気になる爪の黒い縦線。実は悪性のほくろかも?

爪の黒い縦線はなぜできる?5つの原因と対処方法とは

公開日:2021/09/16

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「ふと、爪を見てみたら黒い縦線を見つけた」なんて経験はありませんか? 爪に黒い縦線ができる原因には悪性のほくろや、加齢の影響によるものなどがあります。そこで今回は、爪に黒い縦線ができる原因とその対処法についてご紹介します。

爪の黒い縦線はなぜできる?5つの原因と対処方法とは

爪の異常は体のサイン?

爪の異常は体のサイン?

普段は気にすることが少ない爪ですが、健康のバロメーターと言われるほど健康状態が顕著に現れる場所です。そこで、まずは爪の構造から詳しく見ていきましょう。

爪はタンパク質の一種

爪は、髪の毛などと同じ「ケラチン」というタンパク質の一種で構成されていて、皮膚の角質が変化することで硬くなったものです。

一般的に「爪」と呼ばれる部分は、正確な名称は「爪甲(そうこう)」と言います。爪甲は、「爪母基(そうぼき)」という根元の部分から押し出されながら、「爪床(そうしょう)」という爪と皮膚の接触面の上を滑るように前方へ伸びていきます。

また、爪の根元の白く見える半月の形になっている場所を、「爪半月(そうはんげつ)」と言います。「爪半月が多く見えると健康で、少ししか見えないと不健康」という俗説がありますが、これには確かな根拠はありません。

爪の伸びるスピードは個人差がありますが、成人で1日に約0.1mm伸びると言われています。1か月で約3~4mm伸びることになり、全体が生え変わるには5か月程度かかる計算になります。また、足の爪は手の爪よりも伸びるスピードは遅く、1か月で約1.5mm伸びると言われています。

爪の色は体調を表すサイン

爪先を見ると、爪自体は透明であることがわかります。しかし、爪が薄いピンク色に見えるのは、爪の下を通っている毛細血管の色が透けて見えているためです。

健康的な爪は毛細血管が透けて見えて、表面がツルツルしています。しかし、病気や体調不良などさまざまな原因により、爪に茶や黒の縦線が現れる、変形するなどの変化が見られることがあります。

「爪を見れば病気(体のSOS)がわかる!」とさえ言われ、皮膚科専門医は、色の変化、形の変化、爪周囲の変化などにより、全身性の病気や体調異常を見つけ出すように、爪の観察を重要視します。

爪の黒い縦線の原因はいくつか考えられますが、実は重大な病気が隠れている可能性もあるので、体調の変化を表す爪のサインを見逃さないことが大切です。

爪の黒い縦線の原因5つと対処方法

爪の黒い縦線の原因5つと対処方法

爪の黒い縦線にはどんな原因があるのでしょうか、ここでは主な5つの原因をご紹介します。

原因1:内出血

原因1:内出血

指をドアに挟んだり、爪の上に重い物を落としてしまった時などに爪の下で出血が起こることがあります。この出血が爪から透けて、爪が赤紫や黒紫のような色に見えることを「爪下血腫(そうかけっしゅ)と言い、いわゆる内出血の状態のことを指します。

爪の線は時間の経過とともに赤から黒に変色していく場合があります。多くの場合、爪が伸びるにつれて先端に移動していき、次第に薄くなり消えていきます。

つまり、内出血が少量で血腫が小さい場合は、血液が吸収されて自然に消失しますが、出血が多量または持続的で血腫が大きい場合は、溜まった血液が化膿したり、爪甲が押し上げられて爪が変形することがあります。

外傷や刺激のみならずマラソンやテニスなど、指先で踏ん張ることの多いスポーツをしている人にもよく見られる症状です。また、先が尖っている靴や、サイズが合っていなくて先端がキツイ靴などを履き続けた場合にも起こり得ます。

【対処方法】基本的にはそのままでも問題ありません。変色した箇所は爪の生え変わりと共に徐々になくなっていきます。

しかし、爪やその周辺が腫れて痛い、爪が剥がれそうだという場合は、受診して治療を受けることが必要になる場合もあります。

原因2:加齢

原因2:加齢

メラニン色素の沈着やストレスなどで血行不良を起こし、爪の下や爪母基(そうぼき)に細く薄黒い縦線が何本かできることがあります。爪床部の皮膚の凹凸が縦に平行に走っているのを反映しています。

加齢に伴い、50代を過ぎた頃からだんだんと目立つようになってきます。これを「爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)」と言い、爪で分かる唯一の老化現象なのです。

【対処方法】基本的にはそのままでも問題ありません。爪の保湿ケアなど基本的なケアで消えることもあります。

黒い縦線が急に濃くなるなどの変化があった場合には、病院を受診しましょう。

原因3:良性のほくろ

原因3:良性のほくろ

爪の根元の爪母基(そうぼき)にメラニン色素を作るメラノサイトが混入し、新しく作られる爪に黒い縦線が生じたものを「爪甲色素線条(そうこうしきそせんじょう)」と言い、良性のほくろもこの一部になります。

