「脂肪燃焼に必要な栄養素」が鍵!減量中もOKな食品

ダイエットにいい食べ物おすすめ一覧!痩せる栄養素も

吹田 春佳(LIGHT CLINIC 副院長)
監修者
LIGHT CLINIC 副院長
吹田 春佳

公開日:2022.10.31

更新日:2023.01.25

ダイエットにいい食べ物にはどんなものがある?食べるだけで痩せる食べ物はありませんが、脂肪燃焼のために重要な栄養素が存在します。ただ食べないカロリー制限は栄養不足や筋肉低下を招くことに。おいしく食べて痩せたい人におすすめの食材を一覧でご紹介。

そもそも太るのはなぜ?6つの理由

そもそも、なぜ太ってしまうのでしょうか?太る原因としては、主に以下の6つの理由が考えられます。

  1. 摂取エネルギーが多い(食べ過ぎなど)
  2. 脂質過剰
  3. 糖質過剰
  4. インスリンの過剰分泌
  5. 栄養バランスの乱れ、栄養不足
  6. 更年期の影響

摂取エネルギーが多かったり、脂質・糖質が過剰になると消費し切れなかったエネルギーが体に蓄積されて、太ってしまいます。

「肥満ホルモン」とも呼ばれ、使わないエネルギーを体に溜め込む働きを持つインスリンの過剰分泌も太る原因の一つです。糖質をたくさん摂ると血糖値が上昇し、インスリンが過剰に分泌されやすくなります。

また、意外かもしれませんが、栄養バランスの乱れや栄養不足も太る原因になります。

糖質や脂質の代謝に必要な栄養素が不足することで、摂取した糖質や脂質を代謝しにくくなってしまうためです。そのため、痩せるためだからといって無理なカロリー制限をしたりするのはNG。

さらに50代女性の場合、更年期の影響で脂肪燃焼を促すエストロゲンが激減することも、太る理由になります。

脂肪燃焼に必要な栄養素って?

脂肪燃焼に必要な栄養素って?

「これを食べれば簡単に減量できる」という、食べるだけで痩せる食べ物はありませんが、脂肪燃焼に必要な栄養素を意識的に摂取し、栄養バランスを整えることが健康的に痩せるコツです。

脂肪燃焼で重要となる栄養素は、「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」の3つです。

タンパク質

三大栄養素の一つであるタンパク質は、脂肪燃焼のために重要な栄養素です。

筋肉や、肌や髪、内臓など体の大部分はタンパク質によって作られています。太りにくく痩せやすい体を作るために重要な基礎代謝の維持にも欠かせません。

また、エネルギーを消費するためのホルモンや酵素などの原材料もタンパク質です。タンパク質が不足すると筋肉が落ちることで代謝が低下し、体の機能も落ちてしまいます。

ビタミン・ミネラル

ビタミンやミネラルは、エネルギーそのものになったり、体を作る材料にはならないものの、炭水化物・脂質・タンパク質という三大栄養素のエネルギー変換を助けるという重要な役割を持っています。

糖質の代謝に使われる「ビタミンB1」、脂質の代謝に使われる「ビタミンB2」、タンパク質をアミノ酸に分解し筋肉への合成を促す「ビタミンB6」など、代謝を高めて脂肪を燃焼させることが必要なダイエットに欠かせない栄養素です。

減量をサポート!ダイエットにいい食べ物おすすめ一覧

ここからは、ダイエットに向いているおすすめの食べ物をご紹介します。

ビタミンB群が豊富な食べ物

豚肉

豚肉は、ダイエットにいいとされているおすすめの食べ物です。糖質をエネルギーに変換するビタミンB1が豊富に含まれています。

中でも、豚のもも肉やヒレ肉、肩ロース肉など赤身の部分はビタミンB1が豊富。油の多い部分は脂質の取り過ぎにつながるため、赤身の肉を選びましょう。

ビタミンB1は、不足すると体のだるさや疲労感、倦怠感などの症状が起こることがあります。豚肉は疲労回復したいときにもおすすめの食べ物です。

また、肉であれば脂肪酸をエネルギーに変える働きを助けるL-カルニチンを含むラム肉もおすすめです。

ビタミンB1の他にも、ビタミンB2やビタミンB6、ビタミンB12も大切なため、ビタミンB群を含む食材を取り入れることを意識しましょう。

悪玉コレステロール(LDL-コレステロール)や中性脂肪を下げ、体脂肪減少に寄与するEPAやDHAが豊富なマグロやサンマもおすすめです。これらにはビタミンB6も豊富に含まれています。

