公開日:2020/07/28
更新日:2022/03/12
日本におけるメイクアップの第一人者で美容研究家の小林照子さんは、取材時なんと83歳! 大人女性が気になる髪と手も、ピカピカでつやつや。どうすればここまで若々しさを保てるの?何か特別なことをしているの?小林さんの美の秘訣に迫っていきましょう。
「外見は一番外側の中身だ」という言葉があります。自分を大切にする姿勢は見た目にも表れる、ということでしょうか。加齢にともない、髪や肌が変化するのは避けられないこと。でも、少し時間を作ってケアをすることでより明るく前向きに、年を重ねていけるのかもしれません。まずは最も年齢が出やすい「髪」と「手」から――。いつも若々しくて素敵な女性たちの“心掛け”をこっそり、しっかり、教えてもらいました。
美容研究家歴63年の小林照子さん。これまで多くの女性たちの肌や髪に触れてきました。「みなさん顔のお手入れへの意識は高い。でも後回しにしてきたところにはしっかり年齢が出てきます」。特に「手」と「髪」は、後回しにされがちなパーツであり、老け見えの原因になりがち。
「顔はいくらきれいにしていても、手を見たら年齢がわかるということもよくあります。髪もハリやコシによって年齢感を印象付けるパーツ。でも『今さらケアしても』と諦めて放置している人が多い」と指摘します。
小林照子さんによると、肌の新陳代謝が細胞レベルで完了する周期は42日。この新陳代謝はいくつになっても止まることはなく、保湿をしたり、栄養を与えたりすることで細胞の生まれ変わりを助けることができます。髪も同様に、ケアをして生え変わりの周期を整えれば、薄毛は改善可能。
「肌も髪も、生きている限り絶えず生まれ変わり続けています。そのことを改めて知れば『今さら』なんていう気持ちはなくなるはずです」
小林照子さんが「諦めないで」とメッセージする背景には、自身の経験があります。小林さんは戦時中、東京から山形へ疎開。少女時代は厳しい寒さの中で農作業や水仕事を手伝うなどして、手はあかぎれやしもやけだらけ。痛みで指を開くことができないほどだったそう。
しかし、20歳でヘアメイクの道に進み、人の顔に触れる仕事であることから手のケアを習慣にするようになって以降、ガサガサに傷んでいた手も美しさを取り戻すことができました。
一方、髪のお手入れを始めたのは、60歳になってから。ボリュームがなくなってきたため頭皮マッサージを始めると、徐々に髪にハリとコシが戻ってきたといいます。
「みなさんには、もっと『自分をかわいがってあげなさい』と言いたい。オトナ世代だからこそ美しくなって、堂々と胸を張って生きていきましょう!」
こちらは2007年に雑誌ハルメクに登場していただいた、当時72歳の小林さん。毎日のケアを続けた結果、若々しい雰囲気をキープされているのかもしれませんね。
シミ、シワなど手に深い悩みをもつ読者5名が、1日約3分、細胞が生まれ変わる42日間、美容研究家の小林照子さん流ハンドケア方法を実践。驚くほどの変化に、みなさんにっこり笑顔になりました。
若い頃から節が太く血管が出ていて、最近はシミやシワも気になっていました。入浴後に一連のケアをして約2週間で明らかに肌がしっとり、爪の色もピンク色が濃くなり、甘皮もきれいに。手をブラブラする動きは、疲れが流れていく感覚でした。野菜作りで日焼けをし、手と腕にできたシワも薄くなりました。42日で変われたので、もうおばあさんみたいな手だと後ろ向きなことを言っていられませんね。今後もがんばります!
約2年前から血管が浮き出て、皮膚の水分がなくなり、ふくよかさがゼロの手に……。入浴後にケアをするのが習慣になり、テレビを見る間、手袋をしていることもありました。手がところどころ“陥没”したように見えていたのが、ふっくらしてきたのがうれしい! 今まで手に注目してケアをしたことがなく、申し訳なかったなと思います。小林照子さんが、「大丈夫、変わります」とおっしゃっていましたが、本当にその通りでした!
長年テニスを続けてシミがひどく、人に見せたくない手でした。朝の洗顔後、顔と一緒に化粧水と乳液をつけ、夜寝る前のケアを続けたらすぐに効果を実感。夜のケアは儀式のようで心も穏やかに。テニス仲間に「白くてきめが細かい手」と初めて手を褒められました。今まで好きになれなかった手を最近はまじまじと見て、愛おしいと思う時間が増えています。
手の甲と腕にシミ、シワが多く、手には大きなコンプレックスがありました。いつも座るソファの横にハンドケアのセットを置き、昼間も家事の合間にマッサージをしたり、美容液を塗って手袋をしたりしていました。3週間ほどで、娘に「お母さんの手、そんなにきれいだったっけ」と言われ、最高にうれしかったです。
手の甲の血管が浮き出て節くれ立ち、へバーデン結節で小指の第一関節が曲がり、人前で手を出すのが恥ずかしいと思っていました。毎日ガーデニングで庭に出て、日焼けで手の色がブラウンだったのが、明るいベージュ色に変わったのが一番うれしいです。手に自信が持てるようになりました。
いかがでしたか? ハルメク読者5人全員が驚きの変化を遂げました。
次記事からは、美容研究家の小林照子さんが続けている「手と髪のお手入れ方法」を解説。小林さんのメソッドは、高価な道具は一切必要のない簡単なセルフケアばかりです。ぜひ、実践してみてください。
■教えてくれた人
小林照子
こばやし・てるこ 1935(昭和10)年生まれ。美容研究家。コーセーで長年にわたって美容の研究・普及に携わり、85年に同社初の女性取締役に。91年に独立し、「美・ファイン研究所」を設立。94年に「フロムハンド メイクアップアカデミー」、2010年に美に特化した高校、「青山ビューティー学院高等部」を創設し、後進の育成に力を入れている。新著に『これはしない、あれはする』(サンマーク出版刊)。
取材・文=小林美香、野田有香(ともにハルメク編集部) 撮影=中村彰男
※この記事は、「ハルメク」2019年1月号に掲載した記事を再編集しています。
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