爪にメラニン色素が増加することで、黒い点または黒い線のようなものが発生します。爪母にも少数ですがメラノサイトが存在するため、皮膚と同じようにホルモンや薬剤の影響などさまざまな原因・刺激でメラノサイトのメラニン色素産性能が更新すると、爪にも色が着き、色素線条が現れます。

また、カビが原因で生じる病変(爪カンジダ症、爪白癬等)により、爪母にある色素を生成する細胞が活性化される場合もあります。いったん着色すると、皮膚にできるほくろと同様に消えることはありません。

【対処方法】基本的には良性のほくろに類似していることが多いため、そのままでも問題ありません。

しかし、悪性黒色腫=悪性のほくろ(メラノーマ)に移行する可能性もあるので、普段からよく状態を観察しておくことをおすすめします。もしも、黒い縦線が太くなる、色が濃くなるなどの変化があった場合には、すぐに皮膚科専門医を受診しましょう。

また、手足のほぼすべての指の爪に色素線条が生じた場合は、何らかの内科的な病気の可能性があるため検査受診が必要です。

原因4:悪性のほくろ(メラノーマ)

原因4:悪性のほくろ(メラノーマ)

悪性のほくろ(メラノーマ)は、非常に悪性度の高い皮膚がんの一種で、爪床や爪周囲の皮膚に発症すると爪が黒く変色することがあります。

黒い変色部位は徐々に大きくなり、まだらな色調になるのが特徴です。進行すると爪が変形し、割れたり剥がれたりすることも少なくありません。

また、肺や肝臓、脳などに転移しやすいとされています。見た目は良性のほくろとそっくりで見分けることは難しく、検査をして診断されることになります。以下のような目安を参考に、症状がある場合は早急に病院を受診してください。

【注意点・受診の目安】

  • 急激に黒い部分が広がっている
  • 最初は薄い1本線だった黒い縦線が太くなり(目安は6mm以上)、数本に増えてくる
  • 爪の先端と根元で黒い線の色が異なる
  • 黒い縦線の色が濃くなる、または濃淡がある
  • 爪の根元が幅広で、爪先にかけて細くなっていく(黒い線の幅が一定でない)
  • 爪のまわりの皮膚にも黒色斑が広がる(ハッチンソン徴候)
  • 黒い線だったものが三角形に変形したり、急に大きくなる
  • 黒い線の爪甲部分や爪の先の黒い部分に亀裂・割れ・変形などが生じる

メラノーマと確定診断をするためには、ライトがついた拡大鏡で検査をしたり、皮膚(爪母)病変の一部を切除して病理検査をしたりする必要があります。

悪性だった場合、重篤化する恐れもあります。さらに爪にあらわれるメラノーマは転移が早いため、命に関わる恐れもあります。絶対に放置せず少しでも早く検査・治療が必要です。

原因5:アジソン病

原因5:アジソン病

内分泌異常疾患が原因で、爪の黒い縦線が生じることもあります。そのうちの一つ「アジソン病」は、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の分泌が慢性的に低下する進行性の副腎皮質の機能低下をきたす疾患です。

爪の黒い線以外にも、皮膚に色素沈着が見られます。色素沈着は、主として体の露出部に生じるびまん性の黒色化を特徴とし、特に圧のかかる骨の隆起部、皮膚のしわ、傷跡などに認められます。

【対処方法】アジソン病の初期にみられる症状および徴候は、筋力低下・疲労・起立性低血圧です。

複数の爪に黒い縦線が発生する場合には、アジソン病の可能性を考慮し、すぐに病院を受診しましょう。

アジソン病の場合は、爪の黒い線以外の症状も現れる全身性の内分泌異常ですので、内科受診をお勧めします。皮膚科から内科に紹介することもあります。一般的に内科では、血液検査・尿検査・ホルモン検査・腹部CTの検査などが行われます。

爪の黒い縦線を作らないための6つのセルフケア

爪の黒い縦線を作らないための6つのセルフケア

これら5つの原因の中でも、主に加齢に伴ってできた爪の黒い縦線は、セルフケアをすることで、薄くしたり発生を防いだりできます。

1:しっかりと栄養を取る

栄養不足に陥ると爪はもろくなり、割れたり黒い縦線ができたりします。爪はタンパク質からできているので、肉や魚・卵・大豆などの良質なタンパク質を積極的に摂取することが大切です。

2:ストレスを溜めない

ストレスが爪に影響するというのは意外かもしれませんが、人は過度なストレスを感じると自律神経のバランスが崩れ、血管が狭まり血行が悪くなります。

爪が生まれる爪母基(そうぼき)には、たくさんの毛細血管が巡っていますが、血管が狭まり血行が悪くなると、爪に十分な栄養が行き渡らなくなってしまうのです。

ストレスを受けると脳の視床下部から下垂体を経て副腎皮質に指令が伝わり、コルチゾールが分泌されます。すると血圧や血糖値が上昇し、ストレスに対して体は臨戦態勢に入ります。このコルチゾールの分泌に関わる物質はメラノサイトを刺激しメラニンを増加させる作用があります。