雑穀や玄米

雑穀や玄米

糖質制限ダイエットなど、糖質はダイエットの天敵として避けられることが多いですが、体のエネルギーを作る大切な栄養素でもあります。糖質を制限し過ぎると、体がエネルギーを作り出すために筋肉を分解し、筋肉が減ってしまうことに。

無理な糖質制限や炭水化物抜きダイエットは50代女性には逆効果なので、雑穀や玄米など、良質な糖質を適度に摂取した方が脂肪燃焼につながるでしょう。

食物繊維が豊富で、白米に比べてGI値の低い玄米は食べた後の血糖値の上昇が緩やかになるのでおすすめです。

納豆

納豆

納豆には、脂肪をスムーズに分解して太りにくい体を作るビタミンB2が豊富です。ビタミンB2を含む食品には動物性のものが多いですが、納豆は植物性の食品であり、脂肪が少ないことがダイエット中にもうれしいポイント。

また、納豆にはパントテン酸と呼ばれる成分が豊富に含まれており、これが抗ストレスホルモンの材料になります。ダイエット中は食事制限など、我慢しなければならない場面もたくさん。ストレスは食べ過ぎにもつながるため、納豆にはストレスによる食べ過ぎや飲み過ぎを減らす効果も期待できるでしょう。

厚揚げ

厚揚げ

植物性タンパク質がたっぷりの厚揚げも、ダイエットにおすすめの食材です。脂肪が少なく、それでいて食べごたえもしっかりあります。

日頃、動物性タンパク質を食べる機会が多い人は、ぜひ厚揚げで植物性タンパク質を取り入れてみましょう。厚揚げの油が気になるという人は、お湯をかけて油抜きをしてから食べてもOKです。

こんにゃく

こんにゃく

こんにゃくは97%を水分が占めているヘルシーな食材です。

こんにゃくに含まれるグルコマンナン(コンニャクマンナン)は便のかさを増やし、腸内細菌のエサになってくれるため、ダイエットの天敵である便秘解消に役立ちます。血中コレステロール値を下げる効果や、血糖値の上昇を抑える効果も期待されています。

きのこ類・海藻類

きのこ類・海藻類

不溶性食物繊維が豊富なきのこ類は、噛む回数が増えることで満腹感につながります。消化にも時間がかかるため、満腹感が続きやすいことや、腸内環境を整える効果が期待できることもメリットです。

海藻類には水溶性食物繊維が豊富に含まれています。塩分であるナトリウムを体外に排出してむくみの改善・防止、血糖値の急上昇を防ぎ、余分な脂肪の蓄積を防止する効果があります。

キャベツ

キャベツ

キャベツは食物繊維が豊富です。腹持ちが良いため、無駄な間食を減らせるというメリットがあります。また、キャベツに含まれる特有の成分「キャベジン(ビタミンU)」には、過剰な胃酸分泌を抑え、弱った胃粘膜を修復して丈夫にする効果があります。

食べ過ぎてしまった翌日は主食をキャベツに置き換えると、過剰に取り過ぎてしまったカロリーを調整しつつ、胃をいたわることができるでしょう。

ただし、マヨネーズやドレッシングなど、キャベツにかけるものでカロリーを取り過ぎないよう注意が必要です。

パントテン酸が豊富な野菜

パントテン酸が豊富な野菜

食べ過ぎを防ぐためには、ストレスをためないことが大切です。パントテン酸が豊富な野菜は、抗ストレスホルモンを増加させてくれます。おすすめはアボカドやさつまいも、モロヘイヤです。

