチェックしてみるのがおすすめです。

便の硬さ

理想的な便とされるのは、表面がなめらかで柔らかいソーセージ状の便です。このようなほどよい柔らかさの便はいきまなくてもスルッと出やすく、排便もスムーズになります。

便の色

健康な便の色は黄土色〜茶色をしていますが、便の色は食べたものや体調に影響されることもあります。

  • 黄色……牛乳の飲み過ぎ、下痢
  • 茶褐色……食べ過ぎ、飲み過ぎ
  • 濃い褐色……肉類の食べ過ぎ、ココアやチョコレートの食べ過ぎ、便秘
  • 緑色……クロロフィルを多く含む食品(緑黄色野菜など)を大量に食べた

その他、黒色(タール便)、赤褐色、灰白色などは病気が原因になっている可能性も。不調を感じている場合は早めに病院で詳しい検査を受けましょう。

便のニオイ

どんな人でも便は臭うものですが、腸内環境が良い状態であればそれほど強いニオイにはなりません。

腸内環境が乱れ、ウェルシュ菌などの悪玉菌が増加すると、インドール、アンモニア、硫化水素などの腐敗物質を作り出し悪臭につながります。

また、肉を食べることが多く動物性タンパク質や脂肪をたくさん取っているとき、運動不足やストレスを感じているときは嫌なニオイが強くなりがちです。

便の頻度

排便回数は個人差が大きく、1日3回〜1週間に3回の範囲内であれば正常といわれています。

2〜3日に1回の排便でも便の状態が正常で、本人が苦痛を感じていなければ便秘ではありません。反対に、毎日排便はあるものの便が硬かったり、排便後にスッキリしない場合は便秘になります。

腸内環境を変える方法

腸内環境を変える方法

ここでは、腸内環境を変える方法を解説します。

ビフィズス菌と酪酸菌を増やす食生活

腸内環境を良くするためには、善玉菌として知られるビフィズス菌と酪酸菌(らくさんきん)を増やす食生活を心掛けることが大切です。

これらの善玉菌は、悪玉菌が増えるのを防ぎ腸内環境を整える効果のある「短鎖脂肪酸」を作ってくれます。

ビフィズス菌や酪酸菌を増やすためには、水溶性食物繊維をしっかり取るのがおすすめです。水溶性食物繊維はさまざまな食品に含まれていますが、中でも長芋や大和芋、ととろ昆布、もずく、めかぶ、納豆などネバネバ食材に豊富。

また、発酵食品には乳酸菌、ビフィズス菌、麹菌、酪酸菌納豆菌などが含まれているため、発酵食品も積極的に取りたい食材です。

栄養バランスのいい食事を基本に、ビフィズス菌と酪酸菌を増やす食生活を心掛けると良いでしょう。

腸活レシピを活用するのもおすすめです。

適度な運動を習慣化する

体を動かすと、運動の刺激によって腸が動きやすくなります。

毎日30分ほど有酸素運動で体を動かすのを習慣化しましょう。排便でいきむためには腹筋が必要なため、筋力をつける筋トレを行うのもおすすめです。

また、腸と自律神経には関わりがあり、腸のぜん動運動は副交感神経が優位なときに活発になります。習慣的な運動は自律神経を整えることにつながるでしょう。

ストレスがあると交感神経が優位になりやすく、腸の動きが悪くなります。運動はストレス発散にもなるため、ウォーキングなど簡単な運動を習慣化してみましょう。

質の高い睡眠を取る

睡眠は腸内環境にも影響します。睡眠時間が短い人は、免疫機能で重要な役割を果たす物質「αディフェンシン」の分泌量が少ないことが報告されています。

睡眠不足になると腸内環境の乱れにつながるため、しっかりと質の高い睡眠を取ることが大切です。

毎日の食事・習慣で腸内環境を整えよう!

人間の腸内には約1000種類、40兆~100兆個もの細菌がすみ着いており、バランスを取りながら腸内環境をつくっています。

腸内環境は毎日の食事や生活習慣に大きく影響され、腸活を続けると2週間ほどで改善効果を感じられる人が多いです。ただし、一度改善しても悪い生活習慣・食生活に戻ると、腸内環境はまた悪くなってしまいます。

毒素を溜め込まず腸がきれいな状態を保つためには、腸にいい食事や習慣を毎日コツコツ続けることが大切です。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

監修者プロフィール:加藤大也さん

加藤大也さん

たいや内科クリニック院長。1997年、藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)卒業後、同大学院医学研究科内分泌・代謝内科学修了。2003年4月から同大学医学部内分泌・代謝内科助手を務める。2010年5月、JA愛知厚生連豊田厚生病院内分泌代謝科病棟部長などを経て2022年5月、たいや内科クリニックを開院。藤田医科大学医学部客員講師・医学博士・糖尿病専門医・総合内科専門医・甲状腺専門医。糖尿病、生活習慣病を中心に、日々診療に取り組む。患者さん目線で分かり易い説明がモットー。

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