3:血行を良くする

爪母基(そうぼき)の毛細血管の血行を改善することで、爪に栄養を行き渡らせましょう。マッサージの際は、爪の根元や爪先までしっかり行うと良いでしょう。

指先が冷えている人は体全体を内側から温める食事を取り、ゆっくり湯船に浸かって血行を良くしましょう。

4:爪に負担をかけない靴を履く

先端が尖っている靴やヒールの高い靴、サイズの合っていない靴などは足先に過度な負担をかけ、内出血の形成を引き起こして黒い爪変色の原因となることがあります。

足の爪に過剰な負荷をかけない靴を選ぶポイントは、足の幅や甲の高さが合っていることに加えて、極端に高いヒールを避けることです。特に、長時間靴を履いたり長距離を歩いたりする場合は、足先がゆったりしてヒールのない靴を選ぶようにしましょう。

5:紫外線対策

ミュールなど足の爪が露出する靴を履く機会が多い夏場などは、爪が紫外線にさらされることが多くなり、爪母のメラノサイトが活性化されます。その結果メラニンが過剰に生成され、爪に黒っぽい色素沈着を引き起こします。

外出時などは、なるべく爪が露出する靴は避け日焼け止めを爪に使用し、紫外線をシャットダウンするように心がけましょう。

6:爪の乾燥を防ぐ

爪も皮膚の一部なので、加齢に伴い水分保持力が低下して乾燥しやすくなります。乾燥により爪がもろくなると黒い縦線ができたり割れやすくなったりするので、皮膚と同じく、しっかりとした保湿ケアが必要になります。

爪の表面に縦筋がたくさん入っていたら、爪の乾燥のサインです。明瞭な黒い縦線予防のためにもこの機会に本気の保湿ケアを始めましょう。

爪の乾燥を防ぐためには、ネイルオイルなどのケアアイテムを使用し、爪やまわりの皮膚を保湿するのがおすすめです。

爪の黒い縦線のためのケアアイテム

爪の黒い縦線のためのケアアイテム

爪に黒い縦線を作らないための予防策や、既にできてしまった黒い縦線を薄くする対処法として、ネイルオイルで爪をケアしていきましょう。

ここでは、編集部おすすめのネイルオイルを3つご紹介します。

O・P・I 「プロスパ ネイル&キューティクルオイル」

O・P・I「プロスパ ネイル&キューティクルオイル」 2090円(税込)
O・P・I「プロスパ ネイル&キューティクルオイル」 2090円(税込)

O・P・Iの「プロスパ ネイル&キューティクルオイル」は、ネイル用品で有名なO・P・Iから出ているネイルオイルです。

保湿力の高いグレープシード・ククイナッツ・サンフラワーオイルは、肌馴染みが良いのが特徴。爪の根元に1、2滴を垂らし、マッサージするように伸ばしてから、爪やまわりの皮膚に馴染ませます。

ジャポネイラ「生の椿油」国産キューティクルオイル

ジャポネイラ 「生の椿油」国産キューティクルオイル 1573円(税込)
ジャポネイラ 「生の椿油」国産キューティクルオイル 1573円(税込)

ジャポネイラの「生の椿油」国産キューティクルオイルは、日本の固有種である伊豆大島産のヤブツバキの種子から絞った椿油を使用した、純国産ネイルオイルです。

椿油には皮脂成分に近いオレイン酸が85%含まれており、植物油の中でも酸化しにくいのが特徴。ローズ精油も配合しているため、ほのかな薔薇の香りも楽しめます。

ウカネイルオイル「basic」

ウカネイルオイル「basic」3700円(税込)
ウカネイルオイル「basic」3700円(税込)

ウカネイルオイルの「basic」は、香りを抑えたベースのみのネイルオイルで、ほんのりバニラが香ります。実力派のオーガニックブランドとしてファンの多い「uka」のネイルケアシリーズで、さまざまな香りの商品がラインナップされています。

ロールオンタイプのため使用量を調整する必要がなく、サラッとしているのにしっとりとした肌馴染みが大きな魅力です。

以上、編集部おすすめのネイルオイルでした。

爪の黒い縦線ができる原因は、内出血や加齢・病気などさまざまです。中には、悪性黒色腫などのように早急に治療を開始しなければならない病気のこともあるので、そのまま放置せずに、おかしいと感じることがあればすぐに病院を受診するなど適切に対処しましょう。

監修者プロフィール:うるおい皮ふ科クリニック院長 豊田雅彦先生

監修者プロフィール:うるおい皮ふ科クリニック院長 豊田雅彦先生

うるおい皮ふ科クリニック院長。医学博士。かゆみをなくすことをライフワークに掲げ、患者さんが希望を持てる診療に日々尽力。受診患者の99%(年間約3万人)の症状を軽減〜消失に導いた、世界有数の皮膚病・かゆみのスペシャリスト。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本研究皮膚科学会評議員、日本美容皮膚科学会・日本皮膚悪性腫瘍学会他会員。

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