ブロッコリーにも抗ストレスホルモンの分泌をよくするビタミンCが豊富で、肌や髪を艷やかにするβ-カロテンもたくさん含まれています。

りんご・キウイ・いちご

りんご・キウイ・いちご

フルーツに含まれる単糖は脂肪になりやすいものの、りんご・キウイ・いちごは単糖が少なく、ダイエット中におすすめのフルーツです。

便通をよくする効果のある不溶性食物繊維「ペクチン」が豊富で、血中コレステロール値を低下させるなどの働きもあります。

ヨーグルト

ヨーグルト

下腹がぽっこりと出たぽっこりお腹が気になる場合、便秘が原因になっている可能性があります。便秘になると血行やリンパの流れが悪くなり、余分な水分が体にたまりやすくなることでむくみが起こります。

ヨーグルトには、代表的な善玉菌として知られる乳酸菌やビフィズス菌が豊富。食物繊維豊富なりんご・キウイ・いちごを入れて食べるのもおすすめです。

ダイエット中に食べてもいいおやつ

ダイエット中とはいえ、おやつ(お菓子)が食べたくなるときもあるもの。実は、ダイエット中のおやつは栄養素を摂取できる、血糖値の急上昇を防ぐ、イライラや集中力低下防止などのメリットもあります。

以下は、ダイエット中に食べてもいいおやつです。

  • 小魚
  • さつまいも
  • チーズ
  • ハイカカオチョコレート
  • ナッツ
  • サラダチキン
  • おしゃぶり昆布・茎わかめ
  • 鮭とば・ビーフジャーキー・するめ
  • ヨーグルト
  • 寒天ゼリー・ところてん
  • 砂糖や脂質の使用量を減らした手作りお菓子

ダイエット中におすすめの飲み物は、緑茶や紅茶、コーヒー、お茶など砂糖を含まないものが基本。清涼飲料水(ジュース)やスポーツドリンク、甘く味付けをした調整豆乳はダイエット中は避けるようにするといいでしょう。

ダイエット中の食事の食べ方の注意点・ポイント

ダイエット中の食事の食べ方の注意点・ポイント

ここからは、ダイエット中の食事の食べ方の注意点やポイントをご紹介します。

極端な食事制限はしない

痩せるためだからといって、極端な食事制限をするのはNG。一時的に体重は減るかもしれませんが、筋肉が落ちて痩せにくい体質になったり、体調を崩してしまう可能性があります。

また、無理な食事制限はストレスを引き起こし、暴飲暴食によるリバウンドやダイエットの挫折につながる可能性も。栄養バランスに注意しつつ、1日3食を食べるようにしましょう。

特定の食品ばかり食べず、栄養バランスを整える

健康的にダイエットを行うためには、栄養バランスを整えることが大切です。特定の食べ物だけをずっと食べ続けると栄養が偏ってしまい、体調を崩したり、代謝に必要な栄養素が不足して脂肪が燃焼しにくくなってしまう可能性があります。

例えば、ビタミンD不足になるとカルシウムの吸収が悪くなります。女性は閉経により女性ホルモンが減少すると骨粗鬆症リスクが高くなるため、健康を損なわないためにも栄養バランスが大切です。

大人女性のダイエットにはバランスのいい食事が大切!

ダイエットというと、食べる量を減らしてカロリーを制限することも多いですが、ただカロリーを減らすだけでは代謝に必要な栄養素が不足し、思うように減量につながらない可能性があります。

脂肪燃焼に重要なタンパク質やビタミン・ミネラルを含む食べ物など、ダイエットにいい食材を取りつつ、他の食品も栄養のバランスを考えて摂取することが大切です。

監修者プロフィール:吹田 春佳さん

吹田 春佳さん

LIGHT CLINIC 副院長。30年、50年先の健康を見据えた肥満治療普及を目指してダイエット専門クリニックLIGHT CLINIC(ライトクリニック)を立ち上げ。健康的にダイエットができるよう、内服治療の相談、ダイエット施術から食事・運動指導まで、ダイエットのトータルサポートを提供している